武者修行-激動の初日-編.2
※群馬と埼玉を間違えていた為修正しました
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「そう言えば外に出るのは久し振りだなー、いつ以来だ?」
「啓示を受けた3ヶ月後くらいだったよね、確か」
「ってことは大体1年半前か!その頃よりはだいぶ強くなったよな、私達!」
「そうだよね!今度は戦えるよ、私達!」
都筑と青葉が啓示を受けてから大体3ヶ月後くらい、領地の管理研修の兼ね合いで、1度東京領に行ったことがある。
その際に侵食者に遭遇してしまったのだ。
港北と緑により、難なく突破する事が出来たのだが、当時の2人は動けないでいた。
啓示を受けてから3ヶ月では仕方の無い事なのだが、2人にはちょっと悔しい思い出として残っていたのだ。
朝10時頃出発してから3時間が経った頃、都筑のお腹からぐぅーっと空腹を知らせる音がした。
「よし、じゃあ一旦飯にするか!」
恥ずかしかったのか、少し顔を赤らめている都筑は、満面の笑みで首を縦に振った。
馬車を固定し、各自持参した昼食を広げる。
「しっかしほんと代わり映えしない景色だなー」
「そう?木とか虫さんの群れとか、鳥さんとか。いっぱいあったじゃん!」
「そうだったか?私にはずーっと同じに見えたよ…」
「がっはっは。確かに代わり映えしないっちゃそうかもな!でも虫は結構珍しいかもなー、しかも群れだったのか?」
「はい!見間違えじゃなければ…。結構ブンブンくるくる飛んでましたよ!」
「ちょっと気持ち悪いかもー」
「がっはっは。食事中だったな、スマンスマン」
「ごごご、ごめんなさい!」
「いいのよー」
「私そういうのに気付かハッ」
都筑が突如後ろを振り向く。
(誰かに見られてる?…気のせい?)
「緑?」
「何も感知してないわ」
「プハーッ、き、気のせいですかね、誰かに見られてたような感じがして」
都筑の額には汗が見える。動揺している都筑の肩を、青葉が優しくさすった。
「大丈夫だよ、誰もいない」
「青葉ちゃん、ありがと。さ、さあ、まだお弁当残ってますね!食べましょう!」
(殺気にあてられたか?だが緑の警戒網には何も引っかかっていない。そもそも殺気なら俺も気付くはずだ)
「がっはっは。安心しろ都筑。緑の警戒網は絶対だぜ?食べたら少し休みなさい」
「スミマセン、ありがとうございます」
緑の警戒に加え、しばらくの間は念の為、港北も広範囲警戒を行った。
食事を途中で終えた都筑は、青葉に付き添われ横になった。
「夜になる前に群馬領に着きたいから出発する。ペースを上げるからちょっと揺れるぞ。気分が悪くなったらすぐに知らせてくれ」
「ちなみに、俺のスキルで移動時間を短縮することも出来るん」
「ごめんなさい!私のせいで。でも大丈夫。青葉ちゃんもすぐ隣に居るし、少し横になれば回復します!」
港北の言葉を最後まで聞くことなく提案を拒否した。自分たちの武者修行だ。出来る限り港北達の手を借りず臨みたい。そういった思いからの言動だった。
「よしわかった。ではしゅっぱーつ!」
(何だったんだろう。誰かに見られているような?いや、突然肩を引っ張られた感じ?でも緑さんの警戒は問題なかったみたいだし。やっぱり私の気のせい?)
「つーづき、ゲームしようぜ!しりとりしりとり!」
小刻みな震えが一向に止まらない都筑に対し、青葉が明るく声を掛ける。
「えー、青葉ちゃんずっと同じ文字で返してくるからやだー」
精一杯の元気を見せる都筑。
「ふっふっふっ、それは戦略だよ、せ・ん・りゃ・く!じゃあ、都筑のき!」
「き、き、着物のの!」
「へへっ、疲れたらいつでも寝ていいからな!海苔巻きのき!」
次第に都筑の震えも治まっていった。
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zzz...
「俺は覚悟を決めたよ、こ○▲□●△■○▲□る」
「本○▲すか?」
「本気さ、色々考え○▲□●△■ない」
「かしこ○▲□した。私は早速必要デー●△■集します」
「宜しく頼む」
zzz...
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(ハッ、寝てた?夢?確か…、そうだ、しりとりだ)
「青葉ちゃん、しりとりは?」
「おっ、起きたのか?」
「ごめん、寝ちゃってた?」
「へへーん、私の"き"ラッシュの前に、いつしか寝てたぜ?」
青葉は有言実行である。
「なんとなく憶えてる…。どれくらい寝てた?」
「10分くらいじゃない?もっと寝てていいぜ!」
「青葉ちゃん、ほんとにありがと」
都筑は青葉を強く抱きしめた。
「へへっ、任せとけ!」
(やけにはっきりとした夢だったな)
(声だけだったけど、しかも聞き取れないところもあったけど)
アイスとクリンは歩みを止めず、しばらく進んでいると、眩い光を放つ道標が見えてきた。
西に行くと山梨領、北に行くと群馬領、東に行くと埼玉領と3分岐されている。
「後3時間程か、夕方には到着出来そうだ」




