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ヘルトリガーズ  作者: じゅんくん
Part1 異世界トラベラー
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第十五話 覚醒!赤の日本刀!

 人里離れた田舎の町で人目のつかない暗い道を通って高道純はとある店に入った。決戦前にやらねばならないことがあるのだ。

 店の中には筋肉モリモリの親父がいた。おやじは作業を止めて純を見た。純が話す。


「親父、この刀を研ぎ直してくれ。ボロボロだ」


 親父は頷き無言で刀を手に取って、


「やっぱりここに来たか。噂は聞いている。何人殺ったんだ? 東京はお前が作った死体であふれてるって話だ。それにしても酷い刀だ」


「大勢斬ったからな」


「違う違う。元がダメだ。研いだってこんなんじゃ。どっからパクってきた? こんなイチモツ? へっ」


 純は軽く笑って、


「イチモツとは酷い冗談だ。なにせヤクザからぶんどったものだからな。それにしてもメイドインジャパンのはずなんだがー。親父からすりゃなにか問題ありか?」


「問題ありありだ! 息子よ! 青烏団を舐めきっておる! 馬鹿者!」


「なら親父、俺に一番良い刀をくれ」


 親父は首を横に振る。純は戸惑い、


「どうして?」


「息子に人殺しの道具をやる親がおるとでも?」


 いまさらかよと純は笑って、


「人殺しの技術を教えたのはアンタだ」


 親父はあきれて、


「悪い悪い……そうだったなあ。なら、理由を話そう。俺の刀じゃ斬れないからだ」


 純は尋ねる。


「誰を?」

「雷だ」


「雷?何を言っている。俺が斬るのは人だ。」


「お前が斬ろうとしてるのは雷だ。九州の刀……あれがないとヤツを倒せん」


「九州? 馬鹿なこと言いやがって。俺は帰るぞ。刀のことは他の奴に頼む」


 純が出ようとしたのを親父は止めて、


「せめてこれを持ってけ」


 そう言って綺麗に手入れされた刀を出した。


「なんだ?」


「一族代々受け継がれてきた刀だ。人間なら容易く斬れる」


「ありがとう。もらうよ」


「ただし!」


「雷を斬れるかはお前の腕しだいだ。そして、父から聞いたのだが、この刀謎が多くてな」


「謎?」


「一族にこの刀を持って戦で死んだ者がおったらしいが刀はこの家に帰ってきたそうだ。他にもGHQにこの刀は取り上げられた時も帰ってきたそうだ。父によるとこの刀には時を斬ることができるとか」


