旅立ち編.3
---現在---
グリーンラインアタックを完成させ、全ての課題をクリアした2人は、翌日早速横浜の下へ報告にいった。
-校長室-
「おめでとう。そしてお疲れ様。僕の見立てでは後2ヶ月は掛かると思っていたよ」
「ありがとうございます!」
「いよいよ旅立てるって事で良いんだよね?」
「そうだね、実際に連携技をこの目で確認させてもらった後でね。それと領土の委任書類なんかも必要だね」
約2ヶ月前の申請日、領土委任の事など頭になかった都筑であったが、すぐに相談し根回し済みだ。
「はいっ!委任については準備万端です!」
「委任状はすぐに準備出来ると思うんだけど、連携技の確認ってのは、いつしてくれるんですか?」
「そうだね、港北くんたちの都合次第なんだけど、僕は今日でも明日でも、ここ1週間のうちだったらいつでも合わせられるよ。」
「わかりました!じゃ、こうさん達に話してみますね!」
「宜しく頼むよ。日時が決まったら魔話ではなく魔紙で知らせて欲しいな。それと、確認は実践方式で、僕が相手をするよ」
魔紙とは、魔力で作成した紙とインクを使用して、伝えたい内容を送るポピュラーな遠距離連絡方法だ。届けたい場所をイメージすれば、少ない魔力で飛んでいくので、広く一般的に用いられる便利な物だ。
極稀に魔紙同士が衝突し、消失してしまう事故が珠に傷だ。
機密事項のような重要な物になると、継続して魔力を送り続ける必要はあるが、相手が受け取るまでプロテクトを掛けることも出来る。
一方魔話は、魔力をお互い飛ばし合い、直接会話ができる便利な物だが、高度なスキルが要求されるため、一般的に使われる事は少ない。
「まじかよ!浜さんと戦えるのかー、楽しみー!」
「ふふふ、僕も楽しみにしているよ」
「ワクワクだねっ!」
「おうよっ!」
都筑と青葉は、心躍る気持ちを抑え、港北と緑のもとへ向かった。
都筑と青葉は実践経験はまだない。ただ、港北と緑が侵食者と戦闘している姿は1度見たことがある。
2人とも胸が躍った。あの光景を体現出来るのだ。
この世界には"禁域"と呼ばれる場所が複数ある。読んで字の如く、近付いてはいけない場所だ。
禁域からは様々な姿形をした化け物が、無尽蔵に、不規則的に現れる。化け物は、禁域を拡げる行動や、人や物をさらうため、"侵食者"という呼称で統一されている。
禁域を巡っては、過去に幾度となく対応がなされてきたが、入って出てきた者は1人もいない。よって『周囲警戒及び禁域外で対応』という受け身な対応に留まっている。公式の記録では、最も近い禁域内部調査は130年前だ。
〜禁域の侵食者〜
禁域に近づいてはいけません。領土から出る必要がある際は、申請を行い、公式護衛を伴いましょう。侵食者には電磁ボールが有効な事が多いので、もし不意に遭遇してしまったら、ボールを投げつけ速やかに避難しましょう。
身につけよう 命を守る 電磁ボール
〜危機管理マニュアル(一般)p5より抜粋〜
-港北領内 シウマイ屋-
「実践方式か」
「お手合わせするの久し振りー」
「本気でやっていいんですよね!」
ボンッと槍を出現させる都筑。
「お前その槍ぶっ刺すつもりか?笑」
「えへへ、だめ?」
「がっはっは。お前たち、旦那が戦っているところ、見た事あるか?」
「ないです!」
「やっぱ強いのかなー」
「がっはっは。強いなんてもんじゃあない。俺達では決定打を与える事さえ出来ないだろうな」
「えーっ、こうさんと緑さんでも?」
「まじかよ…」
「がっはっは。そうだ。俺達もまだまだそのレベルではない。まあそもそも俺は攻撃得意じゃないから多分一生無理だな」
「私もイメージ全然湧かないなー」
「浜さん凄すぎ!」
「ああ、エグいな…」
「がっはっは。なんせ旦那は理論的には俺たちのスキル全部使えるからな!今回の連携も、受けたら旦那流に昇華させるだろうよ!若しくは既に修めているかもな」
「かもねー」
「凄すぎませんか浜さん…」
「ああ、絶句だぜ…」
「がっはっは。よーし、じゃあ早速明日カマシに行くか!」
港北も久し振りの横浜との実戦形式の訓練に興奮していた。連携の確認という事を、この時は忘れてしまう程に。
「あ、あと連絡は魔紙で欲しいって言ってましたよ!」
「え?わざわざ魔紙で?なんでかな、オッケー、わかった」
「魔紙と言えば…。ちなみに港北さん、前に武蔵のじぃじと相模のばぁばの幻影?と私達話したんだけどさ、あれもやっぱ高度なスキルが必要なの?」
「投影はちょっと特殊でな。事前登録って言ったらいいかな、魔力のラインを繋げておかないといけないんだ。特別高度ってわけじゃない」
「へー!」
「そっかー、何か私達はまだまだ知らない事だらけなんだなー」
「がっはっは。まあ仕方ないだろ。これから色々と知っていけばいい。俺で良ければ教えてやるよ!」
「ありがとうございます!」
「かー、頼りになるなー港北さん!」
「がっはっは」
「シウマイパフェ美味しーい」
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