表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
夢の続き  作者: 新田 藻亀
23/38

武者修行-群馬領-編.12

「魔力よ、支流早渕を鶴見川へと導きたまえ!合技、早渕と鶴見の合流!」


 2本の太い水流がからみ合い、うねりながら伊勢崎へと向かう。水流の上には1体の獅子舞が鎮座している。


「無駄だ!無限銘仙!」


 無数の反物が水流目掛け放たれるが、これを全て弾き返した。


「むぅ、これはちとまずいのう」


 藤岡がそう言うと、太田はすぐさま魔力車を纏った戦闘モードになり、伊勢崎のカバーに入った。

 水流を左手で受け止め、水流に乗った青葉の攻撃に備える。しかし、獅子舞が放った攻撃は、拳ではなく都筑の山田富士だった。


 突然現れた山田富士は、放たれた瞬間に巨大化し、太田に襲い掛かる。徒手空拳を警戒していた太田は意表を突かれ、ガードもろとも食らってしまった。


 パーンッ…


 藤岡の反応速度でさえ追いつけず、太田に直撃した後に山田富士が、爆竹によって弾かれた。


 更に上空には残り2本の槍、川和富士、池辺富士が巨大化された状態で襲い掛かり、下からは左右に分かれた獅子舞が襲う。


 その時だった。どこからともなく声が聞こえてきた。都筑と青葉を幼い子どもたちの遊んでいる声が襲う。


 キャハハ… エーイ… ワッハッハ…


(なんだこの感じ…懐かしい感じがする。頭にジュンとチャンが浮かんでくる…)


 ジュンとチャン。それは青葉がこの武者修行に持参した、大きな鳥のぬいぐるみだ。

 これは太田による睡眠導入攻撃なのだが、青葉には更に違う作用が働いていく。


(こどもたち…こどもの国、懐かしいな…)


 大きな滑り台で小さな子どもたちが大勢遊んでいる。


(あれは…幼稚園の頃の都筑じゃないか。ははは、可愛いなー…あれは、私もいるぞ)


 そこには幼い頃の2人もいて、仲良く遊んでいた。


(思い出した!確かこの日は遠足でこどもの国に来ていたんだ…それで確か…都筑が迷子になったんだ。いや、私か?兎に角はぐれちゃったんだ)


 泣きながら名前を呼ぶ青葉が居た。


(…思い出した、そうだ、ジュンとチャンが突然現れて都筑を連れてきてくれたんだ!)


 はっ…


 青葉は目を覚ました。そこには青葉を抱き起こす、まんまるとしたジュンとチャンが居た。


「おい、その突然現れた鳥はお前のスキルか?」


 太田は頭から血を流していた。そうだ、青葉は攻撃の途中だった事を思い出した。都筑が後から放った川和富士、池辺富士は弾かれたようだ。

 伊勢崎は尻もちをついているが、無傷のようだった。


 青葉は改めてジュンとチャンを見る。触れる。確かにここに存在していた。


「お前達、ずっと見守っていてくれたのか?」


 ジュルジュル… チッチチッチ…

 青葉はジュンとチャンを抱きしめた。


「太田さん、サンキュー!おかげでコア・コンピに目覚めることが出来たみたいだ」


 青葉は、コア・コンピ"こどもの国"に目覚めた!


「次はかくれんぼしようよー。むにゃむにゃ」


 都筑はまだ眠っていた。


 太田の怪我もあり、一旦戦闘訓練は中断する事になった。寝ている都筑を起こし、治療中の太田を待つ5人。


「覚醒の瞬間に立ち会えるとは、まさか思ってなかったわい」


「あの、その鳥触ってもいいですか?」


 伊勢崎は戦闘モードが解除され、さっきまでのオラオラ系から、元の明るい伊勢崎に戻っていた。


「ああ、ジュンとチャンだ。可愛がってくれよ!」


 都筑は既にジュンに跨がって遊んでいる。伊勢崎も上手に乗れたようだ。


「なあじいちゃん、緑さん、私達の戦いどうだった?」


「正直言うて、2週間前とは比べもんにならん成長じゃ。一般的に、"煦"の位の者が10人で"志"の位の者1人と戦えると言われておるのじゃが、港北殿を加えたお主達4人なら、互角以上に戦えるじゃろう」


「ふふふ、そうねー、訓練たくさんしたもんね、息ぴったりだったわー」


 青葉は都筑を呼び寄せ、隣に座らせた。藤岡と緑の寸評を復唱し、お待たせしました、続きをお願いします、というように向き直った。


「ふぉふぉふぉ。お主たちが使った合体技は、連携技の上位技での、互いの魔力を完全に呼応させんと出来ぬ技じゃ。儂の知る限り、東京領以北には、出来る者はおらんのう。流石にあの威力はまずいと思って、止めに入ってしまったのじゃ」


「まあ、俺が本気を出せばあんな技、サクッとガードしちまうがな!」


 そこへ太田が戻ってきた。10分も経っていなかったが、きちんと治療されているようだ。頭には包帯が巻かれていた。


「太田さん、怪我は大丈夫ですか?」


「俺には焼きそばがあるからな、焼きそば食ったら何でも治るぜ?」


 そう言うと太田は人数分の焼きそばを出した。太い麺に濃い色のソースが絡んでいる。伊勢崎も、匂いに釣られてやって来た。


「回復効果も付与しといたからよ、食べな?絶品だぜ?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