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派閥学園  作者: N旅人
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第3話「更衣室監獄脱出作戦」

第3話「更衣室監獄脱出作戦」

深夜0時47分。

プール棟・女子更衣室監獄、通称「島流し」。

鉄格子が軋む音を立て 立神敦起が風を操って鍵をねじ曲げた。

「ほな、いくで! 静かにしときや!」

監視役の夙浦凛花が先導し、物音を立てないように通路を偵察。

磯辺梨子と河越朝飛は後ろに続く。奥の管理室では、悟座(水分吸収能力者)と雨方(透明化能力者)が椅子にふんぞり返って寝ていた。

しかし物音に気づいた悟座がすぐさま攻撃を仕掛けようと動く。

悟座は汚れた水は吸いたくないというプライドの高さから、プールの水は一切触らない。

それが唯一の隙だった。「今や!」

立神が風を巻き起こし、悟座の体にプールの塩素水をぶちまける。

「うわっ!? 汚い! 汚い汚い汚い!!」

悟座がパニックで能力を暴走させるが、水分を吸おうにも汚れているため拒否反応。

その隙に梨子が水を発生させ、悟座の顔面に高圧水流を叩き込む!

「男なんてみんな汚らしいのよ!」

悟座と雨方は二人揃って、気絶。脱出ルートは二つ。

①水路を使ってプールから外へ。

②正面突破で校舎へ戻る。

「水路は俺が風で押し流すから大丈夫や!」

立神が言うが、雨方が首を振った。

「ダメだよ。あっちに阿乗灯大あのりとうだいがいる。奴、冷静すぎて隙がない」

糸目の冷静男・阿乗灯大は、プールサイドで一人佇んでいた。

「……まあまあ落ち着いて、か」

いつもの口癖とともに、静かにこちらを見据えている。

朝飛は決断した。「俺が囮になる。みんなは水路で逃げて」

梨子が睨んだ。「バカ!? 死ぬ気!?」

「死なないよ。でも……誰かが残らないと、全員捕まる」

立神が肩を叩いた。

「お前、ええ男やな。ほな任せたで」四人が水路へ飛び込む。

朝飛は一人、プールサイドへ歩み出た。阿乗灯大がゆっくりと近づいてくる。

「君……面白いね。まあまあ落ち着いて、自首したらどうかな?」

朝飛は笑った。「俺、ハーレムとか言ってたけど……本当は、こんな鎖国みたいな学校、ぶっ壊したかっただけなんだ」

その瞬間――

水路から巨大な水柱が上がった!梨子が戻ってきたのだ。

「逃げられるわけないでしょ、このバカ!!」二人並んで阿乗灯大と対峙。

朝飛は叫んだ。「梨子、水を!」

「言われなくても!」梨子が水を発生させ、朝飛はその水を足場にして跳躍!

阿乗灯大の冷静さを一瞬崩し、背後から首を締め上げる。

「まあまあ……落ち着いて……って、もう遅いよ」阿乗灯大、気絶。脱出成功。

プール棟を後にした六人は、夜の校庭で息を整えた。

「私たち……もう、あなたたちの味方だから」凛花が微笑んだ。

「俺、初めて……誰かのために能力使った」

立神がサングラスを外し、初めて素顔を見せた。

「ほな、これからが本番やな」

「派閥争い……俺が終わらせてやる」朝飛は空を見上げて呟いた。

梨子が小さく笑った。「……ま、悪くない宣言ね」

その背後で、校舎の窓から一人の男が静かに見ていた。

何を隠そう阿乗灯大は気絶したふりをしていたのであった。

ポケットの中でスマホが震える。

『計画通り。引き続き監視を』

――送信者:職員室。

第3話 終

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