「必ず帰るという執念」


「そう。何があろうとその刀はここに帰ってくる。だからお前も必ず帰ってこい!」


「もちろんだ」


 そう言って純は新しい刀を腰に差し、外に出た。



 異世界の町で多くの人が噂話をしていた。


「将軍が来たそうだな」


「なぜ? まさかわざわざブラックマンバを潰すためか?」


「俺も最初そう思ったが将軍は国王軍まで連れてきたぜ。何かやるつもりだ」


「全くわからん。狙いはなんだ?」


「本当の狙いはワ・タ・シ……予定通り来たようね。あの将軍とやら」


「アンタいったい?」


「通りすがりの魔王よ」


 そう言ってデカイ図体に紳士服を纏った男は歩いて行った。そこにいた数人は戸惑って


「今の……冗談だよな。魔王って?」




 一方その頃加藤達は突然の襲撃に動揺した。


「ハナーーー! ハナーーー! お願い! 死なないで!」


 カオルが泣き叫ぶ。

 加藤はすぐに考え、


「次の発砲が来る! 物陰に隠れるぞ!」


 加藤は泣くカオルを無理矢理連れ、ミャンと共に物陰に隠れた。


「嫌だ。ハナ……」


 泣くカオルに加藤は無慈悲にも、


「残念だが。頭を撃たれた。即死だ」


 カオルの目から涙があふれる。


「嫌だ。そんなの」


 ミャンの息が荒いのに加藤は気付く。


「ミャン! 落ち着け!」


「う、うん。うん」


 ミャンは深呼吸する。


 加藤は2人をなだめて、


「2人とも。俺が言うことをよく聞いて……」


 言葉を遮ってカオルが、

「あ、あれ」


 と指をさした。2人は指の指す方を見る。

 ハナが……ブルブルっと解凍マグロのようにバタバタと動き始め、立ち上がった。


「な、立ち上がっただと。すごい。がんばれ!」


 加藤は喜ぶ。他2人も喜んだ。

 だがすぐ異変に気付く。


 ハナの左目が真っ赤になった。そして髪の毛が紫から赤。そして真っ白になった。牙、翼も生えた。


 それをスコープ越しに見ていたインダ・コイズミは喜んだ。笑っている。


「やはり、追い詰められたら現れたな。真の吸血鬼の姿!」


 周りの弟子達が尋ねる。


「真の吸血鬼とはいったい?」


「今いい所だ。ちょっと待っててください」


 ハナの手は怪物の手のようになり鋭い爪が生えた。そしてハナは刀を抜いた。インダは興奮して、


「あれだあれだ。来たぞ」


 日本刀を見て加藤も驚いた。なんと日本刀は真っ赤に染まっていたのだ! インダは弟子達に話す。


「かつてこことは別の世界にヨーロッパという地域がありましてね。そこでは吸血鬼という存在が恐れられていたんだ。吸血鬼は血を求め暴れに暴れ、人を殺しまくった! だが、人間達の数に負け、数を一気に減らしていった。そこで吸血鬼は人間との共存のため自分を偽った。例え人間を襲う時でも本性は出さなかった。そう。スネーククイーンのあの姿は吸血鬼の本来の姿! 本性だよ! 今まで隠してきた本性!」


「なぜそれを出させる必要が?」


「奴の刀だよ。ヨーロッパの吸血鬼が持つというヨーロッパに伝わる伝説の日本刀! あの刀の恐ろしさは核弾頭を上回る! あれさえ手に入れれば……」


 もうこんな世界に用はないという最後のセリフを言わずインダは話をやめた。信者達も納得したようだ。インダは後ろを向いて大男に話しかける。


「豪……スネーククイーンがここに飛んできたらあなたの一撃を放ちなさい」


「承知!」


 豪という巨大な大男は頷いた。筋肉がついていて身長は2メートルほどある。


 そして次の瞬間ハナはインダのいる方向を向いて消えた。加藤達はハナを見失った。だがすぐにハナが飛んでいったことに気付く。カオルが叫ぶ。


「ハナーーー!」


 ハナは無言で刀をしっかり握りすごい速さで飛んでいった。当然インダはそれに気付いて、


「豪、今だ! 放て!」


 インダの命令と同時に豪は右手をハナに向けて、


「キンニクパワービーム!」


 と迫真の声で叫ぶとビームが発射され、ハナに直撃して大爆発した。


 加藤達は唖然とする。


「やりましたな先生! 仕事がはやいでしょ?」


 インダはあきれた顔をして、


「豪……後ろ」


「えっ?」


 豪が振り返るとそこには恐ろしい形相をした吸血鬼がいた!


「ちょっとマッ! チョ!」


 豪は腕を振りかぶり攻撃しようとしたが一瞬で首を斬り落とされる!


「ああああああ……」


 信者達は慌てふためく。インダは笑う。


「インダアアアアアアアアアアアア!」


 ハナは叫んで凄い力でインダに突きをぶつけた! 衝撃波が建物を破壊し、周りにいた信者達は吹き飛んでみんな死んだ。ハナは完全に暴走している。加藤達は破壊された建物の方へ向かって走った。

 まだ猛攻は始まったばかり。ハナは手を止めずインダにまた一撃加え、吹き飛ばした。その時の衝撃は町の家々を巻き込んだ。ハナは口を開けてインダに超音波を与える! 加藤に与えたものとは威力が段違いだ! インダはかなり飛ばされてそれと一緒に建物も吹き飛ばされた。やがて民間人を巻き込んでハナはインダに攻撃を続ける。民間人は突然のことに驚いて逃げ出した。

 逃げ惑う人々を目にしてそこにいた魔王が笑う。


「ほう。始まったわね。私も参戦しなきゃ」


 魔王はインダに猛攻を加えているハナに近いた。ハナは横たわりながら笑うインダを見ている。次の攻撃を繰り出そうとした時、


「スネーククイーン! これあげる」


 ハナは魔王の方を向く。魔王は両手からなんらかの力で鎖を出し、鎖はハナに向かって飛び出した。ハナは避けようとするも、あまりにも速い鎖に捕まってしまった。鎖はハナを強く締め付ける! ハナはもがき苦しむ。魔王は笑って、


「やっぱりあなた達魔族は鉄が弱点のようね。もっと苦しみなさい。そして、その刀をよこしなさい」


 魔王は力をさらに加えてインダに、


「インダ! さっさとこの吸血鬼を殺して刀を奪いなさい!」


 インダは立ち上がった。


 そして左手を伸ばし、ビュン! と勢いよく振ってハナにとどめを刺そうとする。ハナはもがいて、力で無理矢理右手に絡まった鎖を破壊してインダの攻撃を防ぎ、インダの腕を斬り落とし、すぐさまハナは地面に真っ赤に染まる刀を突き刺した!


