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夢の続き  作者: 新田 藻亀
16/38

武者修行-群馬領-編.5

※桐生と伊勢崎を間違えていた為修正しました。

--------------|


 翌日、早速修行は開始された。修行は、宿より程近い森の中の開けた場所を使わせてもらえる事になった。


●修行プログラム●

7:00 起床

7:30 基礎体力強化、ウォームアップ

8:30 朝食

9:00 魔力変化、操作、(応用)、休憩1有り

12:00 昼食

13:00 マンツーマンレッスン、休憩有り

16:00 連携強化

17:00 基礎体力強化、クールダウン

18:00 夕食


 基礎体力の強化。藤岡との訓練を終えた時、2人は疲れ果てていたのに対し、藤岡は何とも涼しげだった。攻撃を仕掛ける側と受ける側で、動いている量の違いはあったのだが、2人は課題として挙げた。

 ランニングから始まり、腕立て伏せ、腹筋等の筋力増強に勤しむ。


 魔力は便利な物で、様々な応用が可能だ。その身に纏えば堅牢な鎧となり、拳を覆いふるえば、鉄球の如き衝撃となる。だが、拳を巨大化させたり、体力をアップさせるような、肉体自体に影響を与える事は出来ないのだ。


 朝食を済ませた後は、2人にとって苦痛の時間が始まる。


 魔力の変化と操作。港北曰く、「より集中力の必要な訓練や座学は、午前中にすべし」。との事だったので、詰め込んだのだ。

 藤岡との戦いで活躍した水のスキルだが、変化させるのに時間が掛かってしまったり、変化自体が不十分だったりと、練度の低さが目立ってしまった。

 水のスキルを実戦投入するのであれば、底上げは必須だった。昨晩、「強みを伸ばす為にコンピの応用がしたい」派の都筑と、「強みを伸ばすのは賛成だが、その方法に具体性を欠くのであれば、戦闘に厚みが出る実績のある、水のスキルの底上げをすべき」派の青葉が言い争う場面があり、都筑が負けたのだ。


 魔力の変化。基本的には全てはここから始まる。最初に港北による「魔力変化の仕組」の簡単な座学(学園講義のおさらい)があり、その後、速さと正確さの反復練習をひたすら行った。


 昼食後は、港北と都筑、緑と青葉の二組に分かれマンツーマンのレッスンが行われた。攻撃動作の向上に加え、防御動作の向上や、染みついた悪い癖の修正もここで行った。


 小休憩を挟んだ後は、連携の強化だ。都筑と青葉はもちろんなのだが、これには港北と緑も参加した"3人連携"と"4人連携"も含めた物にした。新しい事には取り組まず、今ある連携の強化にとどめた。


 夕食後は自由時間だ。オーバーワークにならなければ修行をしても良し、とした。


「あいつら…」


 都筑と青葉は魔力変化の強化に取り組んでいた。


「いつか追い抜かれそうー」


「がっはっは。そうだな、あいつらならきっと」


-4日後-


 修行プログラムをこなして5日目。この日はちょっとした出来事があった。


 夕方5時頃。


「港北様〜」


 宿の主人の八塩が修行場所に現れた。傍らには犬を連れた小さな女の子も一緒だ。港北は修行を中断し、3人に休憩を与え、八塩の下に向かった。少し話した後、八塩と一緒に来た女の子を伴い戻って来た。


「皆、紹介しよう。この子は富岡ちゃんだ。」


「私富岡、こっちは獅子のクリス、よろしくな!」


 身長は148cmの緑と同じくらいで、幼さの残るその体貌からみて、年齢は都筑達と同じくらいであろう。ちなみに他の皆は、都筑の身長は152cmと小さく、青葉は163cm、港北が182cmとなっている。


 また、遠目には犬に見えたが、連れていたのは小型犬サイズではあるものの、立派なたてがみを持つ小さな獅子だった。青葉は共通点のある富岡に親近感を覚えたのであった。


「私都筑!富岡ちゃん宜しくね!」

「私は青葉だ、よろしくな!」

「緑ですー、よろしくー」


「どうやら藤岡さんが相手として依頼してくれた1人みたいだぞ。手が空いたみたいでな、近くまで来ていたから寄ってくれたそうだ。ありがとうな!」


「ハハッ、気にするな!藤岡から話を聞いてからというもの、早く会いたくてな!」


 今日の修行は少し早めに切り上げ、宿で軽めの宴会をしようという事になった。

 その道中での事。青葉はクリスの事が気になっていた。触っていいかとお願いし、許可を得た青葉はクリスとじゃれ合った。


 宿に付き、サッと汗を流した後、軽めの宴会が開催された。


「なあ、明後日はトミーが来てくれるのか?」


 富岡はトミーになった。


「ハハッ、明後日は太田だ。で次が伊勢崎で、私は最後だ!」


「そうか最後かー、しばらく会えなくなるのは寂しいぜ」

「トミーちゃん、時間がある時一緒に特訓しようよ!」


 3人はすっかり打ち解けたようだ。


「ハハッ、そうだな!そんな遠くないしな!時間を作って連絡する!」


 午後9時、宴会はお開きとなり、富岡はクリスをサイズアップし、それに跨がって帰っていった。


「いいなー、私もクリスみたいなの欲しいぜ!」

「獅子舞をいつも出しておけば?」


「あいつらは、凛々しいって感じだからなー、可愛いやつがいいぜー」

「そっかー、じゃあジュンとチュンは?」


 ジュンとチュンとは、青葉が持ってきた二羽の大きな鳥のぬいぐるみの事であった。青葉はこの武者修行の旅に、体の3倍はあろうかという大きさのリュックサックを持ってきたのだが、その半分はそのぬいぐるみが占めていた。

 幼い頃からずっと一緒だったみたいだ。


「なるほどな、都筑サンキュー!まじで取り組んでみる」


 青葉はコア・コンピに目覚めようとしていた。

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