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第一話 神をも凌駕する神人類

 はじめまして、蜜柑ねこです。私のなろう処女作である、「異世界から来た勇者はいかがですか?」の世界へようこそ!略称は考えているなうです。案を募集します!

 カワイイ女の子とやりたいことを詰め込むつもりではあります。何卒よろしくお願いいたします。

 西暦20××年、突如アメリカで異能が発見された。発見されてから数十年たつ現在でも、異能について解明できていない。猛威をふるう自然災害等の影響で進化したのではないかと考えられた。

 その後、世界中で異能が確認され始める。現在、異能者は人口の三割程度に達したと見られている。

 日本は異能者を教育する機関、国立西東京一貫校を設立。補助金を出し、全国の異能者を集めた。




「ヘイッ!レディースアーンドジェントルメーン!ご機嫌いかが?放送委員長だぜぇ!今回も始まったぞっ!国立西東京高校異能科、三年生戦闘試験ー!」


 7月初旬、まだ梅雨のジメジメとした空気感が抜けきっていないのにも関わらず、暑苦しい実況が体育館中に響いている。

 学期末試験の一つ、戦闘試験は体育祭のような盛り上がりをみせている。なぜなら、戦闘試験は異能を使い、生徒同士で戦うランキング戦だ。学校の序列に繋がる為、気合いが入るのだろう。


「一応、ルール説明するぜぇ!三年生、300人によるトーナメント戦、一対一のガチンコバトルだぞっ!ランキングは勝利数と先生の採点で決まるんだぜぇ!戦闘に関しては、ほぼなんでもオーケー!ただし、トラウマになるような攻撃はノー!フィールド内では、先生の異能で死なないから安心安心!」


「めんどくさい、一戦目かよ。ま、負ければ終わりだしいいや」


「おっとー?めんどくさいコールが聞こえたぞっ?えーと、ランキングは300位、つまり最下位の宮野ユウ≪ミヤノユウ≫!風紀委員長ともあろう人がやる気無しとは!風紀が乱れてるぜぇ!相手がランキング1位の元生徒会長だからかー!?」


 ああ、めんどくさいと呟く。相手が1位だからやる気がないという訳じゃないんだがなと思うも、口には出さない。確かに、そう思われても仕方がないとは思うが。

 相手は学年一位の天才でイケメンである。天は二物を与えすぎたとまで称される怪物だ。金色に染め上げた髪をワックスで整えている。背の高い爽やか系で、校内でも人気が高い。

 異能は|暗黒物質≪ダークマター≫といい、地球上に存在しない物質を生成する強力な能力だ。


 俺はと言えば、無造作に伸ばした黒髪に地味目な顔。特筆するところと言えば、風紀委員長というだけの普通の奴である。風紀委員長だって押し付けられただけだ。異能は|感覚操作≪センセーション≫というパッとしない能力である。

 差がありすぎだろと天を仰ぐ。


「さてさて、時間が押してきてしまうぜぇ!用意はいいかい?張り切ってファイッ!」


 カーンと甲高いゴングがなり、相手のプレッシャーが跳ね上がる。ゾクゾクと背筋を震わせるまでに強大な敵だと分かる。相手は臨戦体制に移行し、周囲に幾つもの|暗黒物質≪ダークマター≫を出現させる。


「本気で行くよ、宮野くん。構えてくれ」


 目に気合いが入っているのがみて取れる。相当集中しているのだろう。勘弁して欲しい。俺相手に本気になってもらっては困る。


「そうかい。じゃ俺は降参で」


「おーっとぉ!?まただぁ!今回も降参だぁぁぁぁ!戦闘試験やる気なさ過ぎだろぉ、宮野ユウー!ということはー?元生徒会長の勝利だぁ!」


 体育館内はまたかという空気と元生徒会長の勝利を祝う空気

とが入り混じっていた。女子の歓声が多いのが気に食わないところではあるが。もし、俺が勝っていたところでブーイングしかないだろうから問題ない。むしろ心の傷を作っていただろう。

 勝ちたくないなら、余計な体力を使う必要はない。降参が手っ取り早いだろう。


「残念だよ。宮野くんとは本気で戦ってみたかったんだけど」


「やだよ、めんどくさい。それに、お前が負けると女の子が傷つくかもしれないし」


「それなら心配いらないよ。僕は負けない」


「そーかい」


 俺はひらひらと手をふり会場を立ち去る。元生徒会長の周りには人だかりができてきていた。あんな風に女の子に囲まれたいものだ。


 特筆するところを付け加えるなら、世界中のカワイイ女の子が好きな、過度のめんどくさがりという問題児である。




 戦闘試験は終わったが、風紀委員の仕事が残っている。ヒートアップしてしまった生徒を抑えたり、先生の代わりに校内の見回りをするというめんどくさい仕事だ。

 見回りをする番だったため、校内をぶらぶらと歩く。ふと、掲示板を見ると、見た事のない掲示物を発見した。


「|駕神教≪がしんきょう≫?なんか聞いたことあるような気がすんな。ふーん……まてまて、集会?この学校のグラウンドに2時からってマジかよ!」


 見なかったことにしようと、ポスターを剥がして、ポケットに突っ込む。現在は1時過ぎだったはずだ。もうすぐ始まるかもしれない。しかし、午前とも午後とも書かれていなかった。午前だった場合は、風紀委員は居残りで警備になるだろう。憂鬱にもなるというものだ。