 爆音とともに半径100メートル内にとてつもない衝撃波が起こった! 範囲内の建物は破壊され、当然インダと魔王も吹き飛ばされた!


 その衝撃波を見ていたミャンが加藤に、


「これってウッドさんが言ってた第三次世界大戦じゃない?」


 加藤は戸惑って、


「何を言ってるんだ。第三次世界大戦って言うのはだな……ん? 第三次世界大戦! それだ! ウッドの店に行こう!」


「うん!」


 ミャンが頷く。カオルは理解できてない様子で、


「何? 何の話?」


 3人はウッドの店があった所へ向かって走る。魔王は吹き飛ばされた後、自分の口から血が流れているのに気付き、笑った。


「不覚をとった。あれが真の吸血鬼! 面白い!」


 鎖から解放されたハナは魔王に向かって踏み込んだ! 魔王は右手を広げる。ビリビリと火花が散ると日本刀が出現した! 魔王は日本刀を握る!


「やっぱりこれで相手しないとね」


 ハナは間合いに入る。魔王は左手から鎖を伸ばす。ハナは体をひねってかわし、強力な一撃を振り落とし、魔王は刀でそれを受ける!


 双方の力が拮抗し、日本刀と真っ赤な日本刀から放たれた衝撃波はとてつもない轟音をあげる!

 魔王は空いている左手から再び鎖を出し、鎖はハナの腹を巻く。


「うっ!」


 ハナが大きく力を緩める。魔王はとっさに刀を弾いてハナの左胸を突き刺した!


「心臓の位置はここでいいかしら?」


 魔王は力を強める。だが心臓の場所はそこではなかった! ハナは刀を振り上げる。


「あら、ハズレ?」


 魔王はとっさに左手の鎖をちぎり、また左手の上に日本刀を生成して受け止める。魔王は次に右手の刀を胸から抜いてハナの脇腹に一撃入れる。ハナは後退する。

 額、胸、脇腹から血が出てる。だが一瞬で血を止め、刀を構える。


「吸血鬼族の生命力は流石ね。だけどもう終わり……あなたも本当のチーターにひれ伏すことになる」


 魔王が2本の刀を変わった構えで持ったと思えば、刀が変形して別の武器になった!


 ロケットランチャーだ! すぐにロケット弾が発射され、ハナはすぐにかわす。爆発が起こったかと思えば次はリボルバーだ! 銃弾をハナは必死に弾く。


「背中がガラ空きですよ。お嬢さん」


 ハナは背中を切られた! インダによる不意打ちだ。それと同時に魔王がショットガンを放ち、ハナは腹に弾を受ける。魔王は攻撃の手をやめずハナに近づき、ショットガンを巨大なハンマーに変形させてハナを叩きつけた! ハンマーの面積は広く、ハナの全身をとらえた。刀を握った右手だけがハンマーから出ていた。


 魔王は手を離して掃除を終えた主婦のようにして手を叩いた。魔王はハンマーに潰されたハナを見て、


「フッフッフ……抵抗したって無駄なのよ。私とインダは様々な世界のあらゆる技を知っている。知識が違うのよ。それと狡猾さも」


 インダも笑っている。


「インダ、刀を回収しなさい」


「分かりました。では早速」


 と言ってインダはハナの右手を掴む。


「クッソ! この女。手を離せ!」


「インダ! 指を切れば済む話でしょ?」


 その時、ハンマーをどかしてハナの左手が飛び出した! ハナの左手はインダの首を掴んで首の骨を一瞬で折った!


 ハナはインダを投げ捨てて立ち上がった。鬼の形相。息を荒げている。


「フッ。不死のインダにやらせてよかったわ。次はちゃんととどめを刺すからね。覚悟しなさい!」


 ハナは左手をブルブルと震えさせながら自らの牙を掴んだ。そしてパキッと折った!


 一瞬でハナの髪は紫に変わり、刀は元に戻った!

 ハナは倒れ、魔王は絶句した……


「な、な、なんてことを! クソ(アマ)!ぶっ殺してやるよ!」


 魔王がハナに向かって歩き出す。インダが立ち上がって魔王を止める。


「何? インダ?」


「俺は何度も斬られ、挙げ句の果てには首を折られました。」


「だから?」


 インダは魔王の目をじっと見つめ表情を変えた。


「俺にやらせてくれよ。兄弟!」


「勝手にしな」


 インダは笑みを浮かべて倒れているハナの前に立つ。インダはハナの頭を踏みつける。


「このまま頭を潰して脳みそをぶちまけてやる!」


 ハナは苦しむ。


「なになに。これは練習だ。ここからが本番だぜ!」



「そう。これが本番だ! インダ! これが死だ!」


 路地裏から加藤が現れた!

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