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第三話 施設侵入

 さて、無事にヘリに乗ったわけだが、流石に防衛軍が追ってきた。怠惰じゃなかったんだなぁ。

 操縦席の方から声がする。

「急いでください! そろそろ追いつかれるんですよ! え? 後1分かかる? そんな馬鹿な! 30秒で間に合わせてください! こっちが持ちません!」

 要するにこっち側の戦闘機が来てないから敵の戦闘機大隊にリンチにされているわけだ。ヘリは2機あるので何とかなってるらしいが。

「最悪の場合パラシュートでの脱出もあり得ます。いつでも降りれるようにしておいてください」

「いやいやいや、何とかならないの?」

 俺の隣にいるおっさんがわめき散らす。TE付けてもなおTE無しに負けてるくせに何を言う。

「何とかならないから言ってるんでしょうがぁ!」

「そこを何とかするのが君たちの仕事なんだよ」

 いやいや、何とかするって言っても限度があるだろ。

「そもそもこのヘリには武器すら積んでないのか!」

「民間機に偽装しているのでほとんど積んでないんです!積んでると言えば7.7mm機銃1門のみです!」

 民間機に偽装するならそれすら積んだらいけないと思うのだが、そう思うのは俺だけなのだろうか。

「いや、民間機に7.7mm機銃なんて積んだら駄目でしょうが」

 おお、同志がいてくれたようだ。

「ならそれで撃墜すればいいだろう」

「いや、撃墜できたら困らないんですよぉ!」

 ほんと、なんでこのおっさん昇格できたんだ?無茶すぎるだろ。

 そう不毛な雑談をしていると、横を戦闘機らしきものが通り過ぎていった、多分ベルファスト家の本社であるベルファスト社の最高傑作と言われているBF-1だろう。形が独特すぎるからすぐに分かった。まぁ、その独特な形こそが強さの秘訣らしいのだが。

「よし、これで逃げ切れますよ!」

 ああ、勇者よ、露骨なフラグを立ててしまうとは情けない。

「いや、そういう事を言うとですね」

 俺がフラグについて説明しようとテンプレを言った瞬間、サイレン音が鳴り響いた。

「エンジン部が停止、墜落します...!」

 運転手の悲痛な叫びとともに、ヘリが降下していった。

 しかし、下を見下ろすと、なんと、ベルファスト家の所有物の目的地があるではないか。なんという強運だろう。自分には運がないので粗方隣にいるお嬢さんことテネシーの運だろう。大企業の経営者とかって運いい人多いからなぁ。

 「あそこのヘリポートに着陸します。予備エンジン始動」

 予備エンジンがあるのならとっとと使えよ!と言いたいのを必死に押さえつつ見ていようとしたのだが、横から突っ込みが入った。

「予備エンジンがあるのなら使いなさいよ!なんで使わなかったのよ!」

 まずい。(爆笑)ってなるところだった。危ない。しかし、自分の言いたいことを言ってくれたので、俺からは追撃をかけないようにしておこう。

そして、紆余曲折あって何とか目的地にたどり着けたのだった。



 一応、事態は収束したようなので先ほどまでに起こったことを整理してみよう。

 というか、学校の研修で火星に来たはずなのに気が付いたらTE起動してまでして俺一体何をやってたんだろう。こんなことやってる暇があったら一刻も早く教師のもとに行って事情説明しないといけないぐらいなのに。

 それよりも都市の消去の方だ。何を考えているのか理解に苦しむが取り敢えず消去するらしい。

 そして自分は大丈夫なものの、それを阻止しなければ後味悪い、と。どうすればいいのこれ。

 取り敢えず俺は目の前にいるテネシーに聞くことにした。

「さっきいた都市消去されるらしいんだけど知ってた?」

「なんであんたはタメ口なのよ。まぁ、いいけど。私は知ってるわ。でもそれがどうしたの?」

「いや、止める気はないのかなぁと」

「止めたくないかと言われれば嘘だけど、上には上がいるものだし」

 まぁ、そりゃそうだわな。上には逆らえないのがこの社会のルール。だからこの世に社畜が増えていくんだよ全く。

「さてと、その肝心の消去だが、どこで操作が行われているか知ってるか?」

「知ってるわよ。確か安全面を考慮して各防衛軍の最深部にあったはずだわ」

 最深部て。侵入するには無茶がありませんかねぇ。

「侵入は」

「不可能よ。そこに行くためには監視カメラと100人以上の監視人を超えていかなきゃいけないのよ。勝ち目ないじゃない」

 意外とそれぐらいだったらいける気もするけどなぁ。

「取り敢えず俺はそこに行ってくるから」

「いや、ちょ、待ってよ!私も行くわ!」

「ならご自由に」

「え?いいの?」

「けど、死んでも責任は取れないぞ」

「ええ、望むところだわ」

 冗談半分に言った俺の言葉に本気で頷くとは。正直来ないと思っていたが、本気のようだ。

「いや、本当に責任とれないけどいいの?」

「ええ」

「なら行くか」

 そう言って、地獄の防衛軍施設へと向かう準備を始めるのだった。



 さてと、現在はエンジンを撃たれて撃墜中のヘリの中です。はい。

 なぜこうなったかといいますとですね、簡単に言うとわざと撃たれました。はい。

 そして今から降下して突撃というわけです。はい。

 まぁ、なんやかんやで突撃なのだが、さすがに俺とテネシーの2人という要人を単体で連れ出すわけにはいかなかったらしく、今回の作戦には4人の護衛兼補佐がついてきてくれることになった。ヘリの操縦手とは別に、である。

