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第二話 施設脱出

「後は君だけだけど。どうする?私と戦う?」

なんか防衛軍のお姉さん強すぎやしませんかねぇ。一応は精鋭部隊のはずなんだけど。

「あの、TE使いたくないんですけど。めんどくさいんで」

「そう?でも使わなきゃ負けちゃうわよ?」

「いや、カッコ悪いじゃないですか。こういうのはアクセサリーとしてつけとくか、こう使う物だと思うんですよ。フルで展開中のお姉さんには悪いと思いますが」

そう言って俺は時計を目の前に出すと、こう言った。

「部分展開、光線銃」

そう言うと自分の手には光線銃が握られている。

「それだけで大丈夫?」

「現代科学を舐めすぎでは?」

お姉さんの方向に銃を向けながら言う。

「なら、先手を打たせてもらうわ」

するとお姉さんは直ぐに高速移動を始めた。

俺はお姉さんが人質を取った事をしっかりと見ると銃口を上に向け、引き金を引いた。

それは天井を突き抜け空に出た後、ひとしきり輝いた後に消えた。

「何がしたかったの?」

その問いに

「こうしたかったんです」

そう俺は答えた。

するとその直後頭上には大量のヘリで埋まって居た。

「何がしたかったの?そんな兵器を集めたところで最新型のTEをつけている私にかなうとでも?」

なんかうざいなぁ。軍事用ヘリが舐められてる気がする。

そんなたわ言を言う人にゆっくりと微笑むと俺は一言こう言った。

「コードα、目標を破壊せよ」

その言葉に従って全機が発砲した。

「くっ...!これはTE貫通弾!?あれは軍の最高機密のはずなのに!」

説明しよう。TE貫通弾とは最強を極めて来たTEに現代兵器が対抗する為に作られた弾の事である。何故俺が持ってるかって?まぁ、ちょっとばかし技術部の方に頼んでシステムに入ってもらっただけである。技術部すごい!

「だから現代科学を舐めるなと言ったんです。では、そろそろフィナーレに入りましょうか」

「貴方こそ防衛軍を舐め過ぎじゃないかしら」

そう言うと....え?何故目の前に?

「え?いや、んな馬鹿な」

後ろで誰かが呟いてる。誰だっけ?あ、そう、ロバートか。

「ロバートさん。どうかしましたか?」

引きつった顔でロバートが答える。

「これはまずいです。この機体、軍の最新型にして現時点で究極の完成体です。機密故に名前すらつけられてないとか」

「さぁ、弓田君?君の価値観だけでTEを起動せずにここの全員を見殺しにする?」

「...」

言い方がムカつくが、確かにどうしようもないのも事実である。というか俺のTE起動できないの知っててわざと言ってるだろこれ。

いや、どうしようもないのか?確かに最新機なのかもしれないよ。だからって勝てない訳じゃ無いんじゃ?

「うーん。テネシー。この機体をサンプルに欲しいんだけど良い?」

「どーぞ。どうせ私には指揮能力はないから」

それに俺はニヤリと微笑むと部分展開させているTE勢の人たちに向かってこう言った。あ、タイムラ○ン勢じゃないよ!

「起動可能なTEは全て起動。目標を現在位置に固定-完了。臨時第176大隊遠距離部隊と航空部隊による攻撃を開始-到着まで3分59秒」

 「それってTEの使い方間違ってないかしら」

 気付かぬうちに固定されて居た事に驚きながらお姉さんがそう言う。

 「そうですか?CPUの殆どをこっちに割いただけなんですけどね」

 まぁ、そのせいで部分展開しかできない訳だが。

 「だからって部分展開させるのがノートパソコンなのには異論を示したいわね...」

 もはや抵抗する気すら無いのか、お姉さんがそう言う。

「あのねーちゃんやる気ないんだな」

「所詮は雇われか...」

 おいおい君達、そんな事を言ってると命の保証は

 「ん?」

 ほらぁ。言っただろぅ? 命の保証は無いって。

 お姉さんがTE解除を外してTE付きの二人に喧嘩売ってるんですが。もう一回部分展開して。

 「ってちょっと待てぃ! -作戦中止。目標がTE解除。繰り返す。作戦中止。目標がTE解除」

 ふう。危ないところだった。

 後1分程度で爆撃が開始されて、ここにいる人全員が死ぬところだったよ。

 しかし、TEを外すと拘束が解けるようになっているのか。今まで安全面からとった人はいなかったが、実際そうなるのなら早めに別種の開発に取り組んでもらわないと。技術部の連中は何をしてるんだ? そこは気づかなかっただけじゃ済まされないと思うのだが。

 そこは後々考えるとして、あのお姉さんTEを解除したから格段に弱くなってる。というわけじゃなさそうだし。というかあのおっさんたちボコられてるし。TEつけてもボコられてるとかどんだけ弱かったんだよ。一応は精鋭の筈だろ?

「テネシー。ちょっと縛っといて」

「私にあんな怪物(バケモノ)を縛れるとでも思ってるの!?」

「ベルファスト家の教育官は代々体術も教えてきたと聞いてるが」

 聞いたときは相当ビビったが。

「だからって怪物相手に勝てるわけが無いでしょうが!」 

 相手は怪物じゃ無くて人間なんだけどなぁ。多分。

 というか、本来ならこんな雑談などしていたら皆殺しにされてもおかしくないはずなのに、されてないと言うことは少なくとも大仰に反抗する気は無いようだ。

 通信機等で連絡を取られていたら別だが、先ほどのおっさん達に説教めいたことをしてるのでその可能性は低いだろう。喋りながら脳内で連絡する装置とかがあるのなら別だが、そんな機械あったら各国が使ってる。

 というかそろそろ回収ヘリ来ないんですかねぇ。いつまで待ったら来るんだよ。流石にボーッと考えるのも限界があるぞ?

 そう考えていたからかは知らないが、都合よく回収用のヘリがご登場した。爆発オチじゃなければいいのだが。

 ヘリの塗装も塗装で堂々のベルファスト家の子会社のものだ。いや、いいんだけどさ、もうちょっとわかりにくい様にしないのかなぁ。ロゴ丸見えだし。

 ともかく、とっととここから出よう。そろそろ増援辺りが来るだろうし。

「早く乗ってくださーい」

 ヘリの操縦手が操縦席から声をかける。

「はーい。今行きます」

俺はそう言うと、TEを解除して倒れてるおっさんたちに

「早く行きますよ」

と言った。

因みに例の怪物お姉さんは拘束されて乗せられた。




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