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宇宙人会見

 ザクシーが世界に向けてオンラインで会見を行った。

 ドグルシャクモルという宇宙怪獣について、情報の共有と相手の数が多いので地球人も戦わなくてはならないという事を発信した。

 会見時のザクシーは本来の姿では無く、地球人の青年男性と同じサイズの強化ボディだ。実はそれすらカースの協力で作った立体映像なのだが。ザクシーの『根源』はまだダメージが大きく安定しない。

 ザクシーが提唱したドグルシャクモル対策は『恐れない事』だ。

 あの過去にザクシーに倒された弱いかっこ悪いロボットでさえ、一方的にドグルシャクモルを退治して見せたのだ。恐れることは無い。と言うような事を伝えた。そして大気吸入しないロケットエンジン型のミサイルであれば、粘着霧の影響を受けずに攻撃出来るかも知れないと言う事等。

 そこまでは良かった。

 何かと地球人からの質問にも答える必要があると思ったので各国の代表に質問をしてもらったのだが、そこで問題が起きた。

 最初こそ「ドグルシャクモルとはどこから来たのか」や「あのロボットとの関係は?」など当然あるべき質問であり、回答も用意していたので良かったのだが、途中から「地球で一番好きな食べ物は?」だとか「恋人は居るのか?」だとか、ふざけているのかと思う質問が飛び出した。

 ネットは大いに荒れ狂い、すぐにSNS等で犯人探しが始まった。どこな国の誰なのか。質問文は地球人側には見せていないので言語で国を絞り込んだりは出来ないのだが、憶測で様々な国の名が上がり、ネットのみならず追加の質問で「こんな馬鹿な質問をするのはどこの国ですか?」などと送ってくる始末になった。

 ザクシーは大きく狼狽えたがカースの作った映像はノーリアクションなので動揺を見せずに済んだ。

 打ち切るように会見を終えたザクシーは憔悴した。

「本当に私の言いたいことは伝わったのだろうか……」

 周りにいた誰もそれに答えられなかった。

 秋月は労うようにザクシーの背中をポンと叩いた。

「ベーケイさんが過去に見た資料によれば、ドグルシャクモルの群れはおよそ50体ほどらしいです。艦砲射撃が届く場所なら被害が広がる前に対処出来ると思われます。地球人が恐怖を抱かなければ、ですが」

 桂が淡々と述べるとエイホが頷く。

「まあ、あんな脳天気な質問が出てくるんだから地球人はそんなにビビっては無いんじゃない?」

「今のところは現実感も希薄ですからね。問題は被害が出てからになるかも知れません。兵器攻撃が届きにくい場所は被害を避けられないでしょう。戦闘機が遠距離からミサイルを撃っても1発や2発では倒すには至らない。エイホさんのダイオーの単純な殴打攻撃でも空対空ミサイルおよそ100発分の威力はあるとか。それでも一撃で倒すには至らなかった」

「こっちも全力じゃなかったからね。ビームバルカンも貫通して街に被害が出ないように出力落としてたし」

「被害が出て地球人が恐怖心を抱く前に大勢を決しておかなければならない。時間との勝負でもあるわけか」

 秋月が眉間にシワを寄せてウーンと唸る。

「強化されたドグルシャクモルがどの程度の強さなのかも気になりますね」

 桂も腕組みをして唸る。

「それといつ来るのかわからないのも不安になります」

 千村も唸る。

「全部がここに攻めてくるなら私が全部まとめてぶっ殺すんだけどなあ」

 エイホも唸る。

「どうなることか……」

 自衛隊の隊員も唸る。彼は三佐と呼ばれた事があるが未だに名前を呼ばれていない。


 それからドグルシャクモルの来襲に備えて、急ピッチで世界中の軍隊の連携体制が整えられていった。

 負けたら人類滅亡と言うこともあり、利害関係を越えて世界が一つにまとまり始めていた。

 連日更新される連携体制や一般人の推奨行動等の情報は、人類にかつてない連帯感と勇気をもたらした。

 

 そしてその日はやって来た。

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