一話 オッサン迷子になるのは人生だけだと思ってたよ!!
ヒュー!
「風が流れている、外に続いているのか?」
信雄は横穴を覗き込んだ。
(奥が全く見えないが、行くしかない)
信雄は覚悟を決め横穴の中に足を進めた。
コツ、コツ、コツ、コツ
暗い洞窟に自分の靴音が不気味に響いている。
そうして歩いていると頭上から何か落ちてきた。
「何だこれは?」
信雄が誘導棒をかざし見るとそれは、ゼリー状の丸い物体だった。
ぽよん、ぽよん
その物体はそう跳ねたかと思うと信雄に突進してきた。
「うおっ!何だ!!」
信雄はそんな事を叫んだかと思うと野球のスイングの構えを取る。
ブォン!、ベシュッ!!
信雄は突進してきた物体を打ち返した。
そうすると、打ち返したゼリー状丸い物体が光の粒子となって消えた。
(パンパカパン!)
(スライムを倒しました。)
(経験値12を取得しました。)
(レベルが上がりました。)
名前:楠木 信雄
レベル:1→2
称号:マダオ
ジョブ:交通誘導員(仮)
体力:25→30
マナ:30→40
攻撃力:23→27+7
防御力:9→12
魔法攻撃力:15→20
魔法防御力:10→13
速さ:9→13
次のレベルまで:13
「えっ?レベルが上がった?!ってことはあれが魔物かよ!!」
信雄は驚きはしたが、すぐに頭を切り替え洞窟を進んだ。
其れから、同じ魔物に何回か襲われながら30分くらい歩くと前方に灯りが見えた。
「何だあの灯りは?」
信雄が灯りの方に行くとそこは、綺麗に加工された石材で造られた遺跡の通路みたいな場所に出た。
灯りは松明が遺跡の壁に複数掛けてあったものの様だった。
「あんな洞窟からこんな所に繋がってるなんて」
信雄はそんな事を言いながら洞窟の方を見る。
「嘘だろ!自分が来た道が・・」
其処には洞窟の痕跡すらなかった。
(落ち着け、冷静になるんだ、今は自分の状態の確認を行おう、何が来てもいい様に・・)
信雄はステータス画面を開いた。
名前:楠木 信雄
レベル:2→6
称号:マダオ
ジョブ:交通誘導員(仮)
体力:30→51
マナ:40→83
攻撃力:27→44
防御力:12→23
魔法攻撃力:20→43
魔法防御力:13→36
速さ:13→18
次のレベルまで:95
「かなり成長してるな、確かにこの能力値の変化で身体の調子が良いんだよな」
そう、信雄はごちた。
ぐ~!
「腹がへった」
思えば、休憩時間に飯を食う前にここに来たから腹の虫がヤバイ事になっている。
「何か食うか」
そんな事をごちながら、信雄は魔導ショップを開いた。
(パンパカパン!!)
毎度の様なファンファーレが頭に鳴り響く
(レベルが5を越えたので、1店舗拡張できます。)
そんな通知が聞こえると信雄の目の前に候補の一覧が現れた。
「腹が減ってるからこれだな」
信雄は候補一覧から一つを指定した。
(業務スーパーモリタが選択されました。)
信雄は業務スーパーの品揃え一覧を開く
「これと、これと、これだな」
(品物はストレージに転送しました。)
前聞いた通知の音声が聞こえた。
「さぁ、食うか!」
そんな事を言いながら周囲を確認し、地面に座り信雄はストレージから品物を出した。
揚げ物詰め合わせ、お握り、お茶が信雄の目の前に置かれた。
「いただきます」
がぶりと唐揚げを喰うと口の中に安っぽい油の味が広がる。
「これだよ、これで良いんだよな」
がぶ、モグモグ、ぐびぐび
信雄はそんな事を言いながらお握りとお茶で結構量があった食事を胃に流し込んだのだった。
「しっかし、このままだと、すぐにコルンが無くなりそうだな・・・」
信雄がそんな事を考えていると食後で脳に糖回ったのか信雄の頭に天啓が降りてきた。
(そうだ、業務スーパーで買った物を魔導ショップに売ってみたらどうだろう?)
