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ノーマルエンド。

 ノーマルエンドの主人公は三十才、サラリーマン。

 少しだけ不遇な生活を送っている、一般的な思考の持ち主。

 猟奇、残酷描写は少なめとはいえ、普通に人が死んでいますし、ゾンビ他モンスターが出ます。

 比較的ほのぼの回。



 どこにでもいるサラリーマン田中樹たなかいつき、三十才。

 妻どころか恋人もいない。

 しかも魔法使いにはなれない素人童貞。

 もし、あれだよな?

 本当に魔法使いになれるなら、守り切ったよ童貞を!

 決して渡しませんでしたよ、玄人な方にも。

 一回り以上年下ですよ! と目をそらしながら自己紹介をしてくれた、可愛くはないが巨乳だった泡国のお姫様が披露してくれたテクニックは、それはもうすばらしかったけれども。


 でな?

 いきなりなんで魔法使い云々を語り始めたかってーのはな?


 帰宅途中にある駅ビルへ、いつもの通り夕食用の弁当を買おうと思って入ったら、そこがダンジョンになってたからだよ!

 何を言ってるかわからないって?

 そんな鉄板の台詞、三十回は呪文のように言ったね。

 言ったけど、目の前の光景は変わんなかったんだよ!


 あー!

 今日も残業お疲れ様。

 閉店ぎりぎりに飛び込んだから、もしかしたら半額セールとかで、いつもより高級な弁当が買えるかな?

 とかって、ちょっとだけ浮かれてた俺の気持ちを返してほしいわ!


 ちなみに、なんでダンジョンってわかったかってーとな?

 入り口をくぐったら大きな案内掲示板が、どーんと設置されてて、そこに書いてあったんだよ。

 

『駅ビルダンジョンへようこそ!』


 ってな。


 ドッキリにしては、随分大がかりだなぁとか思ってさ。

 周囲を見回したらさ、あれだよ。

 普通に人、殺されてんの。

 ぱっと見の雰囲気は、戦後復興中の闇市、もしくは人がかろうじて生活できる程度の明るい廃墟って感じ。

 そんな中でな?

 人サイズのカマキリみたいな化け物にさ、人の首がすぱーんて飛ばされて、血がぷしゃーって噴き上がって……小便を漏らさなかった自分を褒めたね。


 まぁ、一応最近流行はやりの小説とか漫画とかゲームとか、オタクじゃない程度に嗜んでいたからさ。

 何となーくだけど、理解したんだよ。

 ダンジョンを攻略しないと、元の世界へ戻れないってな。


 一般的なダンジョン攻略なら、攻略しないぞ! なんつって、速攻撤退もできるけどさ。

 そうじゃない攻略……駅ビルだと思って入ったら、そこはダンジョンだったよ! ってな場合は、何かしらの条件を達成しないと、ダンジョンから出られないんだよな。

 ラノベの常識的に考えて。


「うーん。どうすっかなぁ……」


 物語世界でのダンジョン攻略なら、情報を入手して、装備を調えて、できれば仲間と一緒に、モンスターを倒しながら最下層へ向かって、ダンジョンを踏破すべく頑張っていこう! ってなると思う。


「仲間はなぁ……いろんな意味で無理だよなぁ」


 案内掲示板の前に、人は俺しかいない。

 周囲を見回しても、現在進行形で殺されている人間と、殺している化け物しかいなかった。

 殺されている真っ最中の人には申し訳ないが、助けに行こうとは思えなかったわ。

 もしかしたら、人間が化け物で、化け物が人間って、可能性もあるだろう?

 迷い込んだ異界いかいでは、よくあることだ。

 目に映るものが、全て真実の姿ってわけでもないのは世の常……。


 そもそも、案内掲示板の前でぼけーっと突っ立って、のんきに考え事をしている人間なんて、普通のダンジョンならいいターゲットじゃん?

