表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
24/35

24 カノンの学園生活


カノンの学園生活が始まった。

入学試験の時の騒ぎがあったため、どうなることかとドキドキしていたが、それは思いの外穏やかに幕を開けた。

自身を上回る三属性持ちであるカノンにアイネ・ゴルドベルグ侯爵令嬢が絡んでこないことと、そんなアイネに忖度してか、皆がカノンを遠巻きにしてくれているからだ。

偉い人扱い?をされても困るので、カノン的にはそっとしておいてもらえてよかったと思っている。

そうそう、魔法の威力が強いらしく、ミレイユ・オークス公爵令嬢も魔法科に合格したようで、「これから三年間、どうぞよろしくお願いいたします」と、笑顔で挨拶された。




そんなある日、カノンは放課後の図書室にいた。

学園の図書室ということもあり蔵書は多い。

しかも図書室は巨大な魔道具らしく、自分の魔力を使わなくても「火魔法についての初級本」などと言えば勝手に本の方から飛んでくるのだ。読み終われば読み終わった本用の棚に戻すと自分で元の位置に戻るのだ。

流石に一年生は慣れないようで飛んできた本をキャッチできなかったり、欲しい情報を整理できなかったのか多量の本に埋もれたりしている者もいた。そんな彼らには、司書さんに相談して地道に自分の足で探すという選択肢も用意されている。

カノンは自分めがけて飛んでくる三冊の本に驚き、咄嗟に支援魔法で身体強化をしたため、本を額で受け止めずに済んだ。


前世の記憶を思い出したからか、領地にいた頃とは違い勉強したことが頭に留まるようになった。

だからと言って知らぬ知識があふれ出てくるわけではない。知らないものは使えない。もうお試しで酷い目に遭うのは遠慮したいカノンは、『この世界にある魔法』を使うために『この世界にある魔法』を学ぶことにしたのだ。

異世界の物語が好きだっただけあり元々興味があった分野だ。一般教養含め異世界の授業は楽しいし、こと魔法に関しての知識はスルスルと頭の中に入ってくるので正直それほど苦労はしなかった。


「えっと、属性魔法はまず基本の火、水、風、土。そして意外とレアな光と闇の六つで──」


属性魔法を極めれば火は熱、風は空気や重力、土は木や草花、水は空気中や体内の水分までコントロール可能になるらしい。また、光は回復と浄化、闇は精神干渉と記憶操作が出来るようになる。

冒険者ギルドで『俺様』たちを不自然に飛ばしたのは風属性魔法の重力操作で、回復魔法は光属性魔法だったようだ。


属性魔法の他にも『特殊魔法』として


 ・付与魔法(物や人に能力を付与する魔法)

 ・契約魔法(従属魔法(テイム)、精霊魔法、召喚魔法)

 ・転移魔法

 ・空間魔法(収納魔法・収納庫内に限り時間の流れの操作)

 ・支援魔法(バフ、デバフ)

 ・鑑定(解析)魔法(その人の強さで見え方が違うらしい)

 ・錬金魔法(魔道具やポーション作成)


と、これまで使ったことのある魔法も含め、前世で読んでいた物語に登場する、なじみのある魔法が存在するようだった。


いくつかの魔法を使ってきたが、改めて、本当に魔法の使える世界に転生したんだなぁと、しみじみ思う。

カノンの時は目立ってはいけないと言われているが、ソラの時はそんなことは言われていない。カレリアが変身魔道具(ローブ)をプレゼントしてくれたということは『ソラの時は気にせず好きにしてよい』ということなのだと解釈している。


フェイには言い忘れたが、魔法少女のローブは手に入れたので次は魔女少女が代々使ってきた魔法の杖もいいなぁと思う。先端に星やハートのチャームが付いた魔法のバトンや魔法のコンパクトは流石のカノンもちょっと恥ずかしいが、メガネの少年が持っていたような装飾のない短い杖なら目立たないからいいんじゃないかなぁと考える。火の魔石や水の魔石を丸く加工して持ち手に埋め込むのもカッコいいかもしれない。ブローチやペンダントから魔法の杖を取り出したり、それ自体を変化させたりというパターンの魔法少女もいたけど、それはもう魔道具だ。一応『錬金魔法』は使えるはずなのだが、残念ながらカノンには作り方が分からない。


そんな風に放課後の図書館で勉強なのか妄想なのか分からない時間を過ごし、カノンの学園生活は平和に過ぎていくのだった。






「今日は複合魔法についてです」


魔法科担当のコラーリ先生が教室の前の壁全面に貼られた魔法板(マジックボード)に文字を書き出す。これは魔力があれば誰でも文字を書けるという魔道具で、属性に関係なく文字の色も自由に変えられるし、授業が終われば一瞬できれいに消せるという代物だ。


「例えば火魔法は風魔法の助けを借りて威力を増すことが出来るのです。そういった属性魔法の威力を他の属性で高めることを『複合魔法』と呼んでいます」


コラーリ先生の説明を聞き、カノンは「え?」と思う。

コラーリ先生の言っていることはどちらかというと『補助魔法』のことのように感じる。

カノンの中で『複合魔法』とは属性魔法を二種類以上混ぜ合わせて他の属性を作る──そんなイメージだ。

アドルフから目立ってはいけないと言われているため質問はしないが、これはこれで知識として蓄えてコッソリ別の機会に試してみることにした。


(複合魔法かぁ。やっぱポピュラーなのはアレだよね~)



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