表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

因縁

ハミルトンの過去の一部が、解る

┝兵器開発宰相である真田・美結が秘密理に発令した、ルル・ルルーシェによる【ヴァルキュリア捕獲計画】失敗から、二日。

ルル・ルルーシェは、【パイオニア】から脱退したとされ、ジヴァナを倒すことができる人類【ヴァルキュリア】と指定された。

その後、真田美結は、計画失敗を受け、来とハミルトンの三人で、秘密会議を行った。


┝地下日本・東京・国会議事堂内[秘密地下壕]


「さて。今回の計画失敗を受けて、我々は【第2ヴァルキュリア捕獲計画】を発令する予定だ。今より【第2ヴァルキュリア捕獲計画】をコード【ミカエル】とする。」

日本国総統、入江・來の声が、秘密理に作られた地下壕内に響き渡る。

「【ミカエル】………ですか。【大天使ミカエル様】ですか。」

「何よ。來のつけた【コードネーム】に文句あんの?ハミルトン。」

同じ地下壕内にいた、諜報宰相エイル・ディアリー・ハミルトンの意見に、兵器開発宰相、真田・美結が噛みついた。

「いえいえ。良いネーミングセンスだと思いましてね。しかし、來。【第2ヴァルキュリア捕獲計画】といっても軍隊【パイオニア】……いえ【パイオニア】というと、何か嫌ですね。【ツェッペリン】と呼びましょうか。【ツェッペリン】軍は、この前の【第一次ヴァルキュリア捕獲計画】により軍隊の30%は、使用不能なんですよね。どうやって軍の再編成を?」

「ちょ!?なんで勝手にーーーー」

「美結。ハミルトンの言う通り、【ヴァルキュリア捕獲計画】に使う軍は【ツェッペリン】と呼称しよう。軍の再編成についてだが、ーーー」

「ちょっと待ってください。來」

突然、ハミルトンが、來の発言を止める。

「…………いらぬ、客人が来たようですね。さて………殺りますか、ね。」

そう言うと、ハミルトンは、来ていた服の内ポケットから、小型ショットガンを抜き、來の後ろの方を向けて、発砲した。

「っ!」

「ひっ!?」

いきなりのハミルトンの発砲に、二人は、悲鳴をあげた。

それと、同時に、來の後ろから、呻き声が上がる。

「………まさか、ここに侵入者が、いるとは……。私の部下を配置していればよかったですね。」「いったい何よ!!いきなり、発砲する―ーーーな!?」美結は、予想外の光景に、驚きの声を上げた。

そこには、軍服を着た少女が倒れていた。

「ちょ……まだ幼い子供じゃないか!?何故撃った!?」

「スパイですよ。來。幼い子供ですがね。あとゴム弾ですから。さて………あなたは、どこの国の人間かな?。」

ハミルトンは、倒れている少女に向け、ショットガンの銃口を向ける。

「ぐ………」


┝二時間後【來の自室】

秘密理に作られた地下壕の侵入者は、ハミルトン達【諜報部】により、中国のスパイだった。

「中国………だと……まさか、【鈴・乱衆】がスパイを……」

ハミルトンの報告を受け、來は、ショックを受けざるを得なかった。

【鈴・乱衆】

15才にして、地下中国の総統となり、政治の手腕も最高レベルの少女である。「中国総統の【鈴・乱衆】は、政治の手腕は最高レベルですが、性格がネジ曲がってますから、スパイなんかも、送るんでしょうね。どうしますか?鈴に問いただしますか?」

「いや、いい。どうせ、変な感じで、切り返されるよ。」

「なんで、諦め感じなのよ!?來!!そこは、ばぁぁぁぁん!!と行くところでしょうが!!」

來の、意見に、ばぁぁぁぁん!!と擬音が出そうな感じで、美結が反論した。

「美結さんは、來のことになると、積極的になりますね〜。」

「いいじゃないのよ!!來は、アタシの幼馴染みで、親友なんだから!しかも、アタシ、來のこと好きだし!!」

「知りませんよ…。しかし、鈴さんには、一回問いただしたほうがいいでしょう。これは中国政府の過ちですからね。−−−−−−−來、決断を。」

「そうよ。來。決断して。」

ハミルトンと、美結の真剣な視線に、來は、たじろいだ。

『中国政府に、問いただす、か………。鈴総統は、危険だ。かつて、アメリカを併合しようと、秘密理に、何万という兵を送り、アメリカの首都[アンダーワシントン]を一時的にだが、占領したと聞く……。』

