SS 最近の嶌崎
「あいつ可愛いよな。」
俺は3歳年下の後輩、嶌崎花奏が気になっていた。
同期の奴等にも、結構嶌崎の事が可愛いと思っている奴が多いようで、誰にも取られたくない、皆を出し抜いて自分のモノにしたいと思っていた。
「可愛いけどさー、ちょっと暗くね?」
同期の駒田はそう言うけど、
「ばーか。 暗いんじゃなくて初心って言うんだよ。」
と、言い返してやった。
話しかけてもすぐ真っ赤になって下を向いたり、上手く返せずに困った顔をするところが無性に可愛い。
なのに、笑うとアイドル並みの可愛さだ。
まぁ、結局どんな時でも可愛い。
俺、普段から結構話しかけてるんだけどな。
ああいうタイプには男としてどうやって攻めればいいのかな?
済し崩しってのが一番だろうな。
それにしても、最近嶌崎は帰るのが早くなったな。
…まさか男が出来たとか?
いや、ないない。
あんな奥手の大人しいタイプなのに。
それに、うちの会社じゃ男なんて作ってる暇がないだろう。
多分、あいつ誰とも付き合ったことないんじゃねえの?
俺が花奏の最初の男になってやるよ。
楽しみに待っとけよ。
でも、最近なんか可愛さの中に色気が出てきてねぇか?
イソイソと帰る後ろ姿が、妙にエロい時があるんだよな。
ま、あいつももう28歳だし、色気の出てくるお年頃ってやつか。
ああ、可愛いよなー。
俺は、会議室で「コ」の字に並べられている長机の斜め前の席に、こっちを向いて座っている嶌崎に見惚れていた。
あの薄い水色のブラウスの下にはどんな下着を着けてるんだろう。
ピンクかな?白かな?
ふっ。意外と紫だったりして。ふふっ。
あ、やべ。口元が緩んじまった。
だけど、可愛いよなー。
俺のモノにしてぇなー。
「では、以上で会議を終わります。お疲れ様でした。」
やべぇ。嶌崎に話しかけたいのに、俺の暴れん坊君が元気過ぎてすぐに立ち上がれねぇじゃん。
31歳にもなるのに……中学生かよ。
俺は、勝手な妄想からの自分の本能と闘っていた。
次回は明日22:00更新予定です。