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12話:ハンドガンを選ぼう

2016/08/09 表現修正

2015/09/24 表現を一部修正


 .44口径のハンドガンといっても何種類かある。違いはバレル長、再装填の手順などだ。


 厳密には弾薬の違いもあるが、ここは省略。ベックさんのお店では.44口径といったら一種類の弾薬しか置いていないようだ。

 面倒なのでざっくりだが、バレルの長さは威力に関わる。抜き撃ちのしやすさにも影響する要素だ。

 再装填の手順というのは、たとえばダーティハリーやシティハンターに出てくるリボルバーのように横にシリンダーがスイングアウトして弾を入れ替える、なんてものはここにはない。

 銃が前後に分かれるか中折れするかしてシリンダーごと交換するか手でシリンダーから薬莢を詰め替えるか、いわゆるピースメーカーみたいに一発づつ空薬莢を抜いてから新しいのを込めていく方式。


 要は西部劇の鉄砲なわけだ。

 弾を込め直す手間を嫌って何丁もぶら下げていたガンマンもいたという。この世界にいるのかどうかは知らないけれど。

 幸いワイルドウェスト初期の、火薬と弾とキャップを別々に込めて……などという面倒なものではなく、金属薬莢きんぞくやっきょうが普及してきた時代と同じようなレベルのようだ。工作精度もそこそこあってパーツの互換性もとれるくらいだろうか。職人が一丁づつ調整して仕上げる、なんて世界じゃない。ちゃんと工業化が進んだ世界だ。


 俺、気になります! この世界の工作機械とか。


 コンピュータもネットワークもないであろう世界で技術者のはしくれとして興味を持てるのはハードウェアだ。しかもガシャガシャ動くタイプのハードウェア。蒸気機関はあるのか、ガソリンエンジンは?

 いやまて、今しなきゃならんのはリボルバーを選ぶことだ。主力はライフルかカービンにまかせるとして、とっさのときに身を守る道具。50メートルで30センチの目標に当たれとはいわない。10メートルで人のサイズに当たる程度の精度があればいい。


 ウェスタンで銃器、射撃技術が人間相手に特化していった結果、少しでも早く、いっぱい撃てた方の勝ちという風潮になっていった。アル・カポネの時代に車とマシンガンで襲撃した戦法もその延長なのかもしれない。

 ともかく取り回しが良くて、そこそこ当たるリボルバー。これが選定基準か。できれば弾薬の装填も楽な方がありがたい。


 面倒なことに軽くて小さくなると、とたんに反動が大きくなる。同じ豆弾でも的にかすったリボルバーと、きっちり当たってくれたカービン。バレルの長さもあるだろうが、重さによる反動の相殺も大きい要素だろう。

 最初の一発を早く当てるために軽くするか、きっちり狙っていくために重くても撃ちやすいのにするか。


 悩んだ結果、手にとったのは.44口径でも特別短めのモデルであった。


「おう、それを選んだか」

 ベックさんがにやりと笑う。

「どれどれ、こいつは面白いのを選んだな」

 ヘンリーさんもちょっとにやけている。そんなに変なのを選んだのだろうか。

「なんか変ですか?」

「いや、そんなことはねえよ。街中での護身用ってんならなかなかの目利きだ」

 みょうなにやけ顔が二つ並ぶ。

「はぁ……」

「じゃ、店の裏にシューティングレンジがある。試し撃ちしてみるか」

 ベックさんがレバーアクションの長短二丁と弾薬を掴んで裏に向かう。

 変な.44口径を持った俺とヘンリーさんがその後についていく。


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