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夢の続き  作者: 新田 藻亀
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武者修行-群馬領-編.7

 お呼びでない、とはまさにこの事だ。特危1体でさえ、領土間の極力無しに退けないというのに、それが同時に2体とは。しかも現れたのが、厄介な《探求の竜》だ。


 特危《探求の竜》

 名を持つ特別危険指定侵食者の1体。その特徴は、魔力量の多い者をさらっていく事だ。魔力量の多い者への執着は強いが、魔力量の少ない者には見向きもしない。さらわれた者は、24時間以内には全員命を落としている。

 鋭い牙と爪を持ち、大きな翼と長い尾を持っていて、口から衝撃波を出したり、肉弾戦を仕掛けてくる。



 《探求の竜》は、姿を現したと同時に、中に向かって突進してきた。即座に反応した中は、無数のレンガを放ち迎撃を試みるが、悉くを粉砕された。掌で受けているのが見えたため、レンガを一点集中から全体へ散らしてみるも、威力が落ちてしまい、全てを受けられてしまった。

 宇都宮も餃子爆弾での部分破壊や足止めを図るが、口から射出される衝撃波で対応され、そのスピードも衰える事なく、遂に中が射程圏内に捉えられてしまった。

 鋭い爪を持つ右手を薙ぐ。佐野が間に入り、石の塊でガードに入る。


ガンッ…


 石の塊ごと吹っ飛ばされてしまった。次の瞬間、鶴見が上空から二刀を突き刺そうと試みる。


パァン…


 口から射出された衝撃波を諸に受け、浮き上がる。


 中はレンガに足を生やし、身を後ろに大きく引き、左右から《探求の竜》よりも大きい特大のレンガを放出。見計らったように、宇都宮が足下に特大の餃子爆弾を設置。


ドーーーン…


 一瞬の静止。次の瞬間、中は爆煙から飛び出して来た《探求の竜》に、ガシッと囚われてしまった。

 《探求の竜》は、その勢いのまま、直ぐ側にいた宇都宮を黒いサークルのような物で捕らえ、吹き飛ばした佐野を左手に抱えた。上空を見上げ、落下途中の鶴見を口で咥えて飛び去っていった。


 《探求の竜》の突進からこの間、僅か10秒の出来事だった。連携もクソも無かった。《探求の竜》は前情報よりも強過ぎたのだ。



-対《暗魂(あんこん)》最前線-


 後方より特大の爆発音が響いた。総合指揮を任されていた日光は、佐野に魔話を飛ばす。…が応答が無い。戦闘中の場合は魔話が繋がらない事もまま有ることなのだが、3匹の猿を出現させ、念の為確認に向かわせた。

 尚、左後方には東村山、東久留米が。右後方には那須塩原と真岡がそれぞれ守備にあたっていたが、まさか《探求の竜》が現れているとは思っていなかったため、連絡はしなかった。



 前線の状況は拮抗していた。


 《暗魂(あんこん)》自体ももちろん強力なのだが、周囲に複数いる侵食者が厄介なのだ。

 最前線には、足利、鹿沼、高崎、前橋、の4名が当たり、一進一退が繰り返されている。

 左方より、熊谷と深谷が、右方より、小山と桐生がそれぞれ包囲し、徐々に中央へと寄せてきている。

 過去複数回の襲来時は、「《暗魂(あんこん)》の魔力が枯れるまで只管倒し続ける」事で、撃退に成功している。ただやはり求める所は討伐だ。


 斥候を送ってから凡そ30分後、3匹の猿が戻って来た。佐野達は《探求の竜》の襲来により姿が無いのだが、そこまでは分からなかったが、姿が見えない事は知ることとなった。


 日光は佐野達の行方も気になる所ではあったが、このままでは領内への侵入を許してしまう恐れがあるため、討伐の為の包囲を解く決断をした。

 左方の包囲をしていた深谷と熊谷を中央に呼び寄せ、右方の包囲をしていた小山と桐生を、最後方へと配置転換した。

 日光は、この時点で討伐は諦め、持久戦による撃退へとシフトチェンジしたのだった。



〜栃木領襲来戦の参加者~

【対《暗魂(あんこん)》栃木領襲来戦】


【総指揮】

日光

【防衛】

足利、小山、佐野、宇都宮、那須塩原、真岡


【応援】

高崎、前橋、桐生(以上群馬領より)

深谷、熊谷(以上埼玉領より)

東村山、東久留米(以上東京領より)

中、鶴見(以上神奈川領より)



---現在---


 太田に魔話で連絡が入った。追加の応援は思っていた通りで、太田と富岡に決まったそうだ。


「じゃあ早速出発だ。簡単な状況も聞いたから、向かいながら説明しよう」


「ありがとうございます、宜しくお願いします」


「こうさん、気を付けてね!」

「修行して待ってるからな、刮目させるぜ!」


 エールを送る都筑と青葉。とても心配なのだが、それを表情に出さぬよう目一杯の笑顔だ。


天王鶯林(てんのうおうりん)…」


 緑はスキルを使用した。


「心配なのはわかるけど、それに囚われて視野が狭くならないようにね。このスキルは乱れた心を癒やす効果もあるからー」


 緑は港北に抱きつき、耳元で何かを囁いた。


「お前達、ありがとうな。がっはっは、じゃあ行ってくる!」

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