XY2420ーPole sellingー
あの時早々にブロックアウトをしていれば!だが進化の過程において『でもたら』は何の意味ももたないのであった。
西暦2420年4月毎月第一金曜日に行われるオークションが開かれようとしていた。
それは、真実は小説より奇なり。正しくその様な新時代の定着した世界であった。
西暦2020年の4月頃には世界中でコロナウイルスが蔓延し多くの世界人類が感染し死者も出した。
だが、その時人類はコロナウイルスの真の影響力について想像の欠片さえも出来ていなかったのだ。
繰り返しになるが西暦2420年4月の第一金曜日にある一人の青年がオークションに出品されようとしていた。
永遠打腰振18歳。
彼は西暦2420年では珍しくY遺伝子を微かに持っていた。その為に彼は多くの女性からその価値を認められオークションに出品されることになるのではあるが…西暦2420年において男性器という物の希少価値はダイヤモンドよりも遥かに高いものとなっていたのである。
女性が女性単体で受胎出来る新人類の世界。
それが西暦2420年と言う時代の真っ只中なのである。
性愛を求めても、恋を求めても、愛を求めても。もうそこに真なる男性像は地球上どこを探しても存在していなかった。
永遠打腰振18歳。
竿あり玉無しの逸材である。
竿はMサイズとお手頃な汎用性の高いものであった。
東京ドームには数万人の女性がひしめきあっていた!熱気ムンムンである!
目が爛々と輝いている!
竿!竿!竿!
いよいよ! 永遠打腰振18歳の出品の番である!本日のメインイベントとも呼べる最終出品であった!
会場にアナウンスが流れる。
『竿や~♪竿だけっ!皆さま新品の竿はいかがですか?竿や~♪竿だけっ!』
こうして、 永遠打腰振18歳はハンマープライスが鳴り響くまで裸体で竿を衆目の視線に晒し続けるのであった!
これはすべて2020年のコロナウイルスが世界人類のDNAに及ぼした影響の過程に過ぎないのであった!
オークションが終わるとき1072億円で彼は落札されると言う奇遇な数字が現場の女性陣の胸に刻まれるのであった!