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夢の続き  作者: 新田 藻亀
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旅立ち編.5

「空気が肌を突き刺すようだな。都筑、青葉、先ずは気負わず自由にあたってみるんだ。俺が隙を見て連携技の起点を作る。見逃すなよな」


「「はい!」」


「青葉ちゃん、お先っ!」


 都筑は真正面から突っ込んだ。三つ富士を魔力操作し連続で刺突。

 横浜はぴょんと跳ねたり体を屈めたり、およそ人の動きとは思えない体制で全てを躱した。

都筑の攻撃も変幻自在な動きを見せたが、掠りさえしなかった。


 続いて都筑は少し距離を取り、三つ富士を投擲した。しかしこれも簡単に躱される。

 今度は、投擲した三つ富士が横浜に近付いた瞬間に巨大化させた。


 都筑の三つ富士は、形状は変えられない物の、その大きさや重さを変える事が出来る。

 巨大化攻撃は、青葉との訓練で高い確率で有効打を与えていた為、自信のある攻撃だ。


 しかし横浜はこれをガードした。


「うぅ、ガードさせるのが精一杯かー!」

「よーし。魔力よ、早渕の川の激流の如く、足に絡みついておくれ!」

 都筑は魔力で足止めを試みた。しかし横浜に着弾したと同時に掻き消された。


「相殺された?」

 都筑は原理は理解出来なかったが、効果が無い事は理解出来た。


「だめだー、青葉ちゃんタッチ!」


「よし、任された!」

 青葉は大きく深呼吸した後、3体に分裂した。同時に横浜に向かっていき、連続攻撃を仕掛けた。拳、掌底、蹴り等波状に攻撃を仕掛けるが、全てを躱される。


 3体の獅子舞は、青葉が入っている本体しか攻撃は出来ない。だが、青葉は3体の中を瞬間移動出来るため、戦う相手からしたらどこから攻撃がくるか判断する事は難しいはずだ。


「はえぇぜ…。よし、じゃあ」

「(スピードアップの舞)」

 1体が戦線から離れ、舞を始めた。残った2体で攻撃を再開。徐々に攻撃速度が早まる。


 殆ど躱されてしまったが、何度か躱しきれずにガードさせる事が出来た。


「はぁっはぁっ…。くっそ、速すぎる!」


 ぴょんぴょん…。横浜は息を切らすこと無く跳ねている。


「青葉ちゃん、まだいけるよね?一緒に戦おう!」

「ばっちこい!」


 都筑は山田富士を両手に持ち特殊な歩行を始めた。動きに緩急が付く。

 スピードアップの舞と、2体の獅子との連携攻撃。拳が空を切る。槍が空を切る。

 横浜の動きが1段上がった様に感じる。


 …とその時、

御野立落雁(おのたちらくがん)…」


 無数の手刀が空から襲い掛かる。緑が加勢したのだ。

 横浜は大きく後ろに跳ね、これを全て躱した。


 …と今度は大きな円柱が横浜に向かって振り下ろされた。

 これは港北のぺぺの槍だ。そして連携技ブルーラインの合図だった。


 何度も何度も練習した。

 何度も何度も失敗した。

 そして成功した。

 何度も何度も成功した。


 高い練度で身に付けている都筑と青葉は、即反応した。


 青葉は横浜の左右から襲い掛かる。上からは巨大な円柱。横浜の逃げ道は後ろしかない。

 都筑は横浜の逃げる地点を予測し、三つ富士を巨大化させ、重さマックスで落とす。


 ズドーーーン!

 と大きな衝撃音が大ホールに響き渡る。


「…素晴らしい、素晴らしいよ。緻密に計算された連携だね」


 三つ富士は横浜に届かなかった。


「これはね、氷川丸。僕を守ってくれたんだ」


 横浜の頭上には船が1隻、三つ富士を全て受け止めていた。


「「はぁっはぁっ…」」


 都筑と青葉は言葉が出ない。完璧に決まったと思ったのに、防がれてしまった。


「さすが旦那、やはり受け止めちまいますか」

「惜しいー」


「都筑、青葉。まだやれるな?」


「「はい!」」


 都筑、青葉に加え、今度は緑も戦闘に加わる。互いに攻撃、囮を不規則的に担い休む事なく攻撃を続ける。


 ワーッ!オーッ!キャーッ!

 どこからともなく、スポーツでも見て応援しているかのような大歓声が聴こえてきた。

 突如景色が変わり、都筑達5人は小さなスタジアムの中に居た。

 連携技グリーンラインの起点だ。


 次の瞬間、横浜を中心にスタジアムが地面ごと拡がり、それぞれの距離が大きく離れた。


大林晩鐘(だいりんばんしょう)…」


 緑のスキルが発動した。

 ゴーン。

上空から大きな鐘が現れ、横浜を閉じ込める。と同時に巨大化した山田富士が、地面から勢いよく突き出てきた。


 横浜を鐘の中で突き刺す様な形となった。


 大ホールに、響いた鐘の音の余韻が残る。



パチパチパチパチ。

「おめでとう。課題合格です」


 鐘の外から声が聞こえる。既のところで躱されていたのだ。

 よく見ると、分厚い鐘の一部が内部からの衝撃で歪んでいて、穴が開いている。


「反則だぜそりゃ…」

「穴開けられたのなんて初めてー」


「防御は悪手と判断したので悪しからず。」


「あの一瞬で…、浜さん強すぎ…」

「まあでもさ、いいじゃん?強ければ強いほど!高い壁ってかんじでさ!」


 青葉は底抜けに前向きだ。


「だね!これで旅に出られるからもっと強くなろ!」

「そうだな!」

 2人は抱き合っている。いよいよ旅立てるのだ。辛く長かった訓練を共に労った。


「本日はありがとうございました!」


 一同が横浜に挨拶をする。


「お疲れ様。最後に立会人からコメントを頂こう」


 立会人が居た事など都筑と青葉は忘れていた。


「じぃじ、ばぁば、お願い致します」


「って、2人とも寝てるー!」

「まじかよ、始まって1時間も経ってないぜ?」


 心地良さそうに寝ている。武蔵は鼻提灯までこしらえて。


「ふふふ、仕方ありませんね。では、本日はこれで解散です。ゆっくり休んでください」


「2階のふたりはー?」


 緑が告げると、ハッと思い出し2階に目を向ける都筑と青葉。


「「って、2人ともいないしー!」」


「2人はほんのさっき出ていかれましたよ」


-大ホール 外-


「頑張り屋の可愛い子達だったね!」

「…ああ」

感想など頂けると幸いです!

宜しくお願い致します。

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