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異世界ー4

孤島へ


現れたのは、太古の地球で栄華を誇った恐竜の一種に見えた。知っている種類で言うと、Tレックス・ティラノサウルスに似ている。しかも、もっと大きいと感じた。


頭の先から尾の先までは15メートル、後足の二本で立っていて、胴や尾は地面とほぼ水平になっている。頭の高さは、地面から5メートル有りそうだ。


大きな口には、数え切れないほどの牙が生えていて、小さな前足にも、鋭い(かぎ)(つめ)が見えた。しかも考えられるのは、大蛇と同じようにレーザーが効果ないかも知れないという事だ。


そんな事を考えている間に、その恐竜に似た動物はこの建物にたどり着いて、あろうことか建造物を壊し始めた。それまでは、あの石柱が有るのだから、此処は壊されないだろうと高を(くく)っていた。


あれはもはや、魔獣と言ってもいい。何千年続いたか分からないような、遺跡のような建造物が音を立てて崩れ始めている。とてつもない力だ。まともに、戦う事さえもできないだろう。


新太と美月は、急いでシャトルへ引き返した。中から外の様子を見ていた二人も、恐怖におののいている。それでもあれを倒さなければ、石柱を手に入れられない可能性が大きい。


シャトルは遺跡を離れ、上空へと避難した。すると、恐竜の攻撃が止んだ。

やはり、あの石柱を守っているのだ。上空へ避難して、新太は試しにシャトルのレーザーで恐竜を撃ってみようと思った。


標準を合わせてボタンを押す。レーザー光線は、真っすぐに恐竜へと突き進む。その体に当たった瞬間に、体の表面が黄金色に光った。


恐竜の回りの木や草は、一斉に燃えたり倒れたりしている。炎と砂埃が上がり、恐竜の姿が見えなくなった。炎や煙、砂埃が引いた後でも、恐竜の姿に変化はない。


傷一つ、着けられていない。この一撃で、戦艦1隻を沈める力が有るレーザーだ。大蛇もレーザーでは仕留められなかった。。それでもレーザーの力をまとった剣では、効果が有った。


これは、物理的な力でなくては倒せないのかも知れない、それではどうしたらいいのか?新太は、何も考えられなくなってしまっていた。


取り敢えずは、この遺跡のような建物から離れれば、あの恐竜は襲ってこない。何か対策を考えてから、再度挑戦してみようとそう思った。


4人は顔を突き合わせて、考えを巡らしていく。

「ミツキ、大蛇の腹の中ってどんな感じだったの?」


「うーん、私の体もシールドで守られているから、特に苦しいとかは感じなかったけれど。それは生き物の内部だから、外側よりも柔らかかったよね。それで内側からレーザーを照射してみたんだけれど、あまり効果は無かったな。」


思い出すように、説明してくれる。

「じゃあ、どうやって中から出てこられたの?」

リリアが聞いた。


「それはその時も言ったけれど、外から新太が大蛇の腹に傷を着けてくれていて、それが中からでも見えたから、其処へ私の剣を突き刺して広げていったの。


そうしたら、大蛇が苦しみだしたので、これは内側から切り裂けば効果が有ると思って、少しずつだったけれど穴をあけて行ったという訳。途中で、大蛇は動かなくなってしまったけれど。」


