第6話「美術室と技術室の即時同盟」
第6話「美術室と技術室の即時同盟」
実習教室棟・3階奥。美術室へ向かった。
美術室のドアを開けた瞬間、甘い匂いが漂ってきた。
「いらっしゃい~! ちょうどお菓子パーティやってたところよ♪」
飯鷹美穂子がエプロン姿で迎えてくれた。
隣では妹の飯鷹若菜が、コーヒーを淹れながら小さく手を振る。
「姉ちゃん、また勝手に人を呼んで……」
「いいじゃない、せっかくの来客だもの!」
朝飛たちは一瞬で癒された。
梨子でさえ「……まあ、悪くないわね」と頬が緩む。
テーブルには手作りクッキーとコーヒー。
美術室派閥のメンバー全員が笑顔で出迎えてくれた。
奥には金髪ロングで大富豪令嬢の相河綾子や
油絵の天才の店谷杏奈、版画が得意な尾石愛梨彩が揃っていた。
全員が「来てくれて嬉しい~」モード全開。
朝飛が恐縮しながら切り出した。
「実は……同盟をお願いしに来ました。家庭科室派閥を倒したいんです」
すると全員が顔を見合わせ――同時に立ち上がった。
「待ってた!」「もちろんOK!」「もう決めてたから!」
即答だった。美穂子が説明する。
「実はね、私たち、昔は家庭科室とすごく仲良かったの。でもある日から急に『料理を食わせてやるから従え』って一方的な関係にされて……」
若菜がコーヒーカップを握りしめた。
「私、コーヒー好きだけど……あそこのはもう中毒になってる子が多くて怖い」
綾子が毒舌を交えながら頷く。「下品な支配ね。芸術家として許せないわ」
――つまり、即座に仲間入り確定だった。
そのまま隣の技術室へ移動。技術室派閥はドアを開けた瞬間、爆発音。
「きゃー! また失敗してしまいましたわー!」
実山真梨が白衣を焦がしながら飛び出してきた。
「良きですわ! 新作爆弾、ほぼ完成ですわ!」
世木山宮子は木彫りの精巧な鳥を削りながら、「うちの神社で使うから、動く鳩を作ってるんだけど……」
愛賀奏音はフリフリ改造制服でポーズ。「新曲の振り付け考え中~! みんな見ててね♪」
唯一の男子・鬼城測は隅で力作業中、完全に尻に敷かれていた。
朝飛がまた恐縮しながら口を開く。
「実は家庭科室を――」
真梨が目をキラキラさせて割り込んだ。
「倒すんでしょ!? 参加させてくださいですわ!
あいつら、うちの発明品を『便利だからよこせ』って奪うんです!」
宮子も頷く。「木材も勝手に持ってかれた……許せん」
奏音は「私もステージ奪われた!」
測は小声で「……あれはどっちみち部活に不必要なんじゃ……」
――こちらも即座に仲間入り。
美術室+技術室、合計9人が一気に加入。空き教室派閥は急激に勢力を拡大した。
夕方、美術室で合同作戦会議。美穂子が持ってきたお菓子を配りながら言う。
「家庭科室の情報、実はもう少し知ってるの。 情報室派閥の子たちが偵察してるみたい」
朝飛が驚く。
「情報室も味方に――」
そのとき、ドアがノックされた。篠尾凛乃がオレンジツインテールを揺らして立っていた。
「遅れてごめ~ん。でもさ、家庭科室のヤバい実態……ちょっと聞かせてあげる♪」
全員が息を呑む。凛乃がニヤリと笑った。
「――あそこ、料理に中毒性の薬入れてるって知ってる?」
第6話 終
(次回、第7話「情報室の尋問と説得」中毒薬の真相が明らかに! 情報室は敵か味方か!?)