 だけど、目の前を通ったバイコーンと思わしき鼻息の荒い生き物は、俺に見向きもしなかったからな。

 

 ここが駅ビルなら、本来の駅ビルと同じ扱いをした方がいいんじゃね? って考えたんだよ。

 さくさく殺されてる奴らを見てさ。

 こいつらは駅ビルダンジョンじゃなくて、物語に出てくるダンジョンを攻略しようとしたから、殺されてるんじゃないかって。

 駅ビルで普通に販売している商品を、ダンジョンで採取するみたいに勝手に持って行こうとしたり、化け物に見えるだけで、本当は駅ビルの販売員さんを殺そうとしたりしたから、殺されたんじゃないかな……ってよ。


「ってことで! 案内をお願いしたいんですが、大丈夫でしょうか?」


 俺の推測があってるかはわからない。

 ただこう。

 自分の常識から簡単に逸脱したくなかったんだよなぁ。

 見た目も行動も怖すぎる化け物とはいえ、自分に直接危害を加えたわけでもない生物を殺すのには、半端ない抵抗があったんだ。


 だから俺は、お願いをした。


 案内掲示板の傍に立っていた、案内係の名札をつけたゾンビに向かって。

 そう。

 最初からいたんだよね。

 静かに立ってた。

 デパートの受付嬢みたいな雰囲気で。


「あー」


 ゾンビは頷いた。

 スカートを穿いていたから女性だろう。

 ゾンビに性別があるのかどうかは知らないけど。

 頷いてくれたってことは、意思の疎通が可能なわけで。

 攻撃してこなかったってことは、反撃する必要がないというわけで。

 俺は相手がゾンビにもかかわらず、ちょっとだけ安堵する。


「夕食用の弁当を買いに来たんですよ。こんな時間なんで、いつもより高級な弁当が安価で買えるかなーなんて思いまして」


「あー!」


 わかります! みたいな感じで、先ほどよりも大きく頷かれる。

 販売員さんとしては失格かもしれないが、人としては好感が持てた。

 それは人じゃなくてゾンビでも同じだ。


「で、オススメの弁当屋さんを紹介していただければ……と」


「あー」


 こちらです! って感じで、掌が道を指し示す。

 指が一本腐れて落ちたが気にしない。

 落ちた指が、しゃくとりむしみたいにうごうごと蠢いて、ゾンビの体を這いずって上り、元通り指としてくっついたのも、じっくり観察してしまったが気にしない。

 観察する俺を、ゾンビも気にしないのが有り難かった。

 リアルで案内係をこんなに凝視したら、速攻で警備員を呼ばれるよな!

 セクハラだめ。

 パワハラだめ、絶対。


 案内係が案内してくれたのは、本来の駅ビル配置で考えれば和牛を使った弁当屋だったはず。

 いつもはすっげぇ美味そうだけど、むちゃくちゃ高いわ! って、横目でチラ見するだけの店だ。


「お、おうふ!」 


 しかもショーケースの中を覗き込めば、いつもと違った弁当が並んでいる。

 い、生きがいいですね? と震えながら言ってしまいそうになったといえば、理解してもらえるだろうか。

 きしゃー! きしゃー! と奇声を発している赤っぽい食材とか、ひたすらジャンプをしている緑っぽい食材とか、大いびきをかいて寝ている紫っぽい食材とか、暗黒物質ダークマターとしか表現しようもない何か、とか。

 それ、食べられるんですか?

 食べさせて、もらえるんですか?

 た、食べても死なないんですか?