大蛇の内側からでも、レーザーの効果は無かったのだ。

剣の力で効果が有っても、あの恐竜には刃を立てるのは難しそうだ。


それこそ内側からなら、何とかなるかもしれないけれど。それでも大蛇のように、あの恐竜が人一人を飲み込むとは思えない。

仮に飲み込んだとしても、飲み込まれたいとは思わない。


ふと、思いついたことが有った。美月にそれを調べて貰い、その結果、それなら何とかなりそうだという結論になった。そして、その銃を4人分造ってもらう事にした。

準備には丸1日かかった。


今度は、4人でそれぞれに剣と銃を持って、あの遺跡のような建造物の外まで出かけて行った。建物の中には入らない。地上へ降りて、徒歩で近づいていく。


すぐにあの恐竜が此処へやってくるだろう。4人は打ち合わせの通りに、その位置へ着く。

案の定しばらく待つと、あの恐竜の近づいてくる音が聞こえて来た。


今日は、意外と落ち着いている。

恐竜は、新太たちにまだ気づいていない。新太は、建造物の正面に立って、大きく手を振った。恐竜は、それを見つけたのだろう。


一目散に、新太の所へ走ってきた。新太に向かって、大きな口を開け迫ってくる。新太は上方へと跳躍し、其処で浮遊して待機した。


丁度、恐竜の頭の位置だ。その浮遊している新太を咥えてしまおうと、恐竜は大きな口を開けて迫ってくる。


その時に、新太の後ろ側の木の上で待ち構えていた美月が、その恐竜の口の中へ特殊な弾丸を打ち込んだ。弾丸の大きさは、手榴弾の4倍ほどある。


その為に銃の大きさも、ライフルの4倍も有った。銃口の大きさは、直径が10センチにもなる。その特殊な銃弾は、恐竜の口の中へと飛び込んだ。


でも爆発はしない。続けて新太が浮遊しながらも、同じ銃弾を口の中へ撃ち込んだ。恐竜は驚いたようだったが、体にダメージは無い。


新太は地上へ降りると、後方へ走って逃げた。それをまた、恐竜が追いかけて来る。唸り声を上げて、新太に襲い掛かった。今度は物陰に隠れていたリリアが、体と同じくらいの銃を構えると、同じように口の中へ銃弾を撃ち込む。


すると今度は、少し反応が有った。恐竜の動きが鈍くなり、口から何かの液体が零れだしている。すると、口の回りが白くなった。


恐竜は何かに対して、嫌がっているように見える。口を開けたり閉じたりしながら、吐き出そうとしているようだ。


すると、恐竜の腹の辺りに水滴が出来始めていた。それを見て、ルネもリリアも隠れた場所から、執拗に銃弾を撃ち込んでいった。狙いは全て口の中だった。


何発もの銃弾は、恐竜が口を開けた時に、その中へ吸い込まれていく。

体の表面に現れた水滴は、背中の方まで現れ始めた。


すると、どういう訳か恐竜の動きが突然止まってしまった。

しばらくそのままの姿勢で、唸り声を上げていたが、立っていられずその場へ倒れてしまった。しばらくして、何かが弾けた音がした。


そして、口から大量の血や肉片が飛び出してきた。

「やったー。うまく行った。」

恐竜は倒れたまま動かなくなった。絶命したようだ。


リリアとルネは、恐竜を倒したにもかかわらず、怪訝な顔をしている。

「なんで、この銃は効果が有ったの?」

美月に、そう聞いている。


「この銃弾は、特殊にコーティングされた器の中に、液体窒素が入っていたの。液体窒素はマイナス196度という極低温の液体で、それを恐竜のお腹の中へ打ち込んで、そのコーティングが溶けてくると、一気に気化して体積が700倍になる性質が有るのよ。


しかも、気化する時に回りから熱を奪っていくの。その現象が恐竜の体内で起こったら、どうなると思う?想像してみて。」

そう言ってほほ笑んでいる。


「凄~い。ミツキさんはそれを1日で造ってしまったの?」

「いいえ、造ったのはアローよ。」

リリアもルネも、その意味は理解していないようだ。キョトンとしている。


恐竜が倒れた事によって、あの鍵の石柱が手に入る。そう確信して4人は、建造物の最上階まで上がっていく。


その石柱は、あの部屋で鎮座している。新太はその石柱を握ると、そっと上へ引き上げた。すると不思議な事に、あれだけびくともしなかった石柱が簡単に台座から離れたのだった。


その裏側には、あの紋様の一つが刻まれていた。

恐竜を倒したら、次はなんだ?新太の中には、ワクワク感が芽生えている。


早速地図を広げてみたが、今度は海の中に浮かぶ孤島であろうことは分かっていた。

その孤島の名は《シリオン》


西へ500キロ行くと海へ出る。《シリオン》へ行くには、そこからさらに300キロも海を渡る。今なら大きな船も有るし、新太たちにはシャトルが有る。


その島までは楽に行けるが、太古の人はどうやってそこまで行ったのだろうか?その島は、周囲が10キロ程度の小さな島だった。島の回りは、砂浜になっている。


その砂浜の幅は、100メートルほど。島の西の端に、それ程高くない山がある。火山のようだ。頂上付近には噴煙が見られた。

もともとこの島は、海底火山が爆発して出来たようだ。


上空から見ると、その山の(ふもと)に湖が有る。

湖に隣接して空き地が有ったので、其処へシャトルを着陸させた。


着陸の前に島全体をサーチしたが、人は住んでいなかった。無人島だ。それでも色々な動物は居る。此処にもあの恐竜に似た、危険な動物がいるのだろうか?


今度の石柱は、この島のどこにあるのか分からない。探しようもなかった。

それらしい建造物も、ランドマークになるような自然物はあの火山だけのようだ。


それに、この付近にそれらしい気配はない。

「これは、向こうからの襲撃を待つしかないかな?」

新太が言った。その場所へ近づけば、それを守る魔獣が現れるに違いない。


湖を起点に、島を往復すれば、何らかの反応が有るかもしれない。島の直径が3キロとしても往復で6キロ程度しかない筈だ。歩いても、2時間あれば足りるだろう。


出発は、明日の朝に決めた。


続きは明日。 第3の鍵

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