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アテナ商会

ブックマークや評価をありがとうございます(^^)



タロットカード作りは、グスタボ君のおかげであっという間に終わってしまいました。


早速商会へ持ち込みに向かいます。


グスタボ君の他に、モアさんとサトル君が付いてきてくれました。


なんと、モアさんのマシム侯爵家は、出版業や本を取り扱う商会を何店か経営しているのだそうです。


モアさんに事情を話し、出版業と販売業を担う〝アテナ商会″を紹介してもらいました。


「こんにちは、会長。前に話していた友人達です。今日は宜しくお願いします。」


「モアお嬢様。お久しぶりです。えっと、、チョコ令嬢と、グスタボ様でしたね。話の概要はだいたい聞いています。どうぞ、お掛け下さい。」


会長と簡単に挨拶を交わしてから、ソファーに腰掛けました。


「会長、早速ですが、このカードを見て下さい。このカードは、22枚で1セットとなっています。絵の上に、番号や名前がついているのは、これを22枚揃えると、誰でも簡単に占いが出来るのです。


カードと占いが浸透してきたら、占いの方法を書いた本も出すつもりです。


どうでしょうか。こちらで出版、販売をして頂けますか?」


「これは、素晴らしい絵だ!この絵は売れますよ!なんて上品で美しくて繊細なんでしょう。この絵は、いったいどなたが?」


会長は、グスタボ君の描いた絵にとても興味があるようです。少し興奮気味でした。


「あっ、私です。私がチョコ令嬢の指示を受けながら、描きました。」


「あなたが‥‥美しい。この絵もあなたも、まさにミューズ‥‥。素晴らしい。」


会長のグスタボ君を見る目が、うっとりとしています。


「オホン、では会長のご意見をお聞かせ下さい。」


「良いと思います。是非こちらで出版と販売をさせて下さい。あと、提案なのですが、こちらのカードを、毎週一枚ずつ販売する形での販売でも宜しいでしょうか。


0番から、順に毎週販売すれば、お客様は全部の絵柄のカードを揃えたくて、毎週必ず買いに来ると思います。」


「流石です、会長。それでお願いします。」


私は、会長と出版にかかる経費や今後の打ち合わせの予定を相談し、売上金の配分に関しても話し合い、合意を得ました。


とてもしっかりしてますが、本当に12歳なのですか?と聞かれた時は、ドキッとしたものの、本当は精神年齢25歳なんです、とは言えないので適当にごまかしておきました。


変な事を言って、折角の商談を無駄にはしたくなかったので。


あと、グスタボ君のスケッチ帳の他の絵を見た会長が、本の装丁や、絵だけの本を出版しないかとグスタボ君に提案していました。


「学園の勉強に支障をきたさない程度であれば、良いですよ。」


グスタボ君も、会長の評価に戸惑いながらも、どこか少し嬉しそうでした。




商会の帰りは、私とグスタボ君、モアさん、サトル君でのティータイムです。


「チョコさんも、グスタボ君も凄いですわね。私も少しだけでも二人の活躍に関われて、光栄ですわ。」


「モアさん、良い商会を紹介してくれて、ありがとう。」


私とモアさんが、隣同士で話していると、前の席でグスタボ君とサトル君が仲良く戯れていました。


「ちょっ、グスタボ、やめろって!あーんじゃないって。一人でケーキぐらい食べられるから!」


「あら〜、そんなに口のまわりを汚しちゃって、一口分が大きいのよ。ほらっ小さく切ったから!あーん。」


‥‥グスタボ君、サトル君がなんとなく弟体質なのは分かりますが、それは‥‥あんまりです。サトル君、真っ赤になってわたわたしています。可哀想に‥‥。


グスタボ君の天然たらし体質め。


私とモアさんは、顔を見合わせて溜め息をつくのでした。



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