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元就の野望~全国版~。わたしはガチャを駆使して補佐します  作者: 那田野狐
第8章 京に掛かる暗雲編

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第14話 細川と三好の両天秤

閲覧・感想・ポイント評価・ブックマーク・誤字報告ありがとうございます。








ちょっと立て続けにモチベが凹み中

1525年(大永5年)10月上旬


 飢饉が危惧された長門(山口北西部)、周防(山口南東部)だったけど、見境なく植えた唐芋(サツマイモ)によって回避することがほぼ確実となった。収獲が終わったのを見計らい検地を実施。来春から行う農地改革に向けて耕作地の整備と準備を始める。また、毛利領内で農業改革によって余り気味だった農民に募集をかけて移住する計画も進行している。


 周防で実験的に統治の方法を変えようとした政策は、政務官に関しては九州に落ち延びず残ってくれた公卿衆や帰農していた国人の三男以降の男。あとやる気に満ちた農民を抱えることに成功した。

 採用基準に満たない人間はその熱意に応えるべく初等教育を施す場所を作ってまとめて入れている。兵力に関しては農民は半農半兵という人が多かったから戦力補填はスムーズだったけどね。

 ただ婦女子に関しては応募すらなかった。たぶん政治に関わるという意識が無いんだと思う。この辺は愛宕司箭院学舎の卒業生が活躍して周知されるまで10年20年の話になるだろう。


 続いて安芸(広島)門山城から長山城、そこから長門甲山城へと続く主幹道路の整備拡張を始める。国人同士の縄張りが無いので、関所は片っ端から取り壊す。

 俺の支配する地域は関所を完全に撤廃し各城下と港での楽市を導入しているが、これを周防と長門で行うのだ。

 筑前から安芸に流通する商品の価格が大幅に下がり商業活動が活発になるのを実感すれば関所の廃止は順次広がっていくはずである。これも効果が出るのは数年先になるだろう。



1525年(大永5年)11月


 2度目の上京は市杵島(いちきしま)の2番艦田心(タゴリ)に乗って瀬戸内海を西から東へと進む旅となった。安芸、備後(広島東半分)、備中(岡山西部)、備前(岡山南東部)、播磨(兵庫南西部)の沖を経由して摂津(兵庫南東部から大阪北中部)と和泉(大阪南西部)に跨る堺の港に到着する。安芸を出発するとき2隻の村上水軍の関船が水先案内を務めようとしたけど途中で置いてきた。移動速度が全然違うからね。


 主上(後柏原天皇)との謁見はあっという間に終わった。正直何をどう話をしたのかは覚えていない。献上した透明度が高い分厚いガラス製の壺を絶賛されたこと、主上が世の安寧を祈って書かれたという般若心経が、今焼き場跡に建設中だという寺院に奉納されることが決まったことは覚えている。史実通りというか随分と顔色悪かったので、併せて身体にいい滋養食の食材セットも献上しておいた。

 続いて将軍の足利義晴さんと謁見。1000貫文を献上し、元就さまが周防と長門の守護職を賜ることが決まった。あと家督と管領職を嫡子の細川稙国さんに譲った細川高国・・・さんに物凄く歓待された。長年色々と思うところのあった大内義興・・・さんが九州に追い落とされたのが物凄く嬉しかったらしい。

 ただ体調不良を理由に細川稙国さんに会うことは出来なかった。史実ではこの時期に病死するはずなので大分悪いのだと思う。薬を献上することはしなかった。たぶんそれなりに効くとは思うけど、権力があり過ぎて効かなかった時のリスクが高いからね。


- ☆ -


「まずは一献」


 そう言って元就さまの酒杯に酒を注ぐのは三好元長さん。続いて三好元長さんの献杯を受けるのは村上水軍の村上義雅さん。

 この度の宴は、山陰と瀬戸内海の過所船旗(かしょせんき)を発行してもらったお礼だそうだ。


「管領(細川稙国)殿に会えなかったというのは誠ですか?」


「ああ。次代を担う管領殿に会えなかったのは心残りだ」


 元就さまの言葉に三好元長さんが薄い嗤いを浮かべる。細川高国さんが厄年を機に嫡男である細川稙国さんに家督と管領職を譲ったけど、隠居する腹積もりがないのは、彼が引退の際に幕政が混乱し、一族の者を送って弁明させたことは周知の事実である。

 嫡男が病気でままならないというなら、いずれ細川高国さんが正式に表の舞台に戻ってくると踏んだのだろう。なら、打つ手は幾らでもあるということか・・・京で起きる動乱はこれからということである。

 官位のお礼と主上との謁見。三好元長さんとの会食で粗方の予定を済ませて帰国の準備を整えていた所に訃報が入る。細川稙国さんがお亡くなりになったという。俺は春先に茶釜を貸したことで細川稙国さんとは少しだけ縁があったので通夜に参加させてもらう。

 細川高国さんが、京を救った施薬院欧仙が来てくれたと大声で叫んだのには閉口したけどね。このとき香典と称して茶釜狸が刻印された金16.5グラムを使って造った小判を置いていったのだが、チョットした騒ぎになったらしい。後日、京から帰って来た司箭院興仙さんが物凄い笑顔で、小判の販売をお願いする手紙を積み上げてそう言った。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 前話の冒頭に >★サブタイトルの話数は「第13話」のはずですよ。 の誤字報告が残ったままになっています。 >続いて門山城から萩城そこから甲山城へ続く主幹道路の整備拡張を始める。 萩城…
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