武者修行-群馬領-編.4
「なあじいちゃん。結局どうやって私達の攻撃を弾いていたんだ?」
「ふぉふぉふぉ、なんじゃと思った?都筑から先に聞こうかのう」
藤岡は、その身に直接受けていない都筑から最初に確認した。
「えっと…、最初はその筋肉に弾かれているんだと思いました!でも、その考えは変わって、爆弾で弾いていたんだと思います!」
都筑は何故か右手を垂直にピシッと上げて答えた。
「ふぉふぉふぉ、さて青葉よ、お主の分析も聞きたいのう」
「そうだなー、熱くてちょっと痛かったんだよね。都筑と似てるんだけど、火薬だけを爆発させてたみたいな?受けた時の感触的にはそんな感じなんだけど、あってる?」
藤岡は都筑と青葉の前に、子どもの小指程度の細長い筒状の物を出現させた。
「正解はこれじゃ。2人の解答はほぼ当たりじゃ!」
「これ爆弾?」
「ちっさ!」
「これは儂のコンピの"爆竹"という物じゃ。中に火薬が詰まっていて、爆発すると大きな音と衝撃を発生させるのじゃ」
「小さいのにそんなパワーが隠されているなんて」
「ふぉふぉふぉ、都筑のあの槍、あれはお主のコンピじゃな?」
「そうです!」
「…と言う事は?わかるかのう」
都筑は目を瞑り、顎に手を当て考えているが答えが出ない。青葉は閃いた表情を見せた。どうやら青葉は気付いたようだ。
「青葉よ、都筑にヒントを1つ与えてやっては如何じゃ?」
「お前の三つ富士の攻撃バリエーションがヒントだ!」
(バリエーション?持って攻撃、空中で操って攻撃、投げて攻撃、重くして攻撃、大きくして攻撃…大きくして?)
都筑の目と口が一斉に開く。
「大きさを変えられるんだ!」
「その通りじゃよ。青葉よ、ヒントをありがとう。では今日のところはこの辺にするかのう」
「「ありがとうございました!」」
「藤岡さん、今日は遅くまでありがとうございました。あの子達はとても勉強になったと思います」
「ありがとうございましたー」
「ふぉふぉふぉ、群馬領の滞在期間はどのくらいなんじゃ?」
「実はまだハッキリとは決めていなくて、しばらくはお世話になりたいなと思っています」
「そうかそうか、それは良かった。実は向こう1ヶ月分の訓練相手を既に手配してしまったのでのう。1週間ごとにここに来て欲しいのじゃ。問題ないかのう」
「とてもありがたいです。何から何までありがとうございます」
「ふぉふぉふぉ、すべき事をしているだけじゃよ。あの子達の成長が楽しみじゃて。ではさらばじゃ」
藤岡は、繭に腰掛け去っていった。都筑と青葉は…。余程疲れていたのであろう、2人とも気を失ったように寝ていた。
港北はアイスとクリンを呼び出し、都筑と青葉を背中に乗せた。役所に馬車を取りに行き、宿に着いた時には午後6時を回っていた。
宿は、幸い昨日と同じ八塩の宿が取れたので、夕食は部屋食にしてもらったり等、色々と融通を効かせてもらえる事が出来た。
午後7時過ぎ、今日の反省と明日以降の事について、打ち合わせが行われた。
「2人とも、今日は本当にお疲れ様!」
「お疲れ様ー」
「「お疲れ様でした!」」
「さて、夕食が来るまでにおさらいと明日以降の予定を立てたいと思う。先ずは…、藤岡さんどうだった?」
「爆竹が鉄壁でした!でも青葉ちゃんが2回も攻撃当てたので、すごいと思いました!私は色々と試したんだけど、結局1回も当てられなかった…」
「そうだなー、速度ダウンのデバフが厄介だったな。聞きそびれたんだけど、多分糸が体に巻き付いていたんだと思うんだよなー、でも見えないからどうしようもなくてさー」
「がっはっは。的を射ているじゃないか!傍から見ていて俺が思ったのは、都筑と爆竹、青葉と糸。それぞれの相性の悪さだ。だが手立てはあるとも思っている。次の対戦までの課題だな!」
港北は敢えて解答は出さず、2人に考えさせようとした。
「じゃあ次だ。藤岡さんからの指摘内容憶えているか?」
「「はい!」」
「都筑、良かったを教えてくれ」
「はい!強みを理解している事と、信頼関係と連携攻撃です!」
「青葉、改善点は?」
「練度に差がある事と、単調な攻撃な事?です!」
「では、1ヶ月後の藤岡さんとの訓練に向けて、明日以降何をするかだが、自由に意見を出していってみるか。緑、悪いが全て書き留めておいてくれ」
「了解ー」
都筑と青葉は思いつくがままに、どんどん意見を出し合った。途中、夕飯が運び込まれ、食事兼休憩を挟み、最終的に出た意見。その数は30を超えた。さすがに出尽くし、2人の口が止まったところで港北が口を開く。
「よし、ここまでにするか。出尽くしたようだしな。ではこの意見を整理していこう」
都筑と青葉は、時に港北に誘導されながらも、自分達で明日以降の修行内容を決める事が出来た。
港北は、基本的には自主性を重んじ、あさっての方向に行きそうな時等、必要と感じた時のみ口を出した。
「2人ともお疲れさん!」




