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救出作戦


 あいのの運転するバイクの後ろで私は、未だに迷っていた。


 5年を軍の言う通りに過ごし、そこから、はみ出さないように生きて来た。

 その生活から抜け出して、新しい体験した事の無い暮らしが、自分に出来るのか。

 不安に押し潰されそうになっていた。


 


 「そろそろ 北地区に 着くわ」


 バイクはスピードを緩め、アル建物の前に止まった。

 

 そこは、母が護送された時に映っていた軍の施設だった。


 

 「情報提供者が 正しければ この施設は 囮のはず」


 「それじゃ 何で ここで 止まったの?」


 「わたし達のグループが この施設を 襲撃する

 その隙に わたしとあんたで 本当の施設に 潜入するよ!

 ただ カメラには わたしとあんたが 映って無いと 怪しまれるでしょ

 だから 最初 グループと一緒に カメラに映って 近くのカメラ壊してから 本命の施設に 潜入する作戦よ!

 ほら メンバーが 来た」


 覆面を被った十人以上の黒ずくめの集団が、どこから集まって来る。



 あいが先頭で、施設に乗り込み、私は警備の兵士を超能力を使って無力化して行く。


 入り口から地下へ向かう階段の前のカメラにわざと映って、あいが、


 「ここから 手分けして 行動するわ!」


 1階と外にあるカメラを全て壊すと、私とあいは別の本命の施設に向かった。







 「ここよ ここに母さん 捕まっているわ」


 そこは、さっきの軍の施設からあまり離れていない、何も無い広場だった。


 あいが無線で、メッセージを送ると、北地区全体の明かりが消えて、広場の横にある壁に、入り口が出て来た。


 「アイが北地区の電力 全て止めたわ 

 ここから 本番!

 アイが開けてくれた あの入り口から 侵入するわ!」



 私はあいの後に続き、その入り口に入る。

 

 中は、地下へ続くエレベーターになっていて、私達が乗り込むと、あいがメッセージを送り、エレベーターが動き出した。




 かなり地下深くでエレベーターが止まると、あいは腰に着けていた銃を構える。


 「ここから アイが ナビしてくれる 

 わたしから 離れないように 付いて来なさいよ

 人が入ると自動で 攻撃してくる 自立型ドローン 出る部屋や通路 あるから 勝手な行動 しないでね!」


 私は無言で頷くと、気を引き締める。





 迷路のような通路を進み、ある部屋の前であいが止まる。


 「この部屋 警備兵 いるから あんたが 無力化 為なさい!」


 私が頷くと、あいが扉を開く、中には3人の兵士がいて、私は超能力で意識を奪う。

 あいが私に、親指を立てて、中に入り、壁の端末を触ると横の扉が開く。


 「ここから 外部から 独立した 区間 

 アイのサポート ここまでだから 

 情報も ここまでしか無いから いつでも 敵 現れてもいいように 警戒して!」


 あいは、兵士の首から下げているカードキーを奪うと、通路を早足で進み、部屋を次々開けて、中を確かめて行く。

 

 中は個室の牢屋になっていたが、誰もいない。


 その階の部屋を全て調べ、階段で次の階に向かう。


 次の階の部屋も全て調べて、更に下の階に続く階段を下りると、そこは広い空間だった。


  

 「何で、あなたまで来てしまったの!」

 

 つぶやき声がして、3人の人物が現れた。


 「エージェントA0? 何で ここに?」

 

 1人は私の監督官であるエージェントA0だった。


 「それはね、彼女がわたし達を裏切って、情報をテロリスト達に流していた、犯人だからよ!」

 私達が降りて来た階段から声がする。


 私とあいは、後ろを振り返りそこに現れた人物に驚く。


 「母さん!」


 あいが叫ぶが、それを無視して母は笑顔で私に話し掛けた。


 「愛。久しぶりね。お母さんよ。わたしは年を取たから、分かるかしら?」


 確かに年を取っているが、面影はある。


 「何で 母さんが?」

 

 あいは助けに来たはずの母が、後ろから現れ、情報提供者のエージェントA0を犯人と呼んだ事に疑問を感じた。


 「それはね、わたしがこの都市の代表の1人だからよ。」


 「……………」


 あいは、その驚愕の事実に何も言えなくなっていた。

 

 

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