 そんな食材が弁当箱に詰まっている。

 余談だが、弁当箱にはウインクされた。


「○△×□! ○○○△□×△?」


 販売員はラノベに出てくるオークによく似ていた。

 自分の肉とか切り売りしてませんよね? とは、命が惜しくて問えるはずもない。

 たぶん、いらっしゃい! 何にいたしましょう? と言っているのだと思う。

 全く知らない言語だったが、微妙に意思の疎通ができそうで怖い。


 しかし、販売員と意思の疎通が微妙にできた程度では、弁当を注文できない。

 どんな食材を使っていますか? と聞いたところで恐らく、理解できないからだ。


 こんなときには、ゾンビな案内係に頼むしかないと、振り返って『オススメを聞いてください!』と目で訴えてみた。


「あー」


「□□××、○△×。△□○……×××」


「あー?」


「○○○○。□、△×」


 案内係がショーケースの中に鎮座する、一番高級と思われる弁当を指さした。


わたくしを召し上がりますの? 私、お高いですわよ? 本日は……80%オフでございますけれど……」


 指さされた弁当がしゃべった。

 ゾンビより、オークより、弁当の言葉を理解できるという理不尽さに、暗黒微笑で答えたくなってしまったのは、ここだけの話だ。


「80%オフでいくらになりますかね?」


 俺は案内係に向かって財布を広げて見せた。

 こんなご時世に無防備すぎると責めるなかれ……。

 だって、当然のように値段は判別不可能な文字で書かれていたのだ。

 正しく支払いができずに問題が起きるよりは、余程マシだろう?

