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十四話 オッサンは光り物を拾う

田植えが終わり、あれからしばらくして、気温がかなり上がってきたなと思う今日この頃、信雄は畑と果樹の世話を終え、自分の田んぼに来ていた。


そこには、苗が大きくなり、青い稲が田んぼに一定間隔で並んでおり、その外周を木の板で全周囲み、角の方には傾斜した板を着けた側に扉の着いた小さな小屋が有った。


ほらー朝だぞー出てこーい!

そんな事を言いながら、信雄は小屋の扉を開いた。


すると、凄い勢いで数十羽の合鴨の雛が田んぼに広がって行った。

その様子を暫く見た後、信雄は合鴨達の鳴き声を背中に受けながら、家に入り、昨夜作った煮出しの麦茶が入った10Lのやかん五個にガラガラと氷を入れ暫く放置後ストレージに入れた。


その後、信雄は最近購入したオフロードバイクに跨がり、村へ繰り出した。


一方の村では、新しくなり、外周を囲った田んぼに男達が信雄から貰った合鴨を放し、水量の調整や新しい、合鴨の小屋を額に大粒の汗を浮かべながら作っていた。

その中の弥助は、暮らしが良くなりつつある村を見回し、隣で同じく働いている喜一郎に話しかけた。


「しっかし、信雄が来てからこの村は忙しないな!うはは!」

「本当だ!休む暇もねー!がはは!」


そんな事を言う二人に、晴子は言った。


「去年の今頃は税の事を考えるだけで精一杯だったのに、他の事を考えられるのは信雄のおかげね~!」

「「違いねー!!」」


弥助と喜一郎のその返しに、その場の全員が笑っていると、遠くから聞き覚えのある音が近づいてきた。


「「信雄が来たぞ!」」


その声を聞いた広子は音が聞こえる、方向を皆と一緒に見て笑っていたのでした。




視点は信雄に戻る。


信雄は、村の田んぼから少し離れた、弥助の家の前にバイクを置き皆が作業を行っている場所に向かった。


田んぼ周辺は、田んぼの水が気化しているのか、かなり、ムワッとくるような熱気が立ち込めている。

そんな中、村人達は笠を被り汗まみれになりながら、作業を行っていた。


「お疲れ~!」


「差し入れ持ってきたぞ~!」


信雄はそんな事を言い、村人達が待ってましたとばかりに集まってきた、皆にキンキンに冷えた麦茶とスイカを差し入れた。


「くっー冷たい!!」

「冷たすぎて頭がキーンってする!!」

「これ、甘くて美味しい」

「これなら、いくらでも食べられる!」


信雄の持ち込んだ、差し入れは、季節的にもかなり喜ばれた。


信雄は、やかんを畦に置き、川の上流で釣りをしてくると言い向かおうとすると、晴子に呼び止められた。


何かと思い信雄が聞くと、もう今日は特に大きな仕事も無いから広子も連れていって遊んでこいと言われたので、信雄はヘルメットを広子に被らせ後ろに跨がらせ、向かおうとしたら、晴子から昼に食べなさいと、白米の塩おにぎり貰い、信雄はストレージに収納しお礼を言いバイクで走り出した。


バイクは少し走ると、村でいつも水浴びや洗濯で使っている川に出て、川の上陸を目指して登って行った。


信雄と広子は二人で、道無き道を走り上流の川縁で停車し信雄はストレージから釣り竿を出して、エサを付け二人は仕掛けを川に投げ込むと、この時代の上流の川魚は警戒心が薄いのか、入れ食いだった。


少しして、昼になり、信雄はストレージからおにぎりとお茶を出した。

二人は、晴子から渡されたおにぎりを食べ引き続き釣りを続けていたが、信雄は前に乗り出しすぎたのか、足を滑らせ、川で水の中に転んでしまった。

その際、立ち上がろうと上体を起こし足に力を入れると、靴に石が入っている感覚がした為、取り除こうと水に濡れた靴を脱ぎ、靴の中を見た、すると、中の石には光沢があった。


光沢がある石を、夏の日差しの下に出し観察したら、黄金色をしていた。


「うおぉぉ!マジか!!」


信雄がそんな事を言っていると、広子が転んだ事の心配と信雄が興奮した様子が気になったのか聞いてきた。


「大丈夫ですか?!信雄さん?!どうされたんですか?」


「これさ、これを見つけたんだ!」


広子の言葉に、信雄は拾った物を見せた。





それは、直径1センチ楕円形の砂金の塊だった。

 

「綺麗ですけど、何ですかそれは?」


広子がそんな事を言いながら、信雄の見せた砂金を不思議な目で見ていた。


「これは砂金の粒だよ、これを沢山集めれば、自分の建てた家に近い物を建てる事が出来るし、皆で食べた料理も何回でも食べられる様になるよ!持ち込むとこに持ち込めば、これだけでも、米俵だと二俵か三俵くらいの価値だと思う!」


「そんなに価値があるものなんですか!」


信雄の言葉に、絶句する広子に信雄は言ってきた。


「これで、更に出来る事が増えた!」

「今でもかなり凄いのに、これ以上ですか?!」

「だけど、貴族には秘密だよ、奴ら欲深いから村人にタダで探させかねないし!」


信雄は小さな御守り袋を出し砂金を入れ長い紐に交換し、広子の首に掛けた。


「あげるよ!」 

「えぇ!良いんですか?!あ、ありがとうございます!」


広子は凄い物を貰った事と、秘密話を聞いた為か、かなりぐったりしていた。

その後、釣具と釣った魚とバイクをストレージに片付け、広子と村へ転移した。


転移後、疲れている広子を家に送ったが、弥助と晴子は何かを勘違いしているのか、ニヤニヤしているし、一郎と二郎は自分達も釣りに行きたかったと駄々を捏ねているしで、かなりカオスな状態だった。


その後、信雄と広子の釣ってきた、魚の内臓を除去し、塩を振った川魚を囲炉裏で調理し皆で食べ、信雄は家に帰って行った。


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