四話 オッサンの人喰い鬼退治
弥助と信雄が藪を均し、弥助の家に向かっていると、道の向こうから複数人の農民と住職の浄泉が信雄達に気付いたのか大急ぎで信雄達に向かってきた。
「「弥助、信雄こんなとこにいたのか!!」」
「どうしたんだそんなに慌てて?」
「どうしたんですか?」
弥助と信雄が皆のあまりの慌て振りに聞いた。
すると住職の浄泉が事の始まりを話し始めた。
「お前達が何処かに出かけて少ししたら、隣の村の生き残りが知らせてくれたんだが、どうやら人喰い鬼が隣の村に出て隣の村を喰い尽くしこちらの村に向かってきたとの話だった。」
「都に助けを求めても間に合わない、だから、信雄の陰陽師の力を借りる為、に来た。」
「信雄やってくれるか?!」
信雄はあまりの事に思考が停止しかけたが、冷静に努めこう返したのだった。
「・・・自分が力になれるなら喜んで力を貸します。」
「そうか、ありがとう信雄助かる。」
お礼を言う浄泉と村人の目には涙が浮かんでいた。
その後、共に皆で村に引き返し準備を始めた。
信雄は、村人達にお願いし、小さな小屋を借りた。
信雄は業務スーパーで200キロの胡椒を買い魔導スーパーに売る。
すると、警告画面が出てきた。
買い取る胡椒の量が多いので在庫が無くなるまで胡椒の買い取りが不可能になります。
OK/NO
買い取り金額:360000000コルン
信雄は迷わずOKのボタンを押した。
残金:396045600コルン
信雄はポーションの一覧から体力ポーションとマナポーションを選択して各100本購入した。
品名:体力ポーション
効能:体力を25ポイント回復
値段:30000コルン
品名:マナポーション
効能:マナを50ポイント回復
値段:50000コルン
残金:388045600コルン
次に信雄は村人の装備が鎌や鍬しかも石で作られており、服装も布の服装しか着ていないのを思いだし、鉄の槍を30本同数の鉄の兜と鎧を魔導ショップから追加で購入した。
品名:鉄の槍
攻撃力:18
値段:15000コルン
品名:鉄の兜
防御力:10
値段:50000コルン
品名:鉄の鎧
防御力:20
値段:75000
残金:383845600コルン
「装備の次に自分の強化をやるか」
信雄は自分が陰陽師を名乗っていたことを参考に、魔導ショップで陰陽師の服装備一式と刀の購入を行った。
品名:陣封の陰陽服
防御力:120
魔法防御力:100
値段:120000000コルン
品名:封魔刀
攻撃力:75
魔法攻撃力:200
値段:200000000コルン
信雄は躊躇せずに購入ボタンを押した。
残金:63845600コルン
信雄は購入した陰陽服と刀をストレージ機能を使い装備した。
そして、改めて自分の服装を確認すると漆黒の衣で作られた陰陽服を着ていた。
そして、ステータスも確認する。
名前:楠木 信雄
レベル:9
称号:マダオ
ジョブ:陰陽師(笑)
体力:68
マナ:105+300
攻撃力:53+70
防御力:34+170
魔法攻撃力:63+200
魔法防御力:48+150
速さ:25
次のレベルまで:50
信雄はやれることはやったと思い5本ほどマナポーションを呷り小屋から出たのだった。
一方小屋の外では
「弥助本当に彼奴は大丈夫なのか?」
「小屋に籠って全然出て来ないじゃないか!!」
そんな事を他の村人は言っている。
「大丈夫だ!!彼奴の力を俺は見た!物凄い力を持った陰陽師だ!!」
ガラガラガラ!!
そんな言い合いをしていると小屋の中から見たこと無いような綺麗な陰陽服に着替えた信雄が出てきた。
「皆さん集まっていますね、自分の方から装備を配るので戦える人達は取りに来てください」
「信雄その姿は?!」
「「「本当に陰陽師だったの!」」」
弥助は高そうな陰陽服に驚き、広子、一郎、二郎は改めて陰陽師だった事に驚いた。
周りの村人達も好印象で信雄の指示に従った。
そうして、各武具を戦える人達に配り装備していたら夕暮れになってきた。
皆は用心のし過ぎだと茶化していたが、信雄はそう遠くないうちに鬼が来ると踏んでいた。
なぜなら
そんなに強い鬼が生き残りを逃がすとは考え難い、多分その生き残りが鬼かもしくは、この村を知る為に逃がしたのだろうと思ったからだった。
そう思ったのは、ネトゲで似たような事をされかなりの被害を受けたのを信雄は参考にした。
その話を浄泉と戦える人達にして、村の周りと生き残りを見張らせた。
そうして、月もない暗い夜が来た。
村の各所でかがり火が焚かれている。
鎧を来た男達が交代で村内を松明を持ち巡回している。
(時刻はどのくらいだろう?多分丑三つ時位だと思うけど)
信雄は弥助の家で弥助、晴子、広子と囲炉裏を囲み襲撃に備えていた。
一郎と二郎は寝床でもう寝ている。
そんな静かな時間が流れていると急に外から悲鳴が聞こえた。
カン!!カン!!カン!!カン!!
