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そして事件はおきました


そして次の日、事件はおきました。


「あれ、私の筆記具がない。どうしたのかしら?」


私は机の上に筆記具を置いたまま、モアさんと図書室へ行って教室へ帰ってきたのですが、その筆記具がなくなっていたのです。


「キャーッ!チョコ、机の中から何か出てる!」


あっ‥‥学園のどこかの花瓶にさしてあった生花がぐしゃぐしゃになって、机の中に突っ込んでありました。


モアさんが恐怖のあまり、信じられないといった感じで、口元を手で押さえて震えています。


「モアさん、落ち着いて。大丈夫。大した事じゃないから。私なら、慣れてるから。」


そうです。私は地球でるなとして生きていた頃、中学校でいじめにあっていました。「貞子」というあだ名も付けられて、シューズはトイレに捨てられるわ、机に落書きはされるわ、体操着はプールに投げ捨てられるしで、それはもう酷い苛めにあっていたのです。


だから、この程度なら心配いらないのです。


「チョコ、私、何か拭くものや掃除する物を探して来るわね!あと、マイケル先生にもこの事を言っておくわね!」


モアさんが急いで教室を出て行きました。


事件が起きたのは、その時でした。


「キャーッ、ひどぉい。」


廊下でピエンさんの声がします。


「誰かが私の鞄や机に落書きしたの、このペンで書いたみたい。これ、誰のなのぉ?ひどぉい。」


「おい、チョコ・シリアルって書いてあるぞ。」


 あっ、なんだか大勢の人がこのクラスに来ました。‥‥今机の掃除をしてて、それどころじゃないのに‥‥。


あっ、以前みた見知らぬ男子です。どうして、私がチョコなのだとすぐに分かったのでしょうか。このクラスのこの席の私に向かって迷いなく進んできます。


「チョコ、きさま!ピエンさんを妬んで、とんでもない事をしてくれたな!おい、お前らもこっちに来い。あいつが俺達のピエンさんを酷い目に合わせたんだ!」


あっ、見知らぬ男子が数人に増えてます。あっ、いつのまにか私は見知らぬ男子達に囲まれてしまいました。反論は‥‥出来そうにない雰囲気です。


ピシッ


誰かに胸ぐらを掴まれて、ビンタされました。


ガンッガンッ


私、男子に蹴られてる‥‥痛い。


「こらー!お前たち何してる!」


‥‥マイケル先生。


「男子がよってたかって女子に暴力をふるうなんて!どんな理由だろうと先生は許さない!」


「ちょ‥‥だって、こいつが先にピエンさんをいじめて‥‥。証拠だってあるし。」


証拠とは、私から誰かが盗んだ筆記具の事かしら。


「先生‥‥私はやっていません。この人達のいう証拠も、身に覚えがありません。ピエンさんの鞄や机に落書きした証拠が、私のネーム入りのペンだと言うのですが、私は席を外した際に誰かに筆記具を盗まれています。信じて下さい。」


「こいつ!まだ言い逃れを‥‥。」


あっ、見知らぬ男子がまだ私を睨んでいます。先生は怒りに身を震わせています。


「お前ら、そんな理由で女子に暴力をふるったのか!しかも勝手に犯人だと決め付けて!‥‥この事は学園長に報告します。退学になっても仕方がない事を貴方達はしでかしたんですよ!ところで、被害者だというピエンさんはどちらに?」


「あっ、はい。私です。あのぉ、私は皆んなを止めたんですけどぉ‥‥。」


ピエンさん、涙目でモジモジしています。


「ところで、あなたの手がインクで汚れているのは何故ですか?‥‥あなたの事は、よくトラブルを起こす女生徒として色々と報告をきいてます。あなたについても学園長に報告しますから。」


ピエンさん、ビクッとなってます。まさかの自作自演ですか?っていうか、あなたはこんな事をして、一体何がしたかったのですか?謎すぎて、怖いです。


先生は私を保健室へ連れて行ってくれました。モアさんが私の机を掃除してくれているそうです。


私は保健室で横になりながら、ピエンさんの事を考えていました。


あの時、ピエンさんの背後に黒いオーラが見えましたが、あれはなんでしょう?先生に問い詰められた時、黒いオーラが揺ら揺らしていました。ところどころ、赤い閃光を放ちながら‥‥


あんな負のオーラを見たのは初めての事だったので、私は恐怖でしばらく震えが止まりませんでした。



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