8話 女神の告白
神域 喫茶「みょっるにる」 拷問部屋
「え~と、つまり、有り体に言って、覗き?」「むしろラッキースケベでは?」「ラッキー覗きで」「女神の裸見れたのかな?」「どうかな? 合わないと声すら無理だし」「相性は十分でしょう。どこまで見れたかは、本人が分かるとして」
まだ真っ赤に染まり俯く女神を尻目に盛り上がりを見せるネコパジャマとタヌキパジャマとスライムパジャマ。
「あの様子だと~?」「本人も全部見られたと」「つまり丸見え!」「すごいよね。そんだけの相性って」「神託しりとりとか出来そう」「あ~、いいよね、あれ」「スッゴく仲良しな感じがねー」「恋人とか?」「「きゃ~!」」
黄色い歓声が、あがる。
「うううぅ。つまりそんな訳でそーゆー事なのですわ」「まだ赤いね」「真っ赤だね」「爪先もピンクですね」「うわーん。だって来ると思って無かったんですのよ。不意討ちですのよ! しかもHaDaKaですわーー!」「あ~、壊れた?」「こっちが素だけどね」「これは思っていたよりガッツリ見られた様ですね」「あ~、つまりあれも?」「でしょうね」「……」「ドンマイ!」「事故ですよ~」「なんですの、なんですの! 下手な慰めなんて欲しくありませんわ! だって、だって……真っ直ぐこっち見て、上から下までじっくりぃぃぃ~!」「うわっ。スケベさん?」「魂だけならセ~フ?」「欲情してなければセーフですね」「「どうなの?!」」「ひぃ! 何なのです、このような辱しめは!」「ほれほれ?」「吐けば楽になりますよ~?」「それで、そのガン見さんは、なんと?」「はぅあわわわ。あぅぁぅぅ。………『綺麗だ』って………ふにゃあああ!」「「おおおおぉー!」」
女神達はきゃーきゃー騒ぎ続けている。
「すごい、すごい!まるで妄想劇みたい!」
「あの女神八十六式みたいな?」
「んだんだ!」
「すごいね、本当に在るんだ。そんな事」
「ううぅ、わたくしも信じられませんわ」
「なんで下界にポイしたのよ!」
「そ~ですよ!勿体無いです!」
「だって……夢だと思ったんだもん」
「「おおぅ」」
「仕方ありませんよ。私も同じ事をするでしょう。むしろ下界に叩き落とします」
「なっ何故に!?」
「転生者は基本的にハズレですから」
「厳しい!」
祭りはまだまだ続く。
「つまり、恥ずかしさのあまり、よく確認もせず、転生させたと」
「うー。そうですわ」
「なんでローパー?」
「デフォがローパーで、弄ってなくてそれがそのままに、ですわ」
「まさか、はじめて!?」
「そうですわ。わたくしと同調する魂なんて無いと思っていましたわ」
「あ~、いつもは部下の人がやってるもんね。諸々な事」
「でもあれだけ転生させてやっとはじめての人かー」
「はじめてなのに、やっちゃった?」
「ぐふぅ」
かなり落ち込んだ様子のチェックな女神。
「なんで今迄普段通りだったの~?」
「全部夢だと思って全力で忘れていたのですわ」
「何か特殊な力を与えたりは?」
「ないですわ。デフォルトそのままですので、真っ白ですわ」
そして真っ赤だった女神は質問責めに遭い、真っ白に燃え尽きた。
「これで大体の謎は解けたかな~?」
「そうね、ローパーの謎は解けたわ。犯人は乙女!」
「いえ、全く解けていませんよ」
「なに?!」
「むしろ謎は深まりました」
「謎って?」
「いつまでもベビーローパーなのは、進化条件を知らない事がおそらくの理由です」
「あー、そーいえば?」
「あとは、魅了でしたか?」
「そうです。あの職員を全滅に追い込んだ力の正体が掴めません」
「ふ~は~ふ~は~。ふぅ。よしっ! これがあたしの知る全てだ」
「あっ戻った」
「お帰り~」
「おう、待たせたな」
「ええ、待っていましたよ」
「おっおう。なっ何があった?」
「逃げ腰だねぇ」
「そりゃあれの後だし」
「ローパーについては詳しいですよね?」
「そりゃ、ローパーの管理とローパー転生の老舗だからな」
「本人はまだ経験者一人ですけど」
「いいんだよ! 部下の仕事は、あたしの仕事だ!」
「貴女以外の神が同じ事を言ったら鈍器でお仕置きする台詞ですね」
「「うんうん」」
「上司にしたい神トップスリーだもんね」
「人前が苦手で部下任せだけどねー」
「んなこたぁどうでもいい! 上司はケツだけ持ちゃいいんだよ!」
「「男前だ!」」
「やっぱり触手にこだわりが?」
「いや、あれは部下達の趣味ってか、ローパーを望む奴が回されてきてるからだな。直にあたしの元に来たのは、……その……さっきの一人だけだ」
またもや真っ赤になる女神。
「もーどんだけ乙女なのよ!」
「仕方ないだろう! あたしのオゥッ! ティンティン! まで見て……き、綺麗って」
「あれっ。どうしたの頭抱えて」
「謎が解けた気がします」
「へ? なんで?」
「いえ、今の姿で何となく答えが見えました」
「今の姿?」
「真っ赤な乙女?」
「神の特性と本人の資質、性格ですかね」
「ん~? もっと分かり易く!」
「大御神である彼女の特性は陰陽和合、広い意味で調和もありますね。」
「うん。女であり男である。調和と調律が得意って」
「他にも得意なものがありましたね?」
「え~と? あっ! 音楽!」
「正解です。あまりの技巧に禁止されたものですね」
「皆どんちゃん騒ぎで仕事にならなくて、禁止されたんだよね~」
「そうです。神をも魅了する力」
「えっ?」
「それじゃその力が、はじめての人に?」
「いえ、それはないでしょう」
「むー。じゃあ、どうゆうことなのよ」
「取り敢えず映像が有るので見てみましょう」
「おっ! 上映会だ~」
「ん? なんで最初に出さなかったの?」
「……あまりにも危険なので」
「ちょっと! そんなの出さないでよ、ってあーもう! いつまで貴女は乙女ってるのよ!」
「うふふーキレイって。キレイって、ぐふふっ」
真っ赤な女神は当分帰ってきません。