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七話 家って材料だけで建たない事に気付いたオッサンに策あり!!

「目の前が歪むこの感覚はキツいな」


信雄はそんな事を言いながら、転移した時と同じ小屋に戻って来た。


何気無く、扉を開けようとしていたら急に扉が開いた、そこにいたのは広子と一郎と二郎だった。


信雄達に暫しの沈黙が訪れたが、一郎と二郎がその沈黙を破った。


「「信雄おじさん?!どこにいたの?!」」


そんな二人に、しどろもどろになりながら何とか切り抜けようと、広子に視線を向けると広子は泣いていた。


「信雄さんが昨日の昼間にいない事に気づいて、それで、皆で探したけど見付からなくて、私心配して、心ぱ、うわぁぁん!!」


そんな事を広子は言いながら、その場にしゃがみこみながら泣いている。


「ご、ごめん、何も言わないで、消えたりして、術を使ってちょっと遠いところに行ってたんだよ、本当にごめんなさい、そうだ!!ほら、お土産のぼた餅だよ、食べて!」


「「信雄おじさんが姉ちゃん泣かした~!」」


「泣かして無いから、他の人にそんな事を言うなよ!」


などと、広子を泣き止ませる為に、悪戦苦闘し一郎と二郎に釘を刺していると、なんだなんだと、村人達が小屋の周りに集まり始め、信雄のがいた事への安堵とどこにいたのかの話題で暫く騒がしかった。

その後、広子が泣いている事を信雄は聞かれ答えに窮していると、一郎と二郎が「「信雄おじさんが泣かした!」」と言われ、村人のおばさん達に「若い娘泣かすんじゃないよ!」などと注意され、始終小さくなり平謝りしていた。


その後、騒がしたお詫びも兼ねて、母からもらったぼた餅を配り事なきを得た、その時思ったのは母の偉大さだ、本当に頭が上がらなかった。




あの後おばさ・・いや、お姉さまがたに女の扱い方についてご高説を賜っていたらいつの間にか夜になっていた。


信雄は改めて弥助達一家に謝罪した。

そうすると、晴子が話しかけてきた。


「いえいえ、信雄さんの強さなら何も問題ないと思っていましたよ、それよりも広子の信雄さんを心配している姿が可愛くて可愛くて!」

「ちょっと!お母さん!!なに言ってるの?!」


広子が晴子に顔を真っ赤にしながら話を遮ろうとした時、一郎と二郎が被せてきた。


「本当に!姉ちゃん信雄さん、信雄さんてぶつぶつ言ってたよ!」

「そうだよ、ご飯作っている時もぼーってしてるし変だったよ!」


「おっと!やっぱり本格的に所帯を持つ気はないか?娘も信雄の事を好きみたいだし、子供もこの感じだと早いだろ?わはは!」


一郎と二郎に同調して弥助がそう提案した。

すると、広子がスッと立ち上がり、肩を震わせ、拳振り上げ、茶化した弥助と一郎と二郎に殴りかかった。


ブン!!


三人はギリギリ避けた。


「あんた達~!今日こそは許さない!」

「危ない!広子、家で暴れるんじゃない!」

「「姉ちゃんごめんなさい!」」


そんなやり取りをしていると、広子がバランスを崩し信雄の方へ倒れてきたのを信雄は受け止めた。


スッ!


受け止める際、信雄と広子の唇が一瞬触れた。

信雄と広子はその事に気付いたのか、互いの顔を見つめ二人の世界に入っていると、隣から「おいおい!こんなところでおっぱじめるなよ!ヤるなら草むらに行ってヤれ!俺も母さんと草むらで、ふごぉ!!」弥助がそんな事を言っていると晴子のボディーブローが弥助の腹部へ刺さり、床に沈めた。


「母ちゃん強え~!!」

などと一郎と二郎は言いながら笑っている。


だが、信雄と広子は二人とも相手の顔を見るのが恥ずかしいのか目線を反らし、モジモジしていた。


そして次の日


信雄は藪を均した場所に来ていた。

目的は家を作る事を考えていたのだが、途中で行き詰まった、材料はあるが自分が欲しい家を作れる職人がこの村にはいなかった。

さて、どうするかと信雄が考えていると広子が近づいて話しかけてきた。


「信雄さん何か考え事ですか?」


信雄はそう聞いてきた広子に家についての悩みを話す、それに広子は自分が思った事を言ってきた。


「信雄さんの術で出せないのですか?」


広子のその言葉で信雄の頭に天啓が降りてきた。


「広子さんの異見を聞いていい考えが浮かんだありがとう!」


信雄は広子の両手を掴みながら笑顔でそんな事を言う、広子は突然の事に顔を赤らめながらその賛辞を受け取った。


それから、信雄は村の主要な人たちに少し村を離れる事を伝えた。


「必ず戻って来てくださいね!私待ってますから!」


そんな事を広子に言われ、頷いて返した。


「では、また!」 


信雄はそれだけの言葉を残し転移した。


(今気付いた!、私、貴方の事が好きなのだと思う、だから、必ず戻って来てくださいね信雄さん!)

そんな事を広子は思いながら、信雄を見送ったのだった。


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