コールドスリープ
私がコールドスリープで眠りについたのは今から30年前だった。
当時、私は15歳、余命1年と宣告されて半年が過ぎた頃だった。
このまま寿命を全うして死を受け入れて自由に生きるのか。
5年後にこの病気を治療する薬が完成するまでの間、コールドスリープして眠りにつき時間を止めて長生きするチャンスを掴むのか。
その2択で私はコールドスリープを選んだ。
両親とも話し合い、最後は私自身が納得して選んだ選択だった。
そして、15歳の秋、私はコールドスリープで眠りにつく。
5年後期待されていた薬は致命的な副作用が見つかり、私はそのまま寝かされたままにされる事となった。
そして、コールドスリープしてから30年が過ぎた。
私の病気を治す為には、結局あの副作用が出る薬に頼る他ないと結論づけられる。
既に両親は互いに別々の道を歩き出し、私の治療の決定権は90歳を過ぎた祖母に任されていた。
90歳を過ぎ、自分の余命を悟った祖母は、最後に私をコールドスリープから目覚めさせて薬を使い、副作用が出るかどうかは、私の運命に委ねる選択をして息を引き取った。
この薬の副作用は、脳が活性化し過ぎて脳死になる。
病気が治る確率は1%。
私はその命を賭けた闘いに勝った。
私の病気は治った。
ただこの薬のもう一つの副作用で脳が活性化して、超能力を使えるようになってしまった。
こうして、私は30年ぶりに、15歳として眠りから覚めたら、
『超能力者になってしまいました。』
不定期連載です。続きはすぐに書くつもりですが、思いつきでこれから書くので完結するか、着地点を見失いつつハッピーエンドになるか、バッドエンドになるかわかりません。気長にお願いします。