表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/16

私とわたしの再会


 「あい?」


 「ああ あんたか 軍の犬の 愛」


 あいは私を貶んだ目で見てくる。


 「あれから どーしてたの? 何で テロリストになんかになったの? 何で?」


 「テロリストになんかか フフ そうゆう あんたは 軍の犬 な ん か になって!」


 「軍の犬 てゆーけど 他にどーやって 生きていくの? 一生施設で監視されて 生きていけば いーの!」


 「フン あの日 アイに 一緒に逃げよって ゆわれたのに 逃げなかったのは あんた自身でしょ!」


 「でも   あの時は   急に逃げよって ゆわれたんだよ 2人 みたいに 計画 知ってたって訳じゃないんだよ!

 エージェント42も 他にもいっぱい人殺して!」


 「アレは あんたが 一緒に来なかったからだから! あんたが一緒に来たらエージェント42も 他の犠牲者も 死ななかったから!」


 「何で? 私が一緒だと 人が 死ななかったの?」


 「あんたの ち か ら だよ! その力があれば 邪魔する人がいても 無力化出来たでしょ!」


 「そんな事 説明されなきゃ 分かんないよ! 

 2人は一緒に 計画してたから 私にも 最初から計画話してくれてれば 協力出来たり 一緒に逃げたり 出来たよ!」


 「一緒に計画? フフ 一緒に計画なんて立ててないから お互い 1人で計画して お互い相手を利用しただけだから!

 あんたみたいに あんな施設に いつまでも 居たいなんて 思ってなかった 

 だからわたし達は自分で 計画しただけ

 わたしは あんたを連れて行くか 行かないか どっちでもよかった 

 アイがあんたと一緒に逃げたら 犠牲者を出さなくてすむ そうゆって あんたを誘っただけ

 わたしは犠牲者が出ても 出なくても どっちでもよかった  わたしの大切な人さえ 救えれば」


 「大切な人? その犠牲者だって 誰かの 大切な人とか 思わなかったの!」


 「思わなかった! わたしの大切な人は 1人だけだから!」


 「1人? アイの事? 

 そうだ アイは もう1人のアイは どーしてるの?」


 「さあ  多分 他の組織にでも いるんじゃないの?

 あの日から 会ってないから 知らない」


 「でも 大切な人でしょ?

心配とかしない?」


 「アイが? フフ 別にアイは大切な人じゃないけど」


 「それじゃ 大切な人って 誰?」


 「母さんだよ! わたしの母さん! 

 あんたが目を覚ましたセイで 捕まった! わたしの母さん!」


 「母さん? 私達のお母さん?

 大切な人って 私達のお母さんの事?」


 「私達のなんて! ゆわないで! わたしの母さんだよ!

 あんたが目を覚まさなきゃ 2人で 幸せだった! 

 みんな あんな所で かわいそうとか 不幸だとか ゆうけど 

 わたしは  わたし達は 幸せだった!

 わたしは母さんと2人が 幸せだった!」


 あいの叫びに、私とコロニーの巡回に来ていた他のエージェントが、こっちに向かって来る。


 「フン 命びろいしたね!

 無駄話しで あんた達を 殺し損ねたよ!」


 あいはそう言うと、建物の影に隠れ逃げて行った。









 「エージェントA1、何かあったのか!」


 私の上官のエージェントA0が私の様子をうかがう。


 「ちょっと 知り合いに 会っただけです」

 

 「知り合い?コロニーに、エージェントA1に知り合いなんているか?

 !

 知り合いって言うのは、5年前に逃げた!

 エージェント全員集合!逃亡犯を発見!直ちにこのコロニー全体を捜索!絶対に逃すな!」




 この日参加した私以外のエージェント全員で、コロニーを捜索したが、あいは見つからなかった。



 私は監視を付けられ、都市に連れて行かれ、尋問を受ける。









 この日、このコロニーであった事は、TK23コロニーの悲劇と呼ばれる事になる。



 TK23コロニーの住民は強制収容、後に他のコロニーに振り分けられて移住する事になる。

 ただ、抵抗した者やコロニーに隠れた者は、TK23コロニーが、地球上から無くなると同時に、姿を消す事となった。

 その人達は、テロリスト、非テロリストに関わらず、記録にすら残らなかった。




 私がそれを知ったのは、都市の市民達の記憶から、そんな事があった事も忘れ去られた後だった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