 案内係は千円札を一枚財布から抜き出した。

 販売員は二百円のおつりをくれた。

 定価四千円の弁当なんて、ふだんの自分だったら決して買わないだろう。


「米粒一つも残さず食べないと許しませんことよ……」


 これはシンプルな紙袋に入れられた弁当から、お呪いの言葉が届くので、勿論美味しくいただきますよーと、弁当に向かって囁いておく。


「あー」


「×△○△×!」


 ありがとうございました! 系の言葉だと判断して、販売員に軽く会釈したあとで、未だ先導を続ける案内係に続く。

 足が止まった場所は、香ばしいお茶の香りがするコーナーだった。

 ゾンビな案内係から、本当のゾンビにならきっとあるに違いない腐敗臭がないことに、しみじみ感謝してしまう。

 それだけ良いお茶の香りだったのだ。


「あー」


 日本茶屋さんと思しき店の販売員は、狐獣人だった。

 もっふもふだ。

 お茶に毛が混入したりしないのだろうか? 何て、当然の疑問も胸の中に仕舞っておく。

 狐のふさふさな尻尾は六本もあったのだ。

 九尾の狐とはいかなくとも、かなり階位の高い狐なんじゃないのかと推測しながら、試飲するように差し出された、小さなコップを受け取る。

 紫色をしたどろりとした液体が入っていた。

 飲めません! とは、言えない。

 言えるはずもない。

 冷や汗がばれませんように! と祈りつつ、一気に飲み干した。


「うまっ!」


 見た目の不気味さは、どうやら味に関係ないらしい。

 高級ほうじ茶の香ばしい喉越しだったのだ。


「これください!」


「まいど、ありぃい、がとう」


 おぉ、言葉が通じるタイプの相手だったようだ。

 いろいろと話をしたい気もするが、直感的な何かが、止めておけ! と囁くので止める。

 狐販売員は、徳利のような容器にたっぷりと紫色のどろっとしたお茶? を入れてくれた。


「半額せーるなので、ひゃくえんに、なりますぅ?」


「安いですね!」


 徳利には500ミリペットボトル以上に入っていそうだ。

 定価で考えても淹れ立ての高級ほうじ茶が二百円なら、買いだろう。

 無事に帰宅できたら、再訪してこの商品が本当はどんな商品なのか、確認してみたい。


「またのおこしぃを、おまちして、おりますん」


 深々と頭を下げた販売員の尻尾が、ばっさばっさと振られる。

 決してもふリストではないのだが、触らせてもらえるならば、何らかの代償を払ってもいい! と思うふさふさ具合だった。


「あー、あぁ?」


 案内係が掌で指し示す方向にはスイーツコーナー。

 いつもなら食後のデザートなんて、こじゃれたものは買わない。

 だが、いい感じに異世界情緒を楽しめている気がしてきた俺は、大きく頷いた。


「お願いします。夕食後に食べるものと、休日に食べられる日持ちするものを教えてもらえると、有り難いです」


「あぁ!」


 嬉しそうなゾンビの返事。

 萌えてない。

 大切なことなので、もう一度言う。

 萌えてない。


 着いたのはたぶん、洋菓子の店。

 ショーケースに並ぶケーキは、色が異様にカラフルなだけで……それこそが大問題の気もするが……弁当やお茶よりも、心持ちとっつきやすかった。

 何しろ、暴れないし、しゃべらないからな。


「あー」


 案内係が指し示した場所には真っ青のケーキ。

 何と、ロシア語表記だった!

 ロシア語とは判別できたけど、当然読めない。

 英語なら何とかなったんだけどな。

 店長がロシア人とかなんだろうか?

 ロシアっぽいケーキも焼き菓子も置いていない気がするが……。


「これはどんなケーキなんですか?」


 ロシア語で話をされたらどうしようかと思いつつも、販売員に聞いてみた。

 販売員は単眼の男性らしき異形。

 さっとメニュー表のようなものを出してくれ、指さしてくれた。

 今までにないパターンだ。

 そして、メニュー表は普通の日本語表記。

 やったね!


 メニュー表によると、真っ青のケーキはゴルゴンゾーラチーズをふんだんに使ったチーズケーキだった。

 甘くなく、お酒との相性も抜群のケーキで、男性にも人気があるらしい。

 食後にはちょっとボリュームがあるかな? と思いつつも、購入を決める。

 

 ショーケースの中とメニュー表を交互に見ながら、貝殻の形をしたマドレーヌ、ただし銀色にきらめいている焼き菓子と、マカロン三種類、ただし何故かスカイツリーの形をしている焼き菓子も買うことにした。


 販売員が小さな紙袋をふりふりっと振って見せた。

 小さなカードがぶら下がっており、おまけです。美味しく食べてね! とメッセージが書かれている。

 値引きされていなかった分、おまけが余計に嬉しく感じた。


 全て購入しても千円ジャスト。

 マカロンが本当にスカイツリーの形をしているのだとしたら、格安だろう。

 実は普通のマカロンだったとしても良心的な値段だ。

 おまけをこの場で開けてしまいたい衝動と戦いつつ、案内人の後ろに続く。


 怪しい物を怪しい者が売っている。

 あちらこちらで断末魔の叫びも聞こえた。


 案内されている最中に一度だけ、四肢欠損した女性が飛んできた。

 案内係のゾンビが、ひょいっと姫抱っこで抱き上げてくれたお蔭で、女性は俺にぶつからずに、壁に激突して呻いていた。

 四肢欠損した女性に対して、何の感情も抱けないのに驚けばいいのか。

 ゾンビな女性に対して、男が姫抱っこは恥ずかしいって! と羞恥に悶えたのに驚けばいいのか。

 どちらにも驚いておけばいいか、と頷いたところで、案内掲示板に戻ってきた。


「お蔭で美味しそうな夕食やデザートが購入できました。案内、ありがとうございました」


 しっかりと荷物を手にしながら、深々と頭を下げる。


「あー! あー」


 またのお越しをお待ちしております。


 そんな雰囲気が伝わってきたので、案内係が掌で指し示す方向へと、何の疑問も抱かずに足を進める。


 出口だ!


