武者修行-群馬領-編.5
※桐生と伊勢崎を間違えていた為修正しました。
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翌日、早速修行は開始された。修行は、宿より程近い森の中の開けた場所を使わせてもらえる事になった。
●修行プログラム●
7:00 起床
7:30 基礎体力強化、ウォームアップ
8:30 朝食
9:00 魔力変化、操作、(応用)、休憩1有り
12:00 昼食
13:00 マンツーマンレッスン、休憩有り
16:00 連携強化
17:00 基礎体力強化、クールダウン
18:00 夕食
基礎体力の強化。藤岡との訓練を終えた時、2人は疲れ果てていたのに対し、藤岡は何とも涼しげだった。攻撃を仕掛ける側と受ける側で、動いている量の違いはあったのだが、2人は課題として挙げた。
ランニングから始まり、腕立て伏せ、腹筋等の筋力増強に勤しむ。
魔力は便利な物で、様々な応用が可能だ。その身に纏えば堅牢な鎧となり、拳を覆いふるえば、鉄球の如き衝撃となる。だが、拳を巨大化させたり、体力をアップさせるような、肉体自体に影響を与える事は出来ないのだ。
朝食を済ませた後は、2人にとって苦痛の時間が始まる。
魔力の変化と操作。港北曰く、「より集中力の必要な訓練や座学は、午前中にすべし」。との事だったので、詰め込んだのだ。
藤岡との戦いで活躍した水のスキルだが、変化させるのに時間が掛かってしまったり、変化自体が不十分だったりと、練度の低さが目立ってしまった。
水のスキルを実戦投入するのであれば、底上げは必須だった。昨晩、「強みを伸ばす為にコンピの応用がしたい」派の都筑と、「強みを伸ばすのは賛成だが、その方法に具体性を欠くのであれば、戦闘に厚みが出る実績のある、水のスキルの底上げをすべき」派の青葉が言い争う場面があり、都筑が負けたのだ。
魔力の変化。基本的には全てはここから始まる。最初に港北による「魔力変化の仕組」の簡単な座学(学園講義のおさらい)があり、その後、速さと正確さの反復練習をひたすら行った。
昼食後は、港北と都筑、緑と青葉の二組に分かれマンツーマンのレッスンが行われた。攻撃動作の向上に加え、防御動作の向上や、染みついた悪い癖の修正もここで行った。
小休憩を挟んだ後は、連携の強化だ。都筑と青葉はもちろんなのだが、これには港北と緑も参加した"3人連携"と"4人連携"も含めた物にした。新しい事には取り組まず、今ある連携の強化にとどめた。
夕食後は自由時間だ。オーバーワークにならなければ修行をしても良し、とした。
「あいつら…」
都筑と青葉は魔力変化の強化に取り組んでいた。
「いつか追い抜かれそうー」
「がっはっは。そうだな、あいつらならきっと」
-4日後-
修行プログラムをこなして5日目。この日はちょっとした出来事があった。
夕方5時頃。
「港北様〜」
宿の主人の八塩が修行場所に現れた。傍らには犬を連れた小さな女の子も一緒だ。港北は修行を中断し、3人に休憩を与え、八塩の下に向かった。少し話した後、八塩と一緒に来た女の子を伴い戻って来た。
「皆、紹介しよう。この子は富岡ちゃんだ。」
「私富岡、こっちは獅子のクリス、よろしくな!」
身長は148cmの緑と同じくらいで、幼さの残るその体貌からみて、年齢は都筑達と同じくらいであろう。ちなみに他の皆は、都筑の身長は152cmと小さく、青葉は163cm、港北が182cmとなっている。
また、遠目には犬に見えたが、連れていたのは小型犬サイズではあるものの、立派なたてがみを持つ小さな獅子だった。青葉は共通点のある富岡に親近感を覚えたのであった。
「私都筑!富岡ちゃん宜しくね!」
「私は青葉だ、よろしくな!」
「緑ですー、よろしくー」
「どうやら藤岡さんが相手として依頼してくれた1人みたいだぞ。手が空いたみたいでな、近くまで来ていたから寄ってくれたそうだ。ありがとうな!」
「ハハッ、気にするな!藤岡から話を聞いてからというもの、早く会いたくてな!」
今日の修行は少し早めに切り上げ、宿で軽めの宴会をしようという事になった。
その道中での事。青葉はクリスの事が気になっていた。触っていいかとお願いし、許可を得た青葉はクリスとじゃれ合った。
宿に付き、サッと汗を流した後、軽めの宴会が開催された。
「なあ、明後日はトミーが来てくれるのか?」
富岡はトミーになった。
「ハハッ、明後日は太田だ。で次が伊勢崎で、私は最後だ!」
「そうか最後かー、しばらく会えなくなるのは寂しいぜ」
「トミーちゃん、時間がある時一緒に特訓しようよ!」
3人はすっかり打ち解けたようだ。
「ハハッ、そうだな!そんな遠くないしな!時間を作って連絡する!」
午後9時、宴会はお開きとなり、富岡はクリスをサイズアップし、それに跨がって帰っていった。
「いいなー、私もクリスみたいなの欲しいぜ!」
「獅子舞をいつも出しておけば?」
「あいつらは、凛々しいって感じだからなー、可愛いやつがいいぜー」
「そっかー、じゃあジュンとチュンは?」
ジュンとチュンとは、青葉が持ってきた二羽の大きな鳥のぬいぐるみの事であった。青葉はこの武者修行の旅に、体の3倍はあろうかという大きさのリュックサックを持ってきたのだが、その半分はそのぬいぐるみが占めていた。
幼い頃からずっと一緒だったみたいだ。
「なるほどな、都筑サンキュー!まじで取り組んでみる」
青葉はコア・コンピに目覚めようとしていた。




