旅立ち編.4
※表記を見やすく修正しました
---課題確認会当日 10:00---
-学園 大ホール-
「皆さん、おはよう。本日は都筑ちゃん、青葉ちゃんの課題確認会です」
大ホール内には、横浜の他、武蔵と相模の姿も見える。武蔵と相模は投影によって映し出された姿だ。
「立会人として、じぃじとばぁばにもご参加頂きます」
都筑は武蔵と相模に小さく手を振る。青葉は小声で「こらっ、真面目にやれっ!」と注意する。
「また、ちょうど今日こちらに用事のあった川崎と相模原さんも「見たい」との事だったので、あそこから見ています」
横浜の指差す方向に目を向けると、2階席に2人の人影が確認できた。
「皆さん、構わないかな?」
港北は、都筑と青葉に目をやる。
都筑と青葉は顔を見合わせ頷く。
「「大丈夫です!」」
「ふふふ、ありがとう。では早速開始しようか」
1.回復スキルの確認
「では、僕に対して使用してみてくれないかな。大体の回復量がわかるからさ」
「わかりました!じゃあ私から!」
「すーっ、はーっ、すーっ」
「魔力よ、早渕の川のせせらぎのように、その方を癒やしておくれ!」
魔力が可視化され、横浜を優しく包み込む。魔力は川の流れの如く、横浜の体を巡る。
「ありがとう。では次、青葉ちゃん」
「うっし」
「すーっ、はーっ、すーっ」
「(鶴見の川の流れを思い描き、癒やしのイメージと結びつけて…)はあっ」
見た目は都筑の物と似ているが、より強い流れに見える。
「ありがとう。2人とも回復スキルはクリアだね」
「やったー!」
都筑は嬉しくて青葉に抱きついた。青葉も笑顔を見せ、都筑の背中をポンポンしている。
ちなみに港北も小さくガッツポーズしている。
「1点だけいいかな。都筑ちゃんが呟いていたセリフ、あれを呟かないと発動しないのかな?」
「そうなんですよ〜…。一応言わなくても出来るんですが、威力が落ちます!」
人差し指を立て言い放ったその姿は、何故か得意気に見える。
「しかもセリフも毎回微妙に違うよな!」
「だからー、それはイメージ出来れば多少違くても大丈夫なの!」
「ふふふ、あっははは、君達は本当に面白いね」
「やっぱり言わないで出来た方が良いですか…?」
「戦闘における1秒は命取りになるからね。言わないで出来るに越した事はないんだけど、スタイルってあるから必ずしも駄目って事は無いんだ。そこは人によってだね」
「セリフが違うのは駄目だけどな、ひひひ」
からかう青葉を、への字口にして横目で見る。
「わかりました!私は言った方が良いスタイルだと思うので、言う事にします!」
「うんうん、そうだね、そういう信念はとても大切なんだ」
『スキル名を言った方が強い』や、
『詠唱のセリフを言った方が強い』という信念を持っている人は決して少なくはない。
近しい人では緑がスキル名を言うスタイルだ。
「よし、では10分休憩の後再開しよう」
そう言うと横浜は、幾つかある個室の1つに入っていった。
「やったね青葉ちゃん!」
「第1関門突破ってとこだな!」
都筑達は港北と緑の下へ行き、最終準備を行った。
武装について、大まかにフルアーマータイプとコンセプトウェアタイプにわかれる。
フルアーマータイプは、その物自体に何らかの効果がありとても強力だが、常に魔力を消費するというデメリットがある。
一方コンセプトウェアタイプは、自分の特徴や戦い方をもとにデザインされているが、その物自体に効果はない。故に継続的魔力消費は無い。
都筑達の装備は以下の通りだ。
名前:港北
武器:ペペの槍
防具:スタジアム装甲
名前:緑
武器:拳
防具:暗緑色の忍装束
名前:都筑
武器:三つ富士(山田富士、川和富士、池辺富士)
防具:制服
名前:青葉
武器:拳
防具:獅子舞
ちなみに都筑のコンセプトウェアについては、まだ考え中との事だ。
しばらくすると、横浜が戦闘用の装いで戻って来た。
全体に荘厳美麗な刺繍が施された服をまとい、両手を前方へ突き出し、ぴょんぴょん跳ねている。
「お待たせ、では連携の確認をしようか。連携内容の事前説明は不要だから、本気で皆で掛かってきてくれないかな」
横浜がセリフを言い終えた刹那、空気が変わるのがわかる。
「驕りではないからね、僕も緊張感を持って臨むためだ」
感想など頂けると幸いです。




