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派閥学園  作者: N旅人
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第1話「忠誠の鎖」

第1話「忠誠の鎖」

春。桜が舞い散る幅津高校の校門前。

「可愛い子、いっぱい……! 俺の青春が始まるぞ!」

茶髪でどこか頼りなさげな少年・河越朝飛かわごえあさひは、入学式の帰りに声をかけまくっていた。

「ねえ、一緒に帰らない?」

「え、急に気持ち悪い……」「ごめん、友達と一緒だから」「うわ、キモ……」

10連敗。20連敗。

瞬く間に「変態」認定され、クラスLINEのグループからも外される始末。

放課後、教室に残っていた朝飛は、担任から告げられた。

「この学校はね、部活の代わりに“派閥”があるの。1週間以内にどこかの派閥に忠誠を誓わないと……“島流し”って言って、プール派閥の更衣室監獄行きよ」

朝飛は呆然とした。

その頃、同じクラスの美少女・磯辺梨子いそべりこは、ギャルっぽい見た目とは裏腹に冷ややかな視線を向けられていた。

「美人すぎてムカつく」「あれ絶対性格悪いよね」

孤立した梨子は、運動場を歩いていると突然背後から腕を掴まれた。

「よう、新入り。お前は今日から俺らの派閥だ」

運動場派閥の女番長・高塙たかはながニヤリと笑う。

一方、朝飛は玄関前で一人静かに帰ろうとしていた。

体育館派閥のボス・閑前かんざきがやってきてこちらを睨む。

「お前、派閥持ってないらしいじゃねえか。だったら俺たちの下働きでいいだろ?嫌なら島流しだ」

朝飛は抵抗しようとした瞬間、頭を殴られ意識が遠のく。目覚めると、そこは体育館の倉庫。

手足を縛られ、目の前には運動場派閥の偵察任務を押しつけられていた梨子がいた。

「……あんたはもしかして拉致られたの?」

梨子がため息をつく。朝飛は慌てて首を振った。

「違う! 俺は一人帰ろうとしてたら……って」

「そうなのね……でも、このままじゃ明日の朝、プール派閥に“島流し”だって」

薄暗い倉庫の中、初めて言葉を交わす二人。

梨子は冷たく言い放った。「派閥とか、忠誠とか……くだらないと思わない?」

朝飛は小さく頷いた。「……俺も、こんなの無くなればいいって、思ってた」そ

の会話を、倉庫の外で聞いていた影がいた。

プール派閥の監視役・夙浦凛花しゅくうらりんかと、透明化能力を持つ雨方うがた

「……ねえ、今の聞こえた?」

「聞こえたよ。あいつら、派閥制度を終わらせたいってさ」

二人は顔を見合わせ、雨方は嘲笑い、凛花は静かに微笑んだ。

同じ頃、更衣室監獄の奥で、サングラスをかけた関西弁の男・立神敦起たてがみあつきが独り言を呟いていた。

「ほんま、こんなとこに何年おんねん…… 誰か、俺をここから連れ出してくれへんかなぁ

第1話 終

(次回へ続く)

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