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夢の続き  作者: 新田 藻亀
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武者修行-栃木領-編.2

※タイトル修正致しました


 そして翌日、朝の8時に足利がやって来た。両手で倹飩箱(けんどんばこ)を持っている。皆の朝食を持ってきてくれたのだ。


「これらは全て、うちの領で人気のある食べ物です。僕が作ったので味はお店よりは落ちますが、どうぞお食べください」


 都筑達は、早速朝食を摂ることにした。 


「これ美味しい!焼きそばにいもフライが入ってる!足利さん、お店出せますよ!」


「これシウマイじゃねーか!足利、おめぇ最高だな!店出せるぞ!」


「がっはっは。この大根が乗っているソバ、独特だけど美味い!足利さんお店出せるよ!」


「ふふ、全部おいしー」


 都筑達がとても美味しそうに食べる姿を見て、足利は満更でも無さそうだ。

 料理にも興味を持ち、研究を重ねた結果である。


「では、僕は早速調べ物の為、図書館へ向かいます。お食事が終わりましたら、ご自由にお寛ぎください。訓練用の施設もありますので、ご使用頂いて構いません。尚、日中は門戸を開けているので、領民が訪れることもあると思います。主に図書館利用ですが、稀に訓練施設を使う方もいますので、ご承知おきください。」


「足利さん、俺達に出来ることがあれば、いつでも言ってくれよな」


「ありがとうございます。ですが、今日は恐らく無いと思います。僕は没頭していると思うので、この後はどうぞご自由にお過ごしください」


 足利は昨晩別れた後、夜遅くまで仮説の深堀や、見落としが無いかなどを考えていた。先ずはその根拠、抜け漏れを求め、図書館へとやって来た。


 この私設学校には、蔵書約5万冊を有する図書館がある。専門的な書物から、風俗的な物や大衆向けの物まで幅広いジャンルを取り揃え、領民が毎日ちらほら訪れている。


 足利は、禁域や侵食者等、仮説を裏付けるに足る書物を片っ端からカートに乗せ、小さな部屋へと入っていった。


 最優先として速やかに判断しなくてはならない事。それは、《探求の竜》の討伐。即ち禁域への侵攻。足利はそこから手を付けた。




「ごちそうさまでした!」


「どれもこれも美味かったな!まさかシウマイまで出るなんてな」


「がっはっは、そうだな」


「スイーツも食べたかったー」


 食事を終えた4人のこれからの予定、当初足利を手伝う気満々であったのだが、今日のところはどうやら邪魔になってしまいそうだったので、訓練施設を借り、訓練をする事にした。


 港北は、預かっている褒章を届けに、中と鶴見を訪ねる予定が入っていたため、別行動となる。





「魔力よ、早渕の雄大なうねりをもって、前に立ち塞がる盾になっておくれ」


「だいぶ変化と操作がスムーズになったねー」


 訓練内容は、以前考えたプログラムの通り行った。


「ジュンとチュンを加えた5体同時アタックだ! 都筑、受けられるかな?」


「虫送り!みなきたウォーク!」


 昼食後のマンツーマン訓練の一部を、都筑と青葉の疑似戦闘に変えるなどの微調整も行った。


「今日こそは緑さんから一本取ろう!」


「だよな、そろそろ!」


王子秋月(おうじしゅうげつ)…」


 円月状の軌道を描いた蹴りが、2人の背中にヒットした。


「ガハッ…」


「どうなってんだ?真正面にいるはずなのに、背中を蹴られた…ぜ…」


「ふふふ」


 順調に訓練をこなしていく中、足利は学校敷地内の池の前にいた。





 午後5時。一通り調べ物を終え、頭を休めている足利。《探求の竜》を落とす好機。結果的に住処を絞り込むには至らなかった。判断材料が足りなかったのだ。


 そして都筑への襲撃と夢。襲撃の意図も夢も断言出来るには至らず、これについては栃木宛に要請の魔紙を2通送った。東京領の小金井と文京を足利領に招いて欲しいといった内容である。


 小金井は、侵食者の捕獲に長け、都筑に起こっている襲撃について、解決へと導く手立てを持ち得る人物である。


 文京は、夢を用いて戦いを行うことがあり、夢を覗く術も持ち合わせていた。


 本来であればこちらから出向く案件ではあるが、今回の場合、都筑を制限地帯へ出さない為には、来てもらう他ないのだ。


 そんな時、都筑達が訓練を終え戻ってきた。


「足利さん!」


「おう足利、疲れたのか?そんなとこ座って」


 丁度一段落したところである。足利は、現時点で分かったことを報告する事にした。





「手元の資料を全て確認致しました。《探求の竜》は長野領近くの禁域を居城としている確率が約50%です。これは過去の出現箇所、移動時間、戦死された方が絶命するまでの時間から割り出しました」


「ちなみに、東京領と千葉領間が30%、新潟領と福島領間が15%、永年樹周囲が5%です。絞り込めたとは言えない数値ですね」


 説明の最中、一通の魔紙が足利の下に届いた。


「…どうやら禁域への侵攻が決定されたようです」


(明確な根拠の無い段階での侵攻という判断。少々慎重さに欠けているのではないか。それとも僕の知らない確たる根拠があるのか、新たに発見された根拠なのか。或いは…秘匿されていた?)


 様々な考えを巡らせてしまう足利。


「足利さん、詳しく教えてください」


「一ヶ月後、長野領近くの禁域への包囲侵攻が開始されます。近隣領への応援要請が出ています」


 そこへ、聞き覚えのある威勢の良い声が聞こえてきた。


「おもろそうな事聞いたわ、ウチらも参加させてーな」


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