 しかし、ヘリが撃墜することで自動的に操縦手、副操縦手もついてくることになるのだが。

 さて、今回俺たちが侵入するのは防衛軍施設の指揮B棟3Fからの侵入となる。さして難しくない地形のはずだ。テネシーも俺も一応地味なコートに着替えてあるし。

 しかし、予想に反して建物内は騒然となっていた。何しろ技術棟に並んで近づけてはいけない棟に撃墜したとはいえ敵ヘリを連れてきたのだから。

 俺たちが3Fを歩いていても気づくものはおらず、皆各々の部署などへの確認作業に没頭していた。

 そのおかげで難なく1Fまではこれたのだが。

 問題はここからである。

 1Fから地下へ降りる道へは必ず警備員が配置されており、ここから先はいくらかの身分以上じゃなければ入れなかったはずだ。また、俺の改造TEのハッキング情報によるとこの先に通る通路で30人。そこから最深部の1個前のエレベーターまで20人。そしてそのエレベーターを降りた先から最深部への道に40人。そして最深部はラスボスらしく何人いるかさえ不明という鬼畜現象。

 どっからどう考えても成功しそうにないのですがそれは。

 そしてついにその門番さんの所に来たわけだが。

「貴方は平石総長の息子さんですよね。こちらへ」

「いや、いかないからね?そこ通してください」

「さすがにそれはできません」

 ダメかぁー。

 一瞬いけると思ったんだけどなぁ。

「じゃあそこを通るだけだわ。ちょっとお手を拝借っと」

 そう言ってテネシーが手をつかんだ瞬間、兵士がひっくり返る。

「ほら、今」

 その声に従って補佐さんたちが縛りあげていく。というかテネシーさん怖すぎるんですけど。普段かわいい金髪美少女系なのにその顔のまま兵士をひっくり返すとかどんな教育受けたんだよ。そのかわいさ台無しだよ。

 そんな俺の苦悩を知ってか知らずかテネシーはこちらを見るとこう言った。

「じゃあ、次行くわよ」

 と。

 正直もう怖いよぉ。おうち帰りたいよぉ。

 俺の現実逃避を知ってか知らずか、先行してどんどん先に行ってるテネシーが尋ねてきた。

「ねぇ、このフロアって後何人残ってる?」

「テネシーこぇぇなおい....ん?通る通路には10人。それ以外を入れると20人かな」

「あんたわかってるでしょうね?」

「いや、何もわかってないと思いたいね」

 不味い、心の声が口に出てしまっていたか。これからは気を付けよう。

 

 そこから先は特に大した問題もなく、最深部につくことができた。

 まぁ、それも全て俺の前で片っ端から処理してくれるテネシーと補佐のおかげなのだが。

 さて、肝心の最深部であるが、そこには単純計算で50人は超えるであろう人やTEで埋め尽くされていた。

「いやいや、さすがにこれはまずいって」

「ええ、そのようね。でも突破すればいいじゃない」

 テネシーは不敵な笑みを浮かべるとそういった。

 このお嬢さん絶対この状況を楽しんでるな。そう俺でも確信できるほどに何かに満ちていた。



「部分展開、レーザーキャノン展開。発射目標目の前の敵っと」

 俺はそうぼそぼそつぶやきながら1体のTEと相手をしていた。

 俺のTEはほとんどを司令用に割いているが、それでも武器の一つや二つぐらいなら問題ない。

 そして今出したレーザーキャノンは対TE戦において最も楽にTEを倒せる代物である。

「さて、発射しますかね。狙って....発射」

 そういうとレーザーがTEに向かって飛んでいく。最初の数秒は敵TEも耐えたものの、次第に押されていった。そして、中央部をレーザーが貫いて大破。こんな作業を何回かやっている。

しかもこのれー

 ちなみに今俺のTEが絶賛ハッキング中なので、正直打てるところがないというのが....ハッキング終わった。

「テネシー。ハッキング終わったからちょっと頼む」

「了解したわよ」

 そういうとテネシーは俺の援護に回ってくれる。

 補佐の人もいるにはいるのだが、自分の身を守るのに精一杯という状況だ。

「さてと、停止コマンドはっと。...あった」

 俺はそこで停止コマンドを入力すると、テネシーと補佐にこういった。

「作戦は成功しました。今から戻ります」

「「了解」」

 そういって今回の作戦はあっさりと終了したのだった。

本当は1万で完結させ、短編にする予定だったのでそんなに長くは考えてませんでした。なので少しばかり次の投稿に時間がかかるかもです。

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