タロットカード作り、スタートします
「‥‥うん、大体わかった。じゃあ、チョコの前世でやってた占いをする為に、私達でタロットカードを作ろう!」
グスタボ君が、カード作りを手伝ってくれる事になりました。
エリナさんも初めて聞いた地球という世界や、タロットカードに興味深々の様子でした。今は大人しく、私とグスタボ君のやりとりを聞いてくれてます。
さて、やっていく行程ですが‥‥
まずは私が、カードのテーマを一枚ずつグスタボ君に伝えて、それをイメージした絵をグスタボ君に描いてもらうという流れです。
はっきり言って、グスタボ君に丸投げ的な感じです。
お洒落なカードがいよいよ22枚完成したら、出版物を取り扱う商店へ持ち込みます。大量に刷って、販売してもらう為です。
本来なら、タロットカードは22枚で1セット販売する物ですが、この世界のお店では、お客様が気に入った絵柄のカードだけを買えるように、一枚ずつバラバラにして売ってもらう事にしました。もちろん、22枚全てを揃えて買うことも可能です。
まずは、カードを世の中に浸透させる事、それが目的です。
ちなみに売上金の二割は商会に、残りはグスタボ君に‥‥というつもりでしたが、何故か私も一割貰える事になりました。
「チョコのその占いって、そのカードを使ってやるんだよね。それって、カードがあれば誰がやっても、出来るものなの?」
さすが、賢いエリナさんです。核心をついてきます。
「占い自体は誰でも出来ますよ。自分自身の今日の運勢、天気も。
ただ、真剣な悩みを抱えた人を占う時は、その悩みを聞いてあげて、その人の叶えたい事や、恐れてる事を分かってあげた上で、占いの結果を伝えなきゃいけないんです。」
「おーっ、凄いチョコ!何だか本当の占い師?みたいよ。」
エリナさんが、拍手をしてくれました。可愛いっ。
グスタボ君も私に感心している様子です。
「チョコの『共感能力』って、もしかして占い師の事を言ってるのかもよ。また占い師をやりなさいってね。
悩んでる人達の悩みを聞いてあげて、一緒に解決方法を探してあげるなんて、凄いじゃない!是非やるべきよ!
この世界には、きっと沢山悩んでる人達がいると思うから、そうやって気軽に悩みを相談出来る機会があれば、救われる人がいると思うの。」
いつになく、真剣にグスタボ君が語ってくれました。
「ありがとう、グスタボ君。きっと、私とグスタボ君で最高のカードが作れると思う!」
「じゃあ、これから毎日学校の後は二人きりで過ごす事になるのね。どこで会う?」
二人きりでって、ちょっとドキッとするから、その言い方やめて~って思っていると、
「生徒会室で良いんじゃないかしら?」
エリナさんから、まさかの提案が出ました。
「だって、生徒会室だよ。会議とかの時しか入っちゃダメじゃないの?」
「そんな事はないみたいよ。だって、毎日ノア先輩はそこで本を読んでるし、ソード先輩なんか、剣の稽古で疲れると、生徒会室のソファーでお昼寝してるもの。」
なんと、エリナさんがやけに生徒会室に詳しくなっていました。
「あら~、エリナちゃんやけに詳しいのね。さてはしょっちゅう行ってるわね。‥‥ソード先輩に会いに?かしら。」
「‥‥‥書記として先輩の補佐の為、色々教えて貰って、たまに差し入れにいって、ついでに少しお話ししたり、ハンカチを忘れた先輩に刺繍入りのハンカチを渡しただけですわ!」
「‥‥。」
エリナさん、ソード先輩の事を凄く好きって事がよく分かりましたよ。
本人は、一生懸命に否定したつもりですが、逆効果です。
恋のお話が大好きなグスタボ君、ニヤニヤしてます。
「‥‥もう!私の話は良いのよ!だからチョコ達も生徒会室に来なさいね!」
「はい。」
グスタボ君、少し不満気です。
「‥‥生徒会室って、会長のマカロン先輩もいつもいるの?」
「ええ、たいていはいるわよ。」
「ふーん‥‥。まぁ、チョコが生徒会室で良いんなら、私もそれで良いわよ。」
という訳で、いよいよタロットカード作りのスタートです。