「あ、いいんちょ発見!その様子だと、見つけちゃったみたいですね。先生にもバレてますよ」


「その声はシオンか。副委員長も校内見回りだっけ?」」


 後ろから声をかけてきたのは、|如月≪キサラギ≫|紫苑≪シオン≫、二年生で風紀委員副委員長になった女の子だ。ブロンドの髪を低い位地で二つに縛っている。のほほんとした雰囲気もあいまって、おとなしいイメージを与える子だ。カワイイ。


「いえ、職員室に呼ばれてまして。いいんちょが察しの通り、警備をやれとのことです。私が校内に残る組と外の見回り組みに分けときました。どうせ、いいんちょ負けたんですよね?一緒に外に行きましょ」


「おう、負けたぜ。こうなるんだったら勝ってりゃよかったかもな」


「午前だったら負けた方が良かったって言いますよ?それよりも、仕事をした副委員長の頭を撫でてください」


「あぁ、忘れてた。よしよし」


 頭を撫でてあげるだけで仕事をしてくれるのだから安いものだ。カワイイ女の子の頭を撫でられるとか役得だな。シオンの身長は低い訳ではないので、撫でずらくはあるが。

 しかし、仕事ができる部下を持つと上司は楽だなと思う。決して、俺が仕事をするのがめんどくさいとかではない。率先してやってくれるのだ。きっと、俺をリスペクトしているに違いない。


「そういえば、駕神教ってなに?」


「知らないんですか?外に出ながら話ます。駕神教は、若い世代や異能者を中心に流行っている宗教のようなものです。異能者は神を超えるために進化した新人類だというのが、彼女らの主張ですね。神をも凌駕する神人類と書いて駕神教です」


「そんなんが流行っているんだな」


 大前提として、神はいるかどうかというところから考えていかなければならないのでは?そもそも、宗教とは神を信仰する団体のことでなかっただろうか。


「いいんちょ友達少ないですもんね。噂を聞かないのも納得です。ん?いいんちょが友達といる姿を見たことがないかも?いつもぼーっとしてるか寝てるかですしね。大丈夫なんですか?イジメ受けてないですか?この副委員長に相談していいんですよ?学校の風紀守りますよ?」


「余計なお世話だよ」


 この学校にイジメはございません。私、風紀委員長の名において宣言いたします。

 そういえば、顔の狭さを責められていた。耳に入ってこないだけだったとしたら……どうしようか。ま、考えすぎはよくないだろう。俺がイジメられていないのならば大丈夫だろうさ。


「お世話を焼きたくなるというものなんですがね。大丈夫ならいいんです。で、駕神教なんですけど、噂では日本で最初の異能者が教主というか神役らしいですよ。教主を信仰する団体が正しいのかもしれません」


 なるほど。ある意味宗教団体だな。教主を崇拝する組織か。洗脳具合によっては、捨て身の特攻ということもあり得るかもしれない。めんどくさい。

 教主か。果たして、どのような能力を使うのだろうか。日本で一番異能と付き合ってきた人ということだろう。厄介な相手になるに違いない。


「あれ?そういえば、最初の異能者って亡くなってたろ。精神がどうとかで」


「はい。国が身体を弄くりまわした影響だったはずです。でも、教主って生きてる人がなる役職ですよね。神ならまだしも。まぁ、噂というのはねじ曲がってしまうものです。嘘かもしれませんね」


「それならいいんだがな」


 名を騙った偽物なら、話は簡単だ。総力で潰して二度としないように厳重に処罰しよう。午前に集会を開いた場合は、二倍の苦痛を与えてやる。本物だったとしても潰すが。


「副委員長ッ!助けてくださいッ!」


 窓を破り、風紀委員の一年生が廊下に突っ込んでくる。はぁはぁと息切れをし、鬼の形相で語りかけてくる。ところどころ、血がでていた。事態は逼迫した状態なのだろう。焦りが見て取れる。


