第17話「生徒指導室救出編・開幕」
第17話「生徒指導室救出編・開幕」
夜、職員棟・地下1階。
生徒指導室の前は、鉄扉と監視カメラ、そして「生徒指導室」の連中が完全に封鎖していた。黒幕その1──志智
白髪の老教師。一見穏やかだが、目が完全に死んでいる。
その背後には、井坂という志智を慕う教師とカゼハチと名乗る武装した生徒指導護衛隊護衛隊が十数名。志智がスピーカー越しに告げる。
『河越朝飛くん、降伏を勧めるよ。在滝涼葉くんたちは、もう“薬の実験台”にされている。
あと30分で、意識は戻らなくなる』
空き教室派閥・突入部隊(約30名)は、地下通路の分岐点に集結していた。
朝飛、梨子、立神、暁目里穂、伊勢姉妹、夕美子&鳴衣、飯鷹姉妹、実山真梨、愛賀奏音、篠尾凛乃、常南雪凪……
最強メンバーが揃っている。だが、明らかに人数が足りない。
裏切り者は逃亡し、理科室トリオは人質。
しかも相手は学校組織の正規戦力。
梨子が小声で。「……正面突破は無理。罠だらけよ」
阿乗灯大が地図を広げる。「俺が昔、潜入したときのルートがある。換気ダクトと、旧ボイラー室を通れば裏口から入れる。ただし、一度に通れるのは5人まで」
朝飛が即座に決断。「俺、梨子、立神、夕美子、里穂の5人で潜入。残りは正面で陽動」
立神がニヤリ。「ほな派手にやるで」
作戦開始。
【正面陽動チーム】の実山真梨の巨大爆弾で鉄扉を爆破。
愛賀奏音の正感情増幅で全員のテンションを最高潮に。
篠尾凛乃の感知能力で敵の位置を完全把握。轟音とともに正面突破開始。
志智が舌打ち。「囮か……! 護衛隊、全員正面へ!」
その隙に、【潜入チーム5人】は換気ダクトを這って侵入。
暗闇の中、が小声で。「……ここを曲がれば、監禁室だ」
だが、通路の奥から、予想外の人物が現れた。
美術室の裏切り者・滝原美耶、情報室の裏切り者・陽田鞠鹿、技術室の裏切り者・巌屋花奈
滝原美耶は武器を構える。
「やっと会えたな、河越朝飛」
陽田鞠鹿が黒煙を撒き散らす。「君たちは、ここで眠ってもらうよ」
そして即座に戦闘に展開した。狭い通路での死闘。梨子の水は通路を塞ぐのに最適。
立神の風で煙を全て払う。夕美子の電撃蹴りで巌屋花奈を瞬殺。
里穂が冷静に陽田鞠鹿の急所を突く。
陽田鞠鹿は、最後に吐き捨てるかのような口調で「……あいつが……もう生徒指導室に……」といい残し倒れる。
朝飛は歯を食いしばりながら、「まだ終わらない」と覚悟を決める。
監禁室の扉を蹴破ると、そこには、拘束され、薬を打たれ続ける理科室トリオがいた。
在滝涼葉は意識朦朧で宮河佳奈は泣きながら「ごめん……もう限界……」と言葉が震えている。玉木咲久は眠そうに「記録……全部消されちゃう……」とSOSを送った。
志智の声が響く。『遅かったね。もう3人とも、記憶は消去済みだよ。君たちの大事な仲間は、もう君たちを覚えていない』
朝飛が叫ぶ。「嘘だ!!」
涼葉が、かすれた声で呟いた。「……誰……?でも……なんか……懐かしい……」
その瞬間、朝飛の目から涙がこぼれた。
「絶対に……取り戻す」梨子が水を最大出力で発生させ、拘束具を一気に破壊。
夕美子が3人を抱えて脱出ルートへ。だが、通路の奥から、さらに新たな影。
生徒指導室直属の最強護衛──井坂率いるカゼハチ護衛隊。井坂がニヤニヤしながら言う。「こういうときにね、逃げるのは常識外れなんだよ」
立神が笑った。「ほな、言うたるわ。お前ら、まとめてブチ壊したる!!」
最終決戦、いまだ始まらず。
第17話 終
(次回、第18話「記憶を奪還せよ」 理科室トリオの記憶は本当に消えたのか?そして、狂気の裏切り者・神堂仲矢がついに動き出す!)




