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五話 オッサンは勝利の宴会を開く

ひとしきり鬨の声を皆で上げた後、ホッとしてアドレナリンが切れたの怪我が痛いと言い始める奴らがいたので今回の戦いで怪我した村人達に体力ポーションを飲ませ治療を完了した。


治療の際、始終村人達は傷がなくたった凄いとか、奇跡だとか大騒ぎしていたのは、別の話である。


しかし、このままはいサヨウナラと家に帰るのは何だかなと信雄は思い皆に提案した。


「皆、このまま帰るのはつまらんから宴会でもやろう!!!」

「酒と料理は任せろ皆が腹一杯になれるだけの量を用意するぞ!!!家族も連れて来い!」


信雄がそんな事を言うと周りから大喜びで参加するとの返事を聞き信雄は準備を開始した。


どうやら、自分が初めてこの村に来た際に、弥助達にカレーを振る舞った時に周りに旨そうな匂いが広がっていたことでいろいろ察したとの事だった。


そうして、信雄は一旦皆と別れると小屋に籠る。

信雄は業務スーパーを開き日本酒と子供用のジュース、そして、揚げ物の盛り合わせ、その他惣菜の盛り合わせ、巻き寿司、稲荷寿司を食いきれない量購入しストレージに収納した。


品名:酒、料理諸々

費用:540500コルン


残金:63305100コルン


そうして、昼になった。


村中が騒がしくなった。


信雄達は村の中心の広場に蓆を敷きその上に酒やジュース、各種ご馳走を置いていく、それを見た村人達が各自思い思いの場所に座り宴会の始まりを待っていた。

そうして、酒やご馳走が行き渡ったのを確認した信雄が音頭をとる。


「皆、今回の鬼退治お疲れ様でした、あのままじゃあと家に帰るのがモヤモヤしたので急遽、今日宴会する事を決めてしまいました。」

「その代わりに大量のご馳走と酒を用意したので皆で楽しみましょう、では鬼退治を祝して乾杯!」


「「「「「乾杯!!!」」」」」


信雄と弥助一家、浄泉、そして村人達が、村の広場に集まり酒やご馳走を食いながらその地域に昔から伝わる泥鰌掬いみたいなのを踊り、皆で生き残った事と勝利を喜んでいた。


そんな中一際騒がしい奴等がいた。


「俺たちが八人で10匹の鬼と一進一退の戦いをやってたんだ!そしたら陰陽師の信雄が一発の飛び蹴りで軽く三匹位の鬼をぶち転がして二匹の鬼を刀で一閃!!ズバー!!って一刀両断したんだよ!」


「「スゲー!!!信雄のおっちゃん!!、それで!!残りの鬼はどうしたの?!」」


10歳前後の少年達が信雄にキラキラした視線を向けた後、話の続きを酔っぱらい達に身を乗り出して聞いてきた。


「そりゃもう、驚いて動けない鬼達なんて俺達の敵ではなかったよ、囲んで槍でブスリってな寸法よ」


「「父ちゃん達もスゲー!!」」


どうやら、自分の息子に良いところを見せたいのだろうと、信雄は判断し話に同調した。


そんな話を子供達は目をキラキラさせながら聴いており、年頃の娘や未亡人の女性達の信雄を見る視線が熱かった。


一通り皆騒いだ後、信雄の隣に弥助が座って話かけてきた。


「バカ騒ぎしているが悪く思わないでくれ、まだ春先で税を渡した残りを細々遣り繰りし食うや食わずで皆過ごしていたんだ、それで鬼騒ぎだろ、正直皆もうダメだと思ったよ」

「それに、信雄には広子の事に関しても感謝しているんだ、ありがとう」


弥助は泣きながらそんな事を言い、かなり限界だったのだろう周りの村人達も泣いていた。


「自分が役に立ててよかった、これからこの村に住むんだ困った事があったら言ってくれ自分に出来る事が有るなら力になる。」


そんな事を信雄が言ったら急に弥助に肩を組まれ言われた。


「それでなんだが、ウチの娘の広子と所帯を持たないか?たしかに、今歳は16で少し行き遅れているが尻は安産型だし子供を作るなら良いと思うがどうだ?アイツもお前の事が好きだと思うぞ!」


「くたばれ、この糞オヤジ!!何言ってるんだ!!!」

ビュン!ガン!!

「ふべら!!」


信雄は弥助のそのあまりの提案に固まっていると、顔を真っ赤にした広子が弥助を木の棒でシバキ始め、弥助はたまらず広子から逃げ、父親と娘の追いかけっこが始まった。


ブオン!!ブオン!!

「まて糞オヤジ!!今日こそは許さない!!」

「広子待て!!それは洒落にならん!!」


そんな状況を晴子は「あらあらあの子も恥ずかしがりやね」などと微笑みながら見ており周りの妙齢の女性方も「男ってやーね!もう!!」などと弥助に冷たい視線を送りながら囃し立てていた。


それに触発されてか周りの他の村人の男親から娘を嫁にやるだのと言い始めたのでそこらで似たような騒ぎが繰り広げられていた。


だが、信雄は苦笑しながらもそんな騒ぎが嫌いではなかった。

ただまあ、現代の価値観に染まっている信雄はロリコンの謗りを恐れ、この時代の価値観に染まる事にこの時の信雄は及び腰になっていたのだった。


そうして、宴会は宴もたけなわにその余韻を残したまま終わった。


皆が帰り信雄がストレージでゴミを片付けていると広子が話しかけてきた。


「信雄さん手伝いますよ」


なんて事を言われ、各種容器を二人で集め信雄のストレージに収納した。


「ああ、終わった!」

「そうですね、帰りましょうか」


二人はそんな話をしながら弥助の家に歩を進める。


沈黙が二人の間にながれる。


始めに、その沈黙を破ったのは広子だった。


「お礼が言えてませんでした、今回私を助けてくれてありがとう!」


そんな事を言いながら、広子は頭を下げる。


「助ける事が出来て良かったよ!」


信雄はそんな事を笑いながら広子を見て言った。


広子の鼓動が速くなる。


広子は信雄にそれを悟らせまいと普通を意識して振る舞い、暫く一緒に歩いたと思ったら駆け出し、少し離れた位置で振り返り行った。「お父さんにはあんな事言ったけど、私は信雄さん嫌いじゃないよ!!じゃあそういう事だから!先に戻ってるね!」そんな事を信雄に言うと駆け足で広子は帰って行った。


信雄は広子からの告白みたいな言葉を脳内で処理する事がなかなか出来ず、モヤモヤした気持ちで家路を急ぐのだった。


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