「まずは落ち着いてください、佐藤くん。どうしたんですか?」


「はぁはぁ、はい。委員長もいらっしゃいましたか。ちょうど良かったです。はぁはぁ。あの、駕神教と思われる集団が、武力で正面突破してきました!二年生3人、一年生2人で対処していますが、じき、全滅するでしょう!敵はおよそ13人!全員異能者と思われ、戦力に差がありすぎます!」


 まだ2時前だと安心してしまっていた。話し合いの通じないタイプか。これは、めんどくさいことになってきた。


「了解しました。私と委員長で対処します。佐藤くんは職員室に伝えに行ってください。応援はいらないとは思いますが、お願いします」


「はい!職員室に行き、避難命令をだしてもらいます!また、戦闘試験は一時中止、ランキング上位者に応援を要請します!これで、よろしいですか?」


「いや、先生に伝えるだけでいい。避難命令はなし。戦闘試験も通常通り行っておいてくれ。生徒の中に駕神教信者がいるかもしれない。校内にいる風紀委員は先生と連携して、グラウンドに出て行こうとする生徒を止めてくれ」


「はい!了解しました、委員長!ご武運を!」


 俺たちは、窓から正門に向けて走り出す。正門付近に集団がいるのが見える。戦闘している様子はない。すでにやられているかもしれない。


「二人で倒せると思いますか?さすがにめんどくさがらないでくださいよ!」


「めんどくさがる暇を与えてくれるんなら、それが一番だろ!」


「それはそうなんですけどね!おさらいしておきますが、私の異能は|物質変換≪アルケミスト≫です!等価交換の原理で、物質を変換するの異能です!」


「オーケー!」


 徐々に敵を視認できるまでの距離に近づいてきた。

 目に飛び込んできたのは、赤い赤い世界だった。彼女らの周りには、血が広がっている。倒れているのは5人。学校の制服と思わしき布きれを纏っている。身体には無数の傷がついていて、痛々しさを物語っていた。

 近づき、身体を揺するも反応はない。身体がだんだん冷たくなっているのが伝わってくる。そこには、明確な死があった。


「……これはお前らがやったのか」


 彼女らは一様に黒いローブのようなものを着ている。顔を判別しづらくするためか、フードを深くかぶっている。

 教主と思わしき人物は、ルビーのはいったネックレスを首にさげていた。


「我々以外に誰がいるのだ。抵抗したからな。殺した」


「そんな!酷いです!なんの権利があって人の命を奪うことができるのですか!」


 シオンの頬を涙が伝う。倒れている風紀委員の子の目にも涙が溜まっていた。死んだ風紀委員の涙を拭って瞳を閉じてやる。


「権利?そんなのは関係ないな。我は神をも凌駕する存在だぞ。生かしも殺すも我の自由だ」


「おい、なんの目的できた」


「質問責めにその言葉使い、無礼だぞ?神の御前だというのに。まあよい。冥土の土産だ、許す。我々の目的はただ一つ。神を凌駕することだ。よって、ここから世界を創りかえることにした」


「そんなの不可能だろ!」


「不可能だと思うだろう?確かに、我の異能だけでは不可能だ。しかし、我は魔術を習得した。我の異能|生命泉≪アニマ≫との掛け合わせにより、可能になったのだ!しかし、膨大な魔力、貴様らで言うところの異能力が必要でな。場所として、この異能者が集まる学校が最適だったという訳だ」


 ふつふつと怒りがこみあげてくる。わけのわからない理由で人を殺した。わけのわからない理由で世界を滅ぼそうとしている。なにより、わけのわからない理由で女の子を泣かした。

 許せない。許せるわけがない!


「おい。その計画、本気で潰してやるよ」


「ほう。人間ごときがやれるならな。しかし、貴様らの相手は我ではない。後ろだ」


 後ろを振り返ると数十人もの生徒がこちらに向かってきていた。


「なぜ?知らせてはいないはずですが」


「ちっ、佐藤か!あいつ、駕神教信者だったとは!くそッ!」


「その通りだ人間!ま、もう準備は整ったがね。我はついに神をも凌駕する!せいぜい、絶望して死ぬんだな!人間ども!フハハハハハッ!」


 教主は右手を掲げる。すると、黒い球体が出現した。

 俺は教主に攻撃しようと走りだした。


 しかし、黒い玉はバチチッという音と共に、視界の全てを飲み込んだ。

 



 夏という設定もあり、暑苦しい第一話でした。滅びましたね。次回、異世界にいます!


 真第一話を投稿した、2月16日は自転車で150キロを走ってきました。よって、第二話は明日に投稿したいとは思っていますが、疲れにより爆睡する恐れがあります。許してください!


 作品の意見、要望、コメント、感想などなど、些細なことから壮大なことまで、ドシドシご応募ください!すべてにお答します。その予定です!


 末長く作品にお付き合いしていただけるよう、精進してまいります。よろしくお願いします!




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