第13話「味方だったはずの――」
第13話「味方だったはずの――」
職員室棟・屋上
夜明け前勝利の余韻に浸る間もなく、空き教室派閥の全員が屋上に集結していた。
朝飛が叫ぶ。「これで運動系も文化系も終わった! 次は職員室だ!!」
歓声が上がる。その瞬間、
阿乗灯大が、静かに一歩前に出た。
「……悪いね。ここで、俺は降りる」
全員が凍りつく。
梨子「何……?」
立神「お前……まさか……」
阿乗灯大は、いつもの糸目をさらに細めて、静かに告げた。
「僕は最初から、職員室の最終監視役だった。君たちがここまで強くなるのを、全部見てた。 そして今、報告するべき報告がある」
彼はポケットから小型端末を取り出し、ボタンを押す。屋上のスピーカーから、志智老人の声。『ご苦労様、阿乗くん。予定通り、空き教室派閥は“危険分子”として認定された。』
朝飛が叫ぶ。「阿乗……お前、本気か!?」
阿乗灯大は、初めて本気の目で朝飛を見た。「……本気だよ。家族が人質なんだ。だから……ここで、君たちを止める」
梨子が水を構えるが、阿乗の能力「冷静の強制」によって、手が震えて出せない。
「ごめん。でも、これが僕の役目だ」
朝飛が、一歩だけ前に出る。「……だったら、あのときの涙はなんだったのさ!」
裏田と戦ったときの記憶が途端に崩れてゆく。
阿乗灯大は、一言だけを残して逃げてゆく。
「裏切り者はまだいるぜ」
次の瞬間、屋上の扉が爆発。
現れたのは、死んだはずの上埜だった。
吹き矢を構え、顔に火傷の跡。「まだ終わってねぇよ…… 河越朝飛!!」
第13話 終
(次回、第14話「生きていた上埜、そして……」 裏切り者編、加速。)




