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夢の続き  作者: 新田 藻亀
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武者修行-群馬領-編.6

 青葉はその日の夜、いつものように、こっそりとジュンとチュンに話し掛けた。


「今日さー、面白いやつにあったんだよ。そいつはさ、獅子を連れていて、一緒に戦うんだって。私もジュンとチュンと一緒に戦いたいぜ!」


 コア・コンピとは、永年樹より啓示を受けた際に、先天的に授かる物である。だが、それが何かまでは教えてくれない。

 それは、形のある物と無い物に分けられ、啓示前の趣味趣向、環境等が大きく関係されると考えられている。例えば、今ここにいる港北のコア・コンピは"スタジアム"なのだが、先代は"ラーメン屋台"と記録されている。更にそれ以前も様々だが、同じコア・コンピを持った港北も複数記録されている。

 同じ名を継ぐ者でも様々という訳だ。


 ちなみに青葉は"初代"である。先人達の記録は無い。全くの未知数だ。尚、青葉の他に、都筑や相模原領の緑と中央と南等も"初代"である。初代のコア・コンピは、理解、発現するまでに時間を要する傾向が見られる。数年、中には十数年というケースもある為、富岡との出会い、都筑の気付きは僥倖であった。



---太田との訓練の日---


 今日の訓練プログラムは基礎体力強化のみにとどめ、出発予定の11時までは自由時間とした。朝の9時過ぎ、朝食を済ませた面々が話している。


「あれから1週間、あっという間だったね!私達、ちょっとは強くなったよね!」

「そうだな!たった1週間だけど、上達したよな!」


「がっはっは。3日会わざれば刮目(かつもく)して見よ。と言う言葉があるが、藤岡さんにはどう目に映るかな」


「こうさんって難しい言葉も知ってるんですね!」

「どういう意味?」


「がっはっは。俺も浜さんに言われたから知ってるだけだ。3日あれば驚きの成長を見せるって感じだな」


「都筑、じいちゃんをあっと言わせてやろうぜ!」

「うん!」


「ふふふ、頑張ろー」


 いざ、総合運動公園へ。この日都筑と青葉は、アイスとクリンの操縦を習った。道中何度か暴走してしまったが、無事目的地へと到着する事が出来た。


-総合運動公園 訓練施設内ホール-


 ホールには、2人の人影があった。険しい表情で何かを話しているようだ。


「おう、よくぞ参った。待ちわびておったのじゃ。今しがた連絡がはいってのう、栃木領に現れた特危対応が大変な事になっているんじゃ。急遽応援の増員要請があったのじゃ」


「藤岡さん、詳しく聞かせてくれませんか?」


 栃木領には、中と鶴見が出張している。港北は、鶴見とは付き合いが長かった。それこそ都筑と青葉のような関係だったのだ。


「現時点でわかっておるのは、特危が2体現れ未だ1体は活動中という事、佐野氏が討ち死にした事、宇都宮氏が行方不明な事。この3点じゃ」


「討ち死に…」


 港北は言葉を一瞬詰まらせたが、すぐに決断した。


「緑、都筑と青葉を頼めるか?」

「気を付けてね、浜さんには私から伝えておく」


「すまんな緑。藤岡さん、俺も端に加えて貰えないでしょうか」


「死地に自ら向かうか…。事情があるんだろうが、大したタマだな。俺は太田だ。多分俺が行く事になる。宜しくな」


「太田さん、港北と言います。お願いします」


 都筑と青葉は、自分達も役に立ちたいと思った。それを察した緑は2人の肩に手を当て、無言で首を横に振った。



---およそ12時間前---


-栃木領外西方 制限地帯-


「やはりキリがないな。倒れても倒れても立ち上がってくる」


 宇都宮が爆弾でボンボンと範囲攻撃を続ける。


「私達に与えられた任務は、この4人で《暗魂(あんこん)》の侵食者共を領に近付けない事。これで良い」


 佐野は石の塊のような物で、ぶちぶち潰している。


 対特危《暗魂(あんこん)》最後方には、栃木領から佐野と宇都宮、応援として横浜領からの中と鶴見が鎮座していた。


「中には強い奴もいるけど、僕らが守るここは鉄壁だね!」


■固定砲台撃ち放題"中"■


 真っ赤なレンガはまさに要塞

 打つも守るも一意専心レンガ男


 中はレンガに特化した砲台タイプだ。巨大な赤いレンガの中に入り、その場を動かずにレンガを放って戦闘を行う。レンガには手や足を生やす事が出来、必要に応じて移動も出来る。新鋭18星の1人に数えられている。



「前線は大丈夫かしら」


■空中闊歩の二刀殺法"鶴見"■


 上からの景色は私だけのモノ

 おい、どこ覗いてんだよ?


 鶴見は2本の名刀"つばさ"と"ベイ"を扱うアタッカーだ。条件はあるが、空中を300m程魔力を消費せずに移動する事が出来る。



 特危《暗魂(あんこん)

 名を持つ特別危険指定侵食者の1体。その特徴は、無数の侵食者を操り、集団で襲ってくる事だ。厄介なのは、本体の周囲には強力な侵食者が何体も居て守っている事と、操っている全ての侵食者達は倒しても起き上がって来る事だ。



 どれくらい経っただろうか。まだ討伐或いは撃退には至っていないようだ。何度も何度も倒し、何度も何度も起き上がり、を幾度と無く繰り返していると、突然大きな変化が襲った。


「グルルルル…」


 新たな脅威が現れたのだ。


「こいつは、特危《探求の竜》だ!」

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