村の門に置いた金属の板を打ち鳴らす音が聴こえた。
「来たか!!」
信雄は傍らに置いていた刀を掴み、弥助も槍を持ち一緒に外へ駆け出した。
信雄と弥助は悲鳴の聞こえた方へ走る。
そこは、村の入口だった。
8人の男達が5匹の鬼と戦っていた。
しかし、やはり鬼達が優勢なのか、死人は出ていないが、渡した防具が所々凹み欠損していた。
「先に行くぞ!」
そう信雄は弥助に言うと一足先に鉄火場に飛び込んだ
「信雄ドロップキック!!!」
信雄はレベルアップした膂力で力任せに鬼に蹴りをぶちかました。
「へぶぅ!!」
ボキャ!!
「何だ!!新手か?」
蹴られた鬼は首がへし折れ倒れた、周りの鬼は何が起きたのかと困惑していた。
「悪い待たせた!」
信雄は戦っていた男達にそう言って、刀を抜き鬼に切りかかる。
「二匹目!」
「何っぐはぁ!!」
「三匹目!」
「ゆるさガボッ!!」
鬼達は一太刀で狩られて行く
「「「これでもくらえ!!」」」
そんな掛け声と共に斬られて倒れた鬼に周りの男達は槍を突き立てトドメをさしていった。
「待ってくれ!」
「許してくれ!」
そんな事を武器を捨てた鬼達が言って来たため、信雄は刀を止めた。
「命乞いか?」
「そうだ、俺達は言われた事をやっているだけだ、手下にでもなんでもなるから命だけは助けてくれ!」
「誰に言われた?」
「今お前らの村に居るだろ?隣村の生き残りだよ、頭が化けているんだ!」
「お前ら以外に別動隊はいるのか?」
「そんな者はいない」
「そうか・・・」
信雄は瞬時にその二匹の鬼の首を飛ばすと、その場の男達に急いで村に引き返す様に伝え自分は一足先に隣村の生き残りのいる家へ急いで駆け出したのだった。
一方その生き残りがいる小屋
村の門に鬼が出たら事を広める為に、広子は各家を回り隣の村の生き残りにも教える為に生き残りがいる小屋に来た。
見張りを置くって言ってたのに、見張りが門の鐘の音に反応し向かったのか誰もいなかった。
そんな事を知らない広子は小屋の扉をノックした。
コンコン
「弥助の娘の広子です!鬼が来たそうなので伝えに来ました。」
「ありがとう、外は危ないから一旦中に入りなさい」
中から人の良さそうな、おばさんが扉から顔を出し言ってきた。
「いえいえ、他の家も回らないといけないから私はこれで」
そう言ってその小屋を離れようとしたらおばさんが急に手首を掴み広子を小屋に引き摺りこんだのだった。
「いやっ!助けて!!誰か!!」
「旨そうな娘だ内臓から喰ってやる!」
そんな事をおばさんが言いながら地面に押し倒されおばさんの口が広子の腹に近付いてくる。
広子は抵抗出来ず、諦めそうになった。
その時、小屋の扉が轟音と共にぶち破られた。
「お前の相手はこっちだ鬼ババア!!」
そんな事を言いながら信雄が鬼ババアの髪を掴み外へぶん投げた。
そして、広子を見て信雄は言った。
「もう大丈夫、すぐにぶっ飛ばして一緒に飯でも食おう」
広子はそんな信雄の言葉を聞き涙を浮かべ頷いたのだった。
そして、信雄が鬼と対峙するそんな頼もしい背中を見て頬が熱くなるのを広子は感じているのだが本人はそれがなんなのか、この時の広子には分からないのだった。
「何すんだこのクソガキャ!!」
鬼ババアがぶん投げられた先の田んぼでキレていた。
信雄は鬼ババアを一瞥すると、刀を抜き風の刃を刀に纏わせた。
「行くぞ鬼ババア!!これでもくらえ!!!」
そんな事を言いながら信雄は鬼ババアに肉薄する。
だが、鬼ババアも伊達に長く生きてないのか信雄に反撃してきた。
ザン!カキン!!ブン!ドス!!!
「ぐはぁ!」
信雄の腹に鬼ババアの拳の一撃が入る。
「グフフ!!」
鬼ババアは手応えを感じ、勝ちを確信した。
だが、それは信雄が初期装備で受けていたらそうだったろうが今はガチガチに武装している信雄である。
「残念だったな!!」
ガシッ!
「放せ!!」
「これで最後だ!!」
ザン!!!
信雄は特に効いた様子も見せず、そんな言葉を油断した鬼ババアに吐き鬼ババアの髪を掴みその首に刀を振り抜いた。
首を斬られた鬼ババアは驚きの表情のまま死んだのだった。
少しして村の各所に散っていた鎧姿の男達が、その場に駆けつけた。
「信雄が鬼の大将を討ち取ったぞ!!」
弥助がそんな事を叫び、鎧姿の男達の歓声が挙がる。
えいえいおー!!えいえいおー!!えいえいおー!!
男達のそんな鬨の声と共に空が白み、長い長い鬼騒動の夜がこうして終わったのだった。




