学級日誌。
帰る頃、
「あのっ!悠乃ちゃんが、この前、久しぶりに保健室に来て、これ、渡していったんだ。」
渡されたのは、『3-4学級日誌 学級委員長 望月悠乃』と書かれたノートだった。飯田言った。
「保健室登校者に、紀羽大雅って人が来たら、渡してって。ほんとに来るなんて、信じられなかった。遅れてごめんなさい。」
そう言った飯田に、うん、ありがとう。またな、と言って、帰路についた。
家についた俺はベットにゴロンと寝転がって、学級日誌読み始めた。
「四月七日 井原先生、このたび委員長になった、望月です。これから、いろいろお世話になると思います。進路のこと、勉強のこと、学校生活のこと。私も、クラスをまとめていけるように、頑張りたいと、思っています。1年間、よろしくお願いいします。」そんな、堅苦しい文から始まった。
最後の更新日は、七月七日
「七月七日 今日は、七夕でしたので、七夕祭りがありました。我が3-4は、3年生全体での七夕デザートの制作、七夕の劇をしました。みんな生き生きとしていて、とてもよかった。」
これで終わりか、そう思ってパラパラと、ノートをめくっていると、唐突に悠乃の字が現れた。]