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ケーキ大好き、私も大好き、モンブラン

いよいよお客様襲来

顧客満足を提供出来るか?



「では、お足元と頭に気を付けてお乗り下さい。」

社用車、真っ赤な某大佐カラーのズスキレパンにお客様を誘導する。

ドアには吉祥寺ホームの文字が白抜きで書かれて居る。 裸婦のシルエットにお祓いに使うしめ縄が付いたスティックみたいなマークが描いて有るのはどうかと思うが、この色は普通車にしか見ない色なので気に入っている。


「舞ちゃん、今日は五軒内見されるけど、二軒目は貴女の力をアテにしてるわよ。」


お母さん、今日は二軒目がヒットの様です。


「はい、舞にお任せ下さい。 礼子さん。」

とほほ、結構疲れるから、そっち関係疲れるんだよね。


モヤモヤしながら五軒の内見は終了、何故五軒かというと、お客様から指定がない限り、四や九は縁起が悪いので調整するそうだ。 若い私には余りピンと来ないけど、年配の方は車のナンバーから番地、電話番号まで気にするそうだ。 良く分からない、どーでもいい。


「あのーーー」

「はいっ」 きた〜


一旦見て終わったあと、お客様は二軒目の再見を所望された。

「一階がケーキ屋さんで、朝早くから階下が五月蝿いんで、家賃は上の階より一万安いのが魅力なんです。

私はケーキの甘い香りが大好きで大好きで、賑やかなのは大丈夫なんで、もう一回見たいんですけど。」


引き返し、もう一度お部屋にお客様を案内する。

そう、ここは礼子さんが私に申し付けた部屋だ。


「ウフフ、やっぱり、雰囲気がいいわ、甘い香りして、なんだかフワフワした気分になるわ」

「お客様、パンの仕込みで朝は5時位から五月蝿いですし、夕方のお仕事や、夜勤をされていましたら寝られないですよ。 お酒を呑んで二日酔いの日は絶望的な気分になるかもしれません。 その様なことも考慮されて•••••」

礼子さんのコメントが有った物件は、取り敢えず止める様にしている。

だって、絶対いわくありなんだもん。

見えない私にも、白い壁に得体のしれない影が消えては現れてるのを感じる。

黒髪ロングのお客様には、ピッタリビンゴの予感がして、戻しそう。 うぐっ

「不動産屋さん? お口に鳩でも飼ってらっしゃるの?」

なんだとー、こっちは貴女を気遣いながら気持ち悪くなってんのに、帰りたいですお母さん。

クッポクッポクルッポー


結局、そのお客様はケーキ屋の二階を契約されました。


「舞ちゃん、あれほど言ったのに契約することになってしまって。」

「すいません、でも、お客様は舞がしつこく駄目出ししても、目を蕩けさて肯定的に反論するばかりで、」

「覚悟なさい、一ヶ月がヤマよ。」

礼子さんはそれっきり、この件については喋りませんでした。


そして、一週間後、一本の電話が掛かってきたのです。

それは、西日本が記録的な豪雨に見舞われた、そんなある日。


「ぎぃぃぃぃやああああああああ」


まだまだ続きますが、貴方の予想と一致するか?

待て次号(笑

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