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派閥学園  作者: N旅人
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第10話「中ボス撃破、そして偽りの勝利」

第10話「中ボス撃破、そして偽りの勝利」

爆発の翌朝。家庭科室は黒焦げになり、裏田の遺体はすでに学校組織によって“処理”されていた。

校舎は不気味なほど静かだった。

朝の放送が流れる。『昨日の家庭科室での爆発事故は、ガス漏れによるものと判明しました。裏田顧問は残念ながらお亡くなりになりました。生徒の皆さんはいつも通り授業を受けてください』

教室でそれを聞いた朝飛は、机を握り潰しそうになった。

「……ガス漏れ?ふざけるな」

梨子が小声で呟く。「口封じ……全部消された」

放課後、空き教室。これまでで最も多くのメンバーが集まった。

実習教室棟を完全に制圧した空き教室派閥は、もはや誰の目にも「最強の勢力」に映っていた。飯鷹姉妹がクッキーを配り、在滝涼葉が新しい能力強化薬を披露し、伊勢姉妹が初めて自分たちの手で作ったおにぎりを振る舞う。表面上は、勝利の祝賀ムード。

だが、誰も笑っていなかった。阿乗灯大は全身包帯姿で現れ、静かに言った。

「これが、学校組織のやり方だ。邪魔者は即座に消す。そして“事故死扱い”にする」

朝飛が立ち上がる。「だったら次は――」

そのとき、教室のドアがノックされた。入ってきたのは、放送室派閥のトップである榊原豊埜(さかきばらとよの)

いつものおとなしい表情で、でもどこか不自然に微笑んでいた。

「……おめでとう、北村くん。あなたたちの勝利、ちゃんと放送してあげたよ」

後ろには穴倉御行(あなぐらみゆき)が、いつもの好奇心旺盛な目でこちらを見ている。

梨子が即座に水を構えた。「何の用よ」

榊原が首を傾げた。

「敵じゃないわ。味方よ。これからは一緒に、学校を良くしていきましょう?」

朝飛が眉をひそめる。

「……どういうことだ?」

榊原が一枚の紙を差し出した。『運動場派閥・体育館派閥 解散勧告書』

「職員室が正式に出したの。あなたたちが勝ったから、もうあの二つは必要ないって」

教室がざわついた。「マジかよ……」「勝ったってこと?」「派閥制度、終わるの?」

一瞬、希望の光が灯る。しかし、梨子だけが、静かに首を振った。

「……違う。これは罠だ」榊原が微笑んだまま、静かに言った。

「さあ、どうする?このまま大人しく従えば、みんな平和に卒業できるわよ?それとも……まだ戦う?」

その瞬間、校内放送が突然割り込んだ。

『緊急放送です。運動場派閥と体育館派閥が、文化系派閥への全面攻撃を宣言しました。今夜、決戦です』

スピーカーから流れた声は、明らかに榊原豊埜の声だった。

でも、彼女は今、ここにいる。全員が凍りついた。

穴倉御行が、初めて本当の笑みを浮かべた。「面白いよね。僕たちが流した“偽りの情報”が、

今、本物の戦争を引き起こす」

梨子が叫ぶ。「てめぇら……!!」

榊原の瞳が、一瞬だけ赤く光った。魔王モード。「ごめんなさいね。でも、これは職員室の人たちから命令なの」

朝飛が立ち上がる。「……やっぱり、全部仕組まれてたんだな」

阿乗灯大が呟いた。「運動系と文化系をぶつけて、両方を疲弊させる。そして漁夫の利を得る……これが、学校組織の本当の計画だ」

教室の外、夕陽が血のように赤く染まっていた。

放送室派閥が去った後に朝飛は全員を見渡し、静かに、でもはっきりと宣言した。

「――俺たちは、どっちにもつかない。 新しい勢力として、両方を止める」

梨子が微笑んだ。「やっと、本当の戦いね」

立神がサングラスを光らせて笑う。「ほな、いくで!」

空き教室派閥、全員が立ち上がった。

祝賀ムードは一瞬で消え、代わりに燃えるような闘志が満ちた。

第10話 終

(次回から、運動VS文化大決戦編開幕!第11話「偽りの宣戦布告」運動場と体育館が、文化系連合に宣戦布告!だが、その裏で蠢く真の黒幕とは――!?)

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