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■RINK_009_バレた■


——「バレた!!」——


いや、最初から


——「バレていた!?」——


user_name_ウィンク・・・リアルフィールド(RF)での僕のID。


僕の正体を知ったアオイさんは、

一瞬も視線を外す事なく僕をじっと見つめている。

僕がアオイさんの正体が・・・「ハヤブサ」だと

知った感情と同じに違いない。


ビリ・・・ビリ・・・


3DCGのピエールのノイズ音だけが、

僕とアオイさんの沈黙を遮る・・・。

そして

ピエールの声がかすかに聞こえた。


「ふっ」


ふっ———じゃない!こいつ爆弾をぶっこんで来やがった!

ピエールは動揺する僕とアオイさんの目を交互に

左、右と見つめ2,3度・・・視線を移す。


「君達二人はリアル世界でも」

「RFの世界でも繋がっていた!」


「・・・ん?」

ピエールはわざとらしく今気づいたかのような演技をし、


「いや・・・違うね!リアル世界では」

「ジンギ君・・・君はアオイ君の」


「ストーカーだね!」


——!!——

「僕はストーカーじゃない!」

と叫びたかったが、間違いなく客観的に見るとストーカー。

ストーカーは自分がストーカーだと気づいていないケースが多いが、

僕は自負していた・・・


——「僕はストーカーだ」——


アオイさんを尾行して盗み聞きしていたこの状況で、

否定できるわけがない。

僕に軽蔑した視線を送っているのは見なくても

その視線を感じた・・・。

だが、僕は自分のメンツのためだけに必死に否定した。


「違う!僕は気分が悪くて屋上で」


曖昧な言い訳を発したその瞬間、

ノイズがかったピエールが突如消えて

長方形の液晶のビジョンが現れる。


——ブィン——

「・・・?」


そこには僕が屋上でアオイさんとの距離を必死に詰めようとしている

ほんの16分前の映像が映し出された。

この映像を僕は客観的に見つめた・・・。


とてつもなく滑稽(こっけい)だった。


「なんで・・・」

僕の脳内はバグだらけで修復不可能。


そのストーカーの物的証拠を突きつけて、

ピエールの姿が再び現れた。

現れたピエールはバッと左手を上空に広げ、

空に向かって人差し指を指す。


僕はあの映像を見たときに直感していた、

あの構図と角度、学校の周りには高いビルや建物はない。

距離的に考えても———


ピエールはじっと僕を真顔で見つめる・・・。


「ドローンだね」


——「やっぱりそうか!」——


僕は額から顎に向けて流れる汗を右腕でそっと吹く。

「・・・」

僕を見つめ微笑むピエールの王子スマイルが腹ただしい。

だがそんな事よりアオイさんに全てバレた———


「キモい」


——「!?」——


僕はゆっくりとアオイさんを見つめた、

目と目が合い僕の目に映ったのは・・・


軽蔑の眼差(まなざ)し!

そしてアオイさんは再び・・・


「あんたキモい!」


二度目のキモいはさすがに効いた・・・


アオイさんはそのワードを言い残し、ピエールに視線を移す。


「こんな奴がウィンクなわけがない」


「彼がウィンクだよ!」

「ジンギ君・・・RFアプリを起動して証拠を見せてあげたら?」


———!———

ジンギはピエールからアオイに視線を移し、

スマホを入れているズボンの右ポケットを見つめる。

そしてジンギは自分が聞こえる程度の声量でつぶやく・・・


「証拠・・・」



RFはまずPCにソフトウェアをインストールする。

そしてVRスコープとRF専用のモデルガン端末を

を同期するためにスティールというCN.incが独自開発した

ソフトもインストールして初めてログインができる。

だが、外出先でも戦場の状況や、クルーのログイン状況。

新アイテムやイベントなどの情報収集を行う為に、

2年前にRFアプリはリリースされた。


つまり、RFアプリは・・・


——個人情報の宝庫だ——


ピエールが僕を促すように、

「ジンギ君・・・君の証拠を見せて」


僕は食い気味でピエールの問いを遮る。


「アオイさん!」

「僕がウィンクだという証拠を見せる代わりに」

「1つお願いがあります!」


アオイさんは、頷きも視線も外す事なく僕を見つめている。

「・・・」

ピエールはその光景を楽しむように見ている。


「アオイ君・・・ジンギ君のお願い」

「聞くだけ聞いてあげたら?」

「知りたいでしょ・・・」

「彼がウィンクかどうか?」


ストーカーの下りからずっと軽蔑(けいべつ)の目で僕を直視していた視線が

ゆっくりとピエールに向く・・・。


そして再び僕に軽蔑の目が向けられた・・・


「あんたの・・・お願いってなに?」


とてつなく感情が入ってない冷え切った口調が

僕のメンタルをヘタレさした——


・・・だが僕は腹をくくった。


ストーカーである事がバレた僕にとって

もう失うものはない!

普通に生きる事をモットーとしていたが、

目の前で僕を見つめるアオイさんを失う事は

僕の価値観で・・・


生きるに値しない!


「フ〜・・・」


僕は大きく深呼吸をして叫んだ———


「僕もシリコンバレーに行ってもいいですか!?」



—— Now Lording ——



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