 そこだけは鬱蒼と緑生い茂る森の出入り口、といったいかにも森系ダンジョンらしい出口を抜けようとした、そのとき。


「ダンジョン攻略、おめでとうございました」


 と、声がした。

 振り返ると、曇ったようなガラス戸の向こう。

 案内係の名札をつけた可愛らしい女性が、微笑を浮かべて頭を下げる姿が一瞬だけ、見えた気がした。


「あぁ……攻略できたんだ」


 呆然と駅ビルを仰ぎ見る。

 綺麗に磨き込まれたガラスの向こうには、見慣れた光景。

 いつも通りの弁当・惣菜売り場。

 化け物も、殺される人も、怪しい食料も、ゾンビな案内人も、どこにも見当たらない。


 それでも夢見心地のまま帰宅する。

 施錠は忘れない。

 手早くスーツから部屋着に着替えて大きく伸びをした。

 手と顔を洗うと、条件反射でテレビを付ける。

 ニュース番組を聞き流しながら、弁当その他が入っている紙袋から中身を取り出した。


「おぉ! 普通に高級な和牛弁当だぜ!」


 いそいそと弁当が入った入れ物を手にしても、女性の声などしないし、ウインクもされない。

 ついていたおしぼりで再度手を拭いてから、蓋を開ける。

 すばらしく食欲がそそられる肉の匂いがした。


 肉メインの弁当にありがちな、飾りにしか見えない生野菜ではなく、しっかりと味のしみた煮物や、彩りも鮮やかな野菜がちりばめられたゼリー寄せなど、バランスよく野菜が入っている。

 小さいがサワラの西京焼きも、苺の果肉が入ったババロアまでも鎮座していた。

 控えめにいって、食べる前から美味しいのがわかる弁当だった。


「あー。ほうじ茶があったかい……しみるぅ……」


 陶器製の徳利に見えたほうじ茶入れは、極々一般的な500ミリのペットボトルだ。

 弁当より先に一口飲む。

 ほっとするのと同時に、食欲を促される香気の豊かなほうじ茶だった。

 どうやらお茶屋さんオリジナルのほうじ茶らしかった。

 

「これはリピるしかないよなぁ。安かったし」


 野菜から食べ始めると健康にいいのだと、頭の中で誰かが囁いたが、米粒が見えないほど隙間なく載っている肉を、御飯ごと箸で取って口に入れた。


「まじ、うめぇわ!」


 さすがは定価四千円の弁当。

 肉が焼きたてのようにやわらかくて驚いた。

 しかもどうやら、味付けは塩胡椒のみらしい。

 だが、それが堪らなく美味かった。


「これは、あれだよな! 俺の最初で最後のダンジョン攻略は、ハッピーエンドで終了したってことだよな!」


 この調子なら、食後のブルーチーズをたっぷり使ったチーズケーキも美味しいだろう。

誰だったかの結婚式の引き出物にもらった、ワインとともにいただこうと決める。

 焼き菓子は挫けたときの不可Kツアイテムとして取っておこう。

 今は食べないけれど、気になったので確認すれば、マカロンは一般的な形のマカロンで、貝形マドレーヌもきらめいてはいなかった。

 おまけの中身は、チョコレートマシュマロだった。


 以降は黙々と弁当を食べ、ほうじ茶を飲む、俺の耳に。


『残念ですが、今回はノーマルエンドでした』


 そんな言葉が届く。

 案内係の声に似ていた。 

  

「これでノーマルエンドだってんなら、ハッピーエンドも気になるけどなぁ……次回はなしの方向でお願いしたいね」


 三十年生きてきて、どちらかというと不遇寄りの人生だった。

 次は恐らくバッドエンドを迎えるだろう。

 今回で運を使い果たした気がする。


 俺の返答が案内係に届いたのかはわからない。

 ただ、微苦笑を浮かべる案内係の表情が、何となく脳裏に浮かぶ。


 ここぞというところできちんと運を使えた俺は、満足だった。

 ワインと一緒に食したブルーチーズケーキは大変美味しく、大満足だった。



 次の日は寝坊して遅刻ギリギリでの出社になったが、微妙に使った運の修正ができたような気がして、デスクの上で人に見られないようにこっそりと苦笑してしまった。




 

 次回は、ハッピーエンド。になります。


 お読み頂いてありがとうございました。

 次回も引き続き宜しくお願いいたします。 

 

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