そう。

鈴・乱衆は、かつてアメリカに、何万という兵力を送り、アメリカ併合を画策したことがある。後に【乱衆征服】と呼ばれる事件だが、一時的に地下アメリカの首都アンダーワシントンを占領したのだ。しかし、何故か、一週間も経たない内に、アンダーワシントンから、兵力を撤退させたのだ。

『鈴・乱衆………。奴の考えは、詠めないから、恐ろしい。しかし……』

「………良し。直ぐに、鈴に連絡を、頼む」

入江・來は、結局、鈴・乱衆の過ちを、問いただすことにした。


┝【地下中国・首都[北京]・総統府】

地下中国。地上にあった時は、広大な領土を持っていたが、地下に降りた時に、領土の40%を失った。

当時の総統[美・俊令]は、色々な政策を行うも失敗した。そんな中、突如[美・俊令]は死んだ。理由は、[美・俊令]の側近であった[鈴・乱衆]がクーデターを起こし、その時に、[美・俊令]を暗殺したのだ。

そして、鈴・乱衆が、中国総統の地位に、座り、人々からは【黒き動乱】と呼ばれ、恐れられている。そして、鈴・乱衆が造り上げた宮殿[龍王宮]の玉座の間で、中国最大の総統[鈴・乱衆]が、居座っていた。

┝「鈴・総統。日本政府より、通信が入っております。」

薄暗い玉座の間で、凛とした女性の声が、響き渡る。「………日本からか?」

その女性の声に、鋭さを持った少女の声が返る。

「はっ。スパイの件で、問いただしたい、とのことです。鈴総統閣下。」

「……しくじったようアルな。まったく、あと少しは、バレないと思ったが……。」

少女【鈴・乱衆】中国総統は、苛立ちを含めた声を上げた。

「閣下。どういたしますか?無視をする、という手もありますが……」

「いや。たかが、日本国だ。あんな小国に、対して無視はしないアル。李将軍。直ぐに、回線を開くアルよ。」

李将軍と呼ばれた女性【李・弐春】は、はっ!と言い、部屋にある通信回線を開いた。

そして、起動音と共に、巨大な、電磁スクリーンが、表れた。

『いきなり、すまないな。鈴・乱衆総統。』

表れた電磁スクリーンに、黒髪の女性【入江・來】日本国総統がいた。

「いいアルよ。來総統。要件は、私の側近に聞いたネ。【スパイ】の件アルな?」

『それなら、話が早い。何故スパイを我が日本国に潜入させたか、聞きたい。』「理由は、一つ。貴国が、地上に大量の軍隊を送ったと聞いたアル。その軍隊の目的を知りたくてネ。」

鈴は、悪魔のような笑みを浮かべて、言った。

その笑みに、來は、ビクリッと反応した。

『ただの……調査だ。』

「本当アルか?……私達が送り込んだスパイによると、貴国の【パイオニア】軍の30%が損失したと聞いたネ。そして………『ジヴァナを倒す唯一の存在』とやらを、探している、とね。」『な!?』

