第九話 200メートルの決戦!
急げ! 急げ! 落ち着け!
加藤にとってスナイパーライフルでの早撃ち対決は初めてだ。
加藤は身を乗り出して銃を構え、スコープを覗き、相手を確認して撃つ! これらの作業が必要だ。
それに対し、相手はもう覗いている。相手が姿を表したのを確認したら撃てばいい……
圧倒的不利! だがここで勝たねばならない。加藤は胸を抑え呼吸を整える。苦しむウッドの声が聞こえる。それでも冷静さを保たねば勝てない。焦ってはいけない。加藤は覚悟を決め沈黙に紛れながら身を乗り出してライフルを構える!
いた! 敵だ!
ガドォオン!
銃弾が肉を貫き、血管が破れて出血する。
加藤は左肩を撃ち抜かれた。負けたのだ。
「クソがーーー!」
諦められない。銃を拾う!
「グアーーー!」
右膝を撃ち抜かれた!
「まだだ! 終わってない!」
しかし加藤は襟を掴まれ、ミャンに引っ張られた。
「離せ! 俺は奴を倒すんだ!」
ミャンは何も言わない。加藤を連れてハッチに入った。加藤は悔しさで狂いそうだった。
ハッチに入る直前、ミャンのウッドを見るその目は涙がこぼれていた。
「ヘッ。いい娘だな。カオルさんの娘が美人なんだから、ハナの子供もきっと……」
ウッドは目を閉じた。もう開くことはない。




