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夢の続き  作者: 新田 藻亀
9/38

武者修行-激動の初日-編.2

※群馬と埼玉を間違えていた為修正しました

------------------


「そう言えば外に出るのは久し振りだなー、いつ以来だ?」


「啓示を受けた3ヶ月後くらいだったよね、確か」


「ってことは大体1年半前か!その頃よりはだいぶ強くなったよな、私達!」


「そうだよね!今度は戦えるよ、私達!」


 都筑と青葉が啓示を受けてから大体3ヶ月後くらい、領地の管理研修の兼ね合いで、1度東京領に行ったことがある。

 その際に侵食者に遭遇してしまったのだ。

 港北と緑により、難なく突破する事が出来たのだが、当時の2人は動けないでいた。

 啓示を受けてから3ヶ月では仕方の無い事なのだが、2人にはちょっと悔しい思い出として残っていたのだ。


 朝10時頃出発してから3時間が経った頃、都筑のお腹からぐぅーっと空腹を知らせる音がした。


「よし、じゃあ一旦飯にするか!」


 恥ずかしかったのか、少し顔を赤らめている都筑は、満面の笑みで首を縦に振った。


 馬車を固定し、各自持参した昼食を広げる。


「しっかしほんと代わり映えしない景色だなー」


「そう?木とか虫さんの群れとか、鳥さんとか。いっぱいあったじゃん!」


「そうだったか?私にはずーっと同じに見えたよ…」


「がっはっは。確かに代わり映えしないっちゃそうかもな!でも虫は結構珍しいかもなー、しかも群れだったのか?」


「はい!見間違えじゃなければ…。結構ブンブンくるくる飛んでましたよ!」


「ちょっと気持ち悪いかもー」


「がっはっは。食事中だったな、スマンスマン」


「ごごご、ごめんなさい!」


「いいのよー」


「私そういうのに気付かハッ」


 都筑が突如後ろを振り向く。


(誰かに見られてる?…気のせい?)


「緑?」


「何も感知してないわ」


「プハーッ、き、気のせいですかね、誰かに見られてたような感じがして」


 都筑の額には汗が見える。動揺している都筑の肩を、青葉が優しくさすった。


「大丈夫だよ、誰もいない」


「青葉ちゃん、ありがと。さ、さあ、まだお弁当残ってますね!食べましょう!」


(殺気にあてられたか?だが緑の警戒網には何も引っかかっていない。そもそも殺気なら俺も気付くはずだ)


「がっはっは。安心しろ都筑。緑の警戒網は絶対だぜ?食べたら少し休みなさい」


「スミマセン、ありがとうございます」


 緑の警戒に加え、しばらくの間は念の為、港北も広範囲警戒を行った。

 食事を途中で終えた都筑は、青葉に付き添われ横になった。


「夜になる前に群馬領に着きたいから出発する。ペースを上げるからちょっと揺れるぞ。気分が悪くなったらすぐに知らせてくれ」


「ちなみに、俺のスキルで移動時間を短縮することも出来るん」


「ごめんなさい!私のせいで。でも大丈夫。青葉ちゃんもすぐ隣に居るし、少し横になれば回復します!」


 港北の言葉を最後まで聞くことなく提案を拒否した。自分たちの武者修行だ。出来る限り港北達の手を借りず臨みたい。そういった思いからの言動だった。


「よしわかった。ではしゅっぱーつ!」


(何だったんだろう。誰かに見られているような?いや、突然肩を引っ張られた感じ?でも緑さんの警戒は問題なかったみたいだし。やっぱり私の気のせい?)


「つーづき、ゲームしようぜ!しりとりしりとり!」


 小刻みな震えが一向に止まらない都筑に対し、青葉が明るく声を掛ける。


「えー、青葉ちゃんずっと同じ文字で返してくるからやだー」


 精一杯の元気を見せる都筑。


「ふっふっふっ、それは戦略だよ、せ・ん・りゃ・く!じゃあ、都筑のき!」


「き、き、着物のの!」


「へへっ、疲れたらいつでも寝ていいからな!海苔巻きのき!」


 次第に都筑の震えも治まっていった。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


zzz...


「俺は覚悟を決めたよ、こ○▲□●△■○▲□る」


「本○▲すか?」


「本気さ、色々考え○▲□●△■ない」


「かしこ○▲□した。私は早速必要デー●△■集します」


「宜しく頼む」


zzz...


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


(ハッ、寝てた?夢?確か…、そうだ、しりとりだ)


「青葉ちゃん、しりとりは?」


「おっ、起きたのか?」


「ごめん、寝ちゃってた?」


「へへーん、私の"き"ラッシュの前に、いつしか寝てたぜ?」


 青葉は有言実行である。


「なんとなく憶えてる…。どれくらい寝てた?」


「10分くらいじゃない?もっと寝てていいぜ!」


「青葉ちゃん、ほんとにありがと」


 都筑は青葉を強く抱きしめた。


「へへっ、任せとけ!」


(やけにはっきりとした夢だったな)

(声だけだったけど、しかも聞き取れないところもあったけど)


 アイスとクリンは歩みを止めず、しばらく進んでいると、眩い光を放つ道標が見えてきた。


 西に行くと山梨領、北に行くと群馬領、東に行くと埼玉領と3分岐されている。


「後3時間程か、夕方には到着出来そうだ」

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