信雄は業務スーパーを開き砂糖と胡椒を1キロずつ購入した。
購入金額:560コルン
(これを魔導ショップに売る)
信雄は業務スーパーの画面を閉じ魔導ショップを開いた。
(物の指定で砂糖と胡椒を売却っと)
買い取り金額:2500000コルン
「来たこれ!勝ち確定じゃん!!」
信雄は驚きのあまり鼻水垂らしながら金額を見て叫んだ。
残金:2517000コルン
信雄は小金持ちになったのと同時に頭を切り替えた。
(戦力を整えるか)
信雄は魔導ショップの武器の一覧から武器を指定し購入した。
品名:魔鋼鉄の剣
攻撃力:50
魔法攻撃力:85
金額:1250000コルン
「高い!!けど買いだ!!」
(品物はストレージに転送しました。)
アナウンスが鳴る
信雄はあまりの金額に怯みながらも次に魔導ショップの防具の一覧を開いた。
「防具はあまり動きを阻害しない物がいいな」
そんな事を一人ごちながら、信雄の目は一つの腕輪に目が行った。
品名:防護の腕輪
防御力:50
魔法防御力:50
金額:1000000コルン
「マジで高けー!けど買うしかない!!」
そんな事を言いながら信雄は購入した。
残金:267000コルン
いつもの通知のアナウンスを聞いてストレージから武器と防具を取り出し装備した。
名前:楠木 信雄
レベル:6
称号:マダオ
ジョブ:交通誘導員(仮)
体力:51
マナ:83
攻撃力:44+50
防御力:23+50
魔法攻撃力:43+85
魔法防御力:36+50
速さ:18
次のレベルまで:95
「ん?」
ステータスを見ていた信雄は気になる事に気が付いた。
(魔法攻撃力とあるが、魔法が使えるのだろうか?)
ふとそんな事を考え、魔導ショップの書物の一覧を見た。
そこには複数の属性の魔導書が並んでいた。
品名:魔導書 地、水、火、風
値段:各30000コルン
信雄は地、水、火、風の魔導書を購入した。
残金:147000コルン
「おっと、まずいまずい夢中で買い物してたら金が少なくなってきた」
(胡椒100キロ購入っと)
残金:117000コルン
業務スーパーを使った錬金術で次は胡椒100キロを魔導ショップに持ち込んだ
買い取り金額:180000000コルン
「相変わらずスゲー化けるな、まさか1億8000万も稼げるなんて」
信雄はウキウキでストレージから火の魔導書を取り出し中を見た。
「何だろう、頭に何か刻まれる」
(火の魔法を獲得しました)
その通知を聞くとステータスを確認する。
スキル
交通誘導Lv1 計算Lv4 社交Lv2 料理Lv4
new 火の魔法初級
「火の魔法が増えている、他の魔導書も読むか」
(地、水、風の魔法を獲得しました。)
交通誘導Lv1 計算Lv4 社交Lv2 料理Lv4
new 地の魔法初級 new 水の魔法初級 火の魔法初級 new 風の魔法初級
「一通り手に入れたな、いざというときの為に、一回使ってみるか」
信雄は目の前の壁に手をかざす。
(火の玉よ出ろ!!)
信雄が心で念じると野球ボールくらいの火の玉がかざした手から発射され石壁にぶつかり少し壁面が焦げているようだった。
少しの疲れを感じたのでステータスを開いて数値を確認した。
マナ:83/73
マナの量が10減っていた。
「まあ、飛び道具が手に入っただけでも御の字か」
信雄はそうごちると、風の流れる方の通路に足を進めるのだった。




