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魔法少女"某(ナニガシ)"  作者: 小津敬一郎
エピローグ
22/23

さようなら

エピローグ


 私の青春は、ラヴェールと一緒に。


 覚えてる?高校受験で、第一志望に落ちたあの日。

 ラヴェールはそんな事気にするな、なんて慰めてくれた。

 今でも気にしてます。東大に現役合格した今でも。


 覚えてる?好きな人に告白して、見事に撃沈したあの日。

 ラヴェールはこんな可愛い女の子を振るなんて!って怒ってくれた。

 でもラヴェール、私はそんなに可愛くない。買い被りすぎよ。


 覚えてる?めぐみさんがインターハイで優勝したあの日。

 めぐみさんにラヴェールを一晩預けたよね。

 どんな話をしたの?めぐみさんに聞いても答えてくれないし。


 覚えてる?私が今度こそは、と奮起して東大を目指す事を決めたあの日。

 高い目標を持つことはいいことだ、って言ってくれたけど。

 ごめんなさい、ラヴェールにはもう出来ない事だった。


 そんな私も、高校生の時間はもうおしまい。

 春からキャンパスライフが待ってる。卒業証書を誇らしげに掲げ、部屋に戻ると……


 ラヴェール?ラヴェール?

 もう喋らない。


 そっか、お別れ。最初からその約束だったね。

 もう泣かないと決めたけど、卒業式の最中も泣かなかったけど。

 なんでだろう、涙が止まりません。


 ありがとう、ありがとう。ありがとう……


 いつか、私もラヴェールのところに行くでしょう。

 ああ違うの。人はいつか死ぬ、っていう意味でね。

 私も、ラヴェールのところに、いつか行くことになります。その時は――


――同じ時間を、刻みましょう。


 それまで、しばらくの間。


 さようなら。

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