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同居人は不可視さん

作者: 譚織 蚕
掲載日:2021/08/30

「はぁ、たっだいまーーー!!!」


大きな声で帰宅の挨拶。


が、


「おかえりー」


の声が帰ってくることはない。

理由は単純。あいむあろーん。独り暮らしだからだ。


だから今日も虚空へ向かってただいま。

声は真っ暗な家の奥に沈んでい


「おかえり! 待ってた待ってた!」


かなかったっっ!?!?


「え、ちょっ、ひゃっ、ひゃあああああ!!」


ヤバい。なんかいる。知らない声がする。


「あひっ……」


あっ、逃げれない。腰抜けた。


「でんでんでんききき!」

「ごめんね、今行くよー!」


手元に落ちてたリモコンで部屋の電気をつけた。


と同時に

ドタドタという音が近づいてくる。

近づいてくる

近づ

近


?


パッと電気がつく。

足音は私の真ん前までやってきていて……


私の目には、何も映らなかった。


「ははっ、待ってたよユウカちゃん!」

「うっそ? え? なん、で……?」


聞こえる。声が聞こえる。目の前から聞こえる。ユウカって誰よ。ユウカって誰よ。


「見えないのに…… 聞こえる!?」


意味がわからん。ヤバい、精神的にヤバい。

あー、目の前が真っ暗になr……


―――――――――


「うん? こいつユウカちゃんじゃないじゃん。え、なんでなんで泥棒?」


俺は外に出て表札を確認する。そこには202の文字。


「ユウカちゃんちは…… 202ね。ここは…… 202ね。うん、大丈夫。こいつ泥棒だっ!」

「なっわけあるかーーい!!」

「あっ、ユウカちゃんどうしたの?」

「そこ隣だよ隣!」

「いや、表札……」

「ドアの右がそこの家の表札! ここ201!」

「えっ、あー!」


引っ越したばかりでミスってしまったらしい。泥棒(偽)さんには申し訳ねぇことをしてしまった。


「後でご挨拶ついでに蕎麦持って謝りにいっておいで。」

「はーいはいっと。」


談笑しながら俺らは隣の部屋に入る。


ここは俺とユウカのアワルーム、誰にも邪魔されねぇ俺らだけの聖域だ。


ユウカちゃんは透明な俺とも普通に接してくれる。いい娘だ。


そんな俺ら二人の日常はちょっとだけずれてて……

ちょっとだけ面白い。


これは普通の女性と不可視の俺との同居譚。

不思議な見えない世界の一端をお前らに見せてやろう。


「はぁ、ただいま私の不可視さん」

「あぁ、おかえりユウカちゃん。」


日常は回る。

逆転生×VRものの連載してます。

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