【第1章】 未来人、SNSで初投稿するも即炎上
未来人は、SNSをはじめた。
アカウント名は「@mirai_kun」。
アイコンはなぜかランドセル。
そして──記念すべき、第一投稿。
「おはようございます!
誰にも見られてなくても、生きててえらい!✨」
2分後、通知が止まらなかった。
炎上である。
「誰にも見られてないことを、なぜSNSで言うのか?」
「承認いらないなら黙ってろ」
「肯定感マウント」
「#自己肯定テロ」
「#無名ポエム投稿者死すべし」
未来人、目をまんまるにした。
「えっ……これって、みなさん“見てないフリしながらちゃんと見てる”んですね……?
それ、すごくエモいですよ」
追い炎上。
NowTime運営から通知が届いた。
《あなたの投稿は、プラットフォームの空気を乱す恐れがあるため非表示処理されました》
「空気……?」
未来人は、控えめに質問した。
「この空間、空気の成分で判断されてるんですか?
“酸素濃度”とか、そういう──」
【未来人、制度案を出す】
【制度案①:閲覧権の廃止制度】
「見てるけど反応しない」という潜在閲覧者を制度上“発言者”としてカウント。
逆に「反応はしてるけど、見ていない」人は虚無データ扱い。
→ SNSが“存在ベース”になる社会へ
爆笑と困惑が交差するなか、
未来人は静かに呟いた。
「“見られてないけど、投稿したい”って感情、
本当は誰しも持ってたんじゃないですか?」
【次章予告】
第2章:共感しすぎてSNSが爆発した件
投稿される言葉の99%が「わかる〜」で埋まり、
“共感ポイント”がインフレ。SNS、感情バブルで物理的に落ちる。
未来人、いいね市場の価値をゼロにする。