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ピエンさんの事


私とグスタボ君、エリナさん、モアさん、サトル君とのお茶会は、学園の庭園の一角を借りて行いました。


侍女のマリーが、マカロンやフィナンシェとフルーティな紅茶を用意し、給仕してくれます。


サトル君が真っ先に口を開きました。


「グスタボ君は、今は何してるの?」


「私はね、今はこれまでに描きためた絵を、画集として出版する事にしたから、その打ち合わせで忙しくしてたけど、もう終わりかな。」


「グスタボ君のそれが終わったら、また一緒に出かけたり出来る?」


サトル君、グスタボ君が忙しそうにしてたから、少し寂しかったようです。


「サトル君、大丈夫よ。もうそんなに商会へ行く用事もないし、これからたくさん遊んであげる。寂しかったのね。」


「ばか、違うよ。別に寂しくは‥‥まぁ少しはやっぱり寂しかったかな。」


「ところで、グスタボ君は将来は画家になるの?神官になるの?司祭長を目指すの?」


エリナさんがストレートに尋ねます。


「うん、どうかな。今のところ、絵は趣味の範囲で描いていたいかな。特に将来の仕事にしようとは思えないかな。


先生の話を聞いてて、自分にしか出来ない事があるな、って思ったの。


私ね、小さい頃から憑依体質っていうのかしら?色々目に見えない存在が体に入って来る事があったの。そのうち、その存在の声や思ってる事が分かる様になったの。


だから、そういった目に見えない存在と関わる仕事が将来したいと思うの。」


グスタボ君、そうなんだ。てっきりファッションデザイナーや画家といったクリエイティブな職につくかと思ってたけど、確かにその憑依体質は、貴重だから、是非そっち方面で活躍して欲しいところです。


「エリナさんは?」


「私は、まだそんな自分の能力の事はよく分からないし、必ずしもその能力で、将来何かを為さないといけないわけでもないと思うのです。


今は、勉強や生徒会や、お友達との時間を大切にしたいです。」   



「素晴らしいわ、エリナさん。私も同じです。分からない事を考えてくよくよ悩むより、今しか出来ない事をたくさんしていきたいです。


そしてその中で、もし気付きがあれば、その時に初めて悩む事にします。」


モアさん、素晴らしいです。私はエリナさんやモアさんのようにしっかりとしたお友達が出来て嬉しいです。


「そういうサトル君は、どう思ってるの?」


すかさずモアさんが、サトル君にも尋ねました。


「僕は、父が魔力研究所の所長だから言うんじゃないけど、自分に魔力が無いとしても、魔力の研究はしていきたいと思う。魔力というものを幅広くいろんな視野で調べたいし、後世へも伝えていきたい。


それに魔力に限らず、色々と調べたり研究する事は好きなんだ。僕の能力の〝集中力″がどう僕の将来に役立つのかは知らないけどね。」


サトル君、弟っぽい子だとしか思ったなかったけど、すごくしっかりした男の子だったんですね。


「ところで、チョコはどうしてる?何か困った事になってない?」


グスタボ君、鋭いです。エリナさんやモアさんから何か聞いてるのでしょうか。


「実はね、ピエンさんと初めて会ったんだけど、なかなか強烈な令嬢だなぁと思いまして。出会った時も、何故か私を悪者扱いされてましたし。何かトラブルに、私が巻き込まれそうな予感がして、少し警戒しているところなんです。」


「ピエンさん!?チョコ、とんでもない子に目をつけられたわね。ピエンさんが私か、サトル君か、会長、副会長、ソード先輩に狙いを定めたって事ね。


いや、もしかしてチョコ自身の事を勝手に敵視していて、嫌がらせをしたいだけって事もあるわね。


‥‥私ね、ああいう狩人の目をした女子の怖さをよく知ってるの。チョコも覚悟しておきなさい。」


「覚悟!?」


「まあ何があっても、私達がチョコの味方だから。安心して。」


「グスタボ君、皆んな‥‥。」


皆んなが優しい笑顔で私を見つめています。私は一人じゃない、皆んながいてくれる。とても心強いです。


ヨシ!もう何があっても大丈夫!


こうして五人がお互いに絆を深め合って、このお茶会は終わりました。


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