「クフフフッ。その様子だと、情報は正しかったようアルな。」

鈴の悪魔のような笑みに、來は、しまった、と声を上げた。

「して、貴国のみが持つ、その『ジヴァナを倒す唯一の存在』とは?何かの新兵器か?」

『それは………』

『來。いいわ。アタシから話す。』

鈴の質問に、言い淀む來の横から、赤髪の情報が表れた。

「貴様は、誰アルか?」

『兵器開発宰相[真田・美結]よ。來に変わって、説明するわね。鈴総統。』

「兵器開発宰相…?やはり、ジヴァナを倒せる兵器があるか。何アルか?その兵器は?」

『鈴総統。兵器なんかじゃないわ………『少女』よ。』

「は?『少女』だと?」

鈴は、美結の思わぬ解答に、驚きを隠せなかった。

【少女】

年端もいかぬただの少女が、[ジヴァナを倒す唯一の存在]だと言っているからだ。

「あははははは!【少女】アルか?あり得ないアル!ミサイル兵器などの強力な武装でも、倒せなかった、あのジヴァナを、年端もいかない少女が倒せる訳がないネ!!」

『いえ。【少女】がジヴァナを倒したのは、事実よ。証拠もあるわ。』

そう、真田は言うと、ある映像をスクリーンに映し出した。

その映像には−−−−−−【ジヴァナを倒す少女】が映し出されていた。

「………なんだ…?この映像は……」

『【ジヴァナを倒す唯一の存在】よ。今の所、三人いて、その内二人の名前は、解ってるわ。【ルシー・カゲトラ】と【ルル・ルルーシェ】。』

「あと一人は?解らないアルか?」

『解らないわ。あと一人の情報は、諜報宰相のハミルトンに調べさせている。』「ハミルトン?ほぉ、あの【蛇】が、そちらにいるとは、な。」

美結の言葉の中にでだ、【ハミルトン】の名に、反応を見せる。

そんな鈴の反応に、美結は、【蛇】?、と聞き返した。

すると−−−−

『そうです。お久しぶりですね〜。鈴さん』

美結の隣から、青髪の女性が表れた。

「そうアルな。ハミルトン。いや、【裏切りの蛇】と呼んだ方が良いアルか?」『【裏切りの蛇】ではなく、【頸狩りの蛇】ですよ。二年ぶり、ですかね。【殺戮姫・鈴】さん。』

ハミルトンは、鈴の嫌味に、そう返した。

『え…?ちょ…面識あるの?』

二人の話に、追い付けない美結が思わず聞いた。

『えぇ。私が、前中国総統【美・俊令】様の側近の頃から、です。』

「そうアルよ。私とハミルトンは、幼馴染みアル。まだ【美・俊令】が、総統の頃、共に、側近として働いていたネ。だけど、私が、美・俊令を暗殺した後、ハミルトンは行方を眩ませたアル。」

『昔の話です。しかし、まさか、スパイを潜り込ませるとは、貴女らしくない。』

「お前から見たら、そう見えるアルか。確かに、私らしくなかったネ。【ジヴァナを倒す唯一の存在】の情報を掴んだから、焦りすぎたアルな。」

『ジヴァナを倒せれば、我々は、地上へ戻れる。鈴総統の焦りは、わかります。』

鈴の自嘲気味な言葉に、來が、そう声をかけた。

「……私は、昔に、こんな話を聞いたことがあるネ。【世に混沌が満ち足りし時、その混沌を撃ち破る5人の者あらわる。】とね。」

『カガリビ様の【預言】ですか……。懐かしいですね……まだ私達が、小さい頃でしたよね。鈴。』

「そうアル。カガリビ様の預言が、本当になりつつある。來。ジヴァナを倒す少女達は、3人確認している、と言ったアルな?」

『あ…あぁ。そうだ。』

「ならば……あと二人の少女達が現れるはずアル。」鈴は、そう断言した。

『カガリビ様…?誰よ、それ?』

『私達が小さい頃に、仲が良かった、女性です。』

「何かを研究していたようアルが、結局解らず仕舞いでネ。今に思えば、ジヴァナを倒す方々を研究してたのかもしれないアルな……。」

『もし、そのカガリビ様…という人の預言が正しければ、あと二人、ジヴァナを倒す者が現れる、ということか?』

「そうアル。−−−−−−來総統。」

何かを決意したのか、鈴は、威厳を込めた声を出す。『なんだろうか?』

「その【ジヴァナを倒す少女達】の捕獲、我々、中国政府も協力させてはくれまいか。」

『え!?』

「カガリビ様の預言が真実味を帯びてきた以上、我々も協力したい。」

『……よろしいのですか?』

「勿論アル。ハミルトンと、協力して行けば、その【少女達】を捕獲できるはずアル。」

『……………鈴。私は、俊令様を殺したアナタを許すことは、できません。』

鈴の発言に、ハミルトンが、そう言った。

美・俊令の側近として、二人は、互いに支え合っていた。

しかし。

鈴は、俊令を殺し、ハミルトンは俊令の死と同時に行方を眩ました。

鈴のしたことを、ハミルトンは、許すことができないのだ。

「………解っているよ。許しを乞うつもりはないアル。だが!協力してほしいアルよ、ハミルトン!!」

『…………………』

しばし無言を貫いていたハミルトン。

だが。

『……………解りましたよ。協力しましょう。來。いいですよね?』

『勿論だ。』

「……ハミルトン。ありがとう……」


┝こうして【日中協力体制】が敷かれた。

これにより、日中両政府により、サイファ達は、追われる身になったのである。

後半が、ちょっと失敗しました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