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夢の続き  作者: 新田 藻亀
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武者修行-群馬領-編.11

「魔力よ、早渕の飛沫(しぶき)のように、無数の弾丸となり貫いておくれ!」


 バババババ…


大石観桜(おおいしかんおう)…」


 緑は桜の花弁を散らし全て受け止めた。そしてそのまま花弁が都筑を襲った。

 都筑は池辺富士を巨大化させガードする。


高尾暮雪(たかおぼせつ)…」


 都筑は池辺富士ごと吹雪に見舞われ、巨大な雪だるまになった。


 青葉の3体の獅子舞が緑の左右と後方から襲う。


大林晩鐘(だいりんばんしょう)…」


 ゴーン…

 青葉は閉じ込められてしまった。


「はい、おしまーい」


 都筑と青葉は、緑相手に2対1の訓練を行っていた。港北が栃木領にいる為、マンツーマン訓練の時間を利用している。


「緑さーん、さぶいよー」


 緑は雪を解いた。鐘の中でも何か音がするので、鐘も解いた。


「ぷはーっ、真っ暗だしなんかだんだん息苦しくなってくる気がしたし、鐘の中はやばいぜ!」


 都筑と青葉はここ1週間で、かなりレベルが上がっただろう。でもまだ緑には余裕が見られる。とは言え、横浜や藤岡のように、攻撃をせずに受け続けられる程の力の差は無かった。


「2人とも本当に強くなったねー」


 連携強化訓練…


「246流奥義、東出静入!」

「早渕と鶴見の合流!」


 港北が居ない為、新技のブルーラインとグリーンラインのアタックは出来ない。


 夕食…


「おー!今日はキムトマ焼きうどんじゃん!」


「私これ好きー!」


「ふふふラスク美味しー」


 お風呂…


「だから青葉ちゃん、泳いじゃだめだよー!」


「誰もいないし大丈夫だろ?」


「やっぱり露天にはお酒ねー」


 都筑達は、港北が不在の間も訓練に勤しんだ。港北が居ないことで、都筑、青葉対緑という訓練が多く発生し、新たな連携技が誕生したりもした。


 この1週間、大きな事件等はなかったが、藤岡が薬指(くすりゆ)に入りに2回来た。ここに来る時は、何と1時間かけて徒歩で来るようだ。健康維持のためだそうだ。

 後は、港北から10回ほど魔話で連絡が入った。内容はほぼ他愛も無い事だ。荷物を置きっ放しにしてしまって困っていたので、魔送サービスを利用して送ってあげた。

 これはちょっとしたニュースだったのだが、何と式典に港北が出るようだ。出ると言っても中と鶴見の代理なのだが、褒章の授与が行われる予定みたいだ。


 そんなこんなしているうちに、訓練当日を迎えた。

 

---伊勢崎との訓練当日---

 

 この日、アイスとクリンの操縦は、都筑と青葉で行った。案の定暴走する場面もあったが、無事総合運動公園に辿り着いた。


 訓練施設に入ると、そこには藤岡と、太田もいた。そして、恐らく本日手合わせをしてくれると思われる、若い女性が立っていた。


「今日は宜しくお願い致します!」

「太田さんも来てくれたのか?」


「ああ、暇なんだよ。先週は流れたからな、俺の番まで体力残しておいてくれよな」


 太田は、実は先週誰よりも楽しみにしていたのだ。それが突然流れ、戦いの為に出張したがそこでも戦えず。フラストレーションが溜まってしまっていた。暇なんだ等と言っているが、バッチリ予定を空けておいたのだ。


「ふぉふぉふぉ、では早速紹介しよう。本日の2人の相手となる伊勢崎じゃ」


「本日は宜しくお願い致します!」


 明るい感じの女性だ。歳は都筑達と同じ位に見える。何とも鮮やかで綺麗な着物を着ている。群馬領は、藤岡をはじめ、桐生と伊勢崎と和装が多いようだ。


「都筑です、宜しくお願い致します!」

「青葉です、宜しくな!」


「では、今回なんじゃが、伊勢崎からの要望で、最初から真剣勝負でも良いか?」


「あの、私防御苦手なんです…。駄目?」


 伊勢崎は、遠距離専門のタイプで、懐に入られると良さが出せないのだ。藤岡としては、伊勢崎の為にも懐に入られた場合の訓練をして欲しいところなのだが、本人のたっての希望とあっては邪険にするわけにはいかない。


 都筑と青葉は、偶然にも緑との戦闘訓練を行っていたので快諾した。


「よし、では開始するが伊勢崎よ、刃は外して攻撃するのじゃよ」


「はい!2人とも、わがまま言ってごめんね!では尋常にいざ!」


 それぞれ戦闘用の武装をする。

 

 伊勢崎の着ている着物が光を放つ。光の中からは、…変わっていない。いや、見た目には変わっていないが、伊勢崎は確かに戦闘モードに入っている。


 都筑と青葉も準備は万端だ。


「では、はじめぃ!」


 藤岡の声と共に、様々な方向から2人を目掛けて何かが飛んでくる。

 2人はガードはせず、後方に飛び退いた。


「これは…帯?」


 そう、伊勢崎は反物を扱い、遠目から攻撃を仕掛けるタイプだ。本来であれば、反物の先には刃が付いている。


「はーっはっはっはっ、喰らうが良い。"無限銘仙"!」


 都筑と青葉は藤岡を想起し、この人も戦闘になったら変わるタイプなんだ。と思った。


 次から次へ、様々な角度で鮮やかな反物が飛んでくる。


「えっ、これ全部躱せな」


 ドーン…

 都筑は躱しきれず、手をクロスしてガードをしたが、大きく吹き飛ばされてしまった。

 青葉はまだ何とかギリギリで交わしているが…。


 バーン…

 青葉も同様にガードごと弾き飛ばされてしまった。


 更に無数の反物が2人を襲う。


「魔力よ、早渕の水量で、2人の前に壁を作りたまえ!」


 コポコポ…

 分厚い壁を発生させ、反物の威力を殺すことに成功した。


 青葉は心の中で都筑に感謝を述べつつ、無数の水球を作り、角度を変えて打ち込んだ。


「水を専売特許と思うなかれ、利根の力で相殺してくれよう!」


 群馬領には、利根の川のスキルを使える者が多いのだ。伊勢崎の宣言通り、全ての水球が相殺されてしまった。


「青葉ちゃん、あれ、やろう」


「オッケー!」


緑との訓練で編み出した、2人の新しい連携技